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●原文: 寄美容師島田先生(二首) 玄齋
○其一 (上聲七紙韻)
玉 女 元 来 多 競 美 常 求 名 匠 門 如 市
温 和 店 主 盡 才 知 鏡 裏 嬌 容 含 莞 爾
○其二 (上平聲七虞韻)
來 客 欣 然 爲 自 娯 機 知 既 足 慰 迂 儒
技 能 老 練 操 長 鋏 一 士 美 顔 成 丈 夫
●書き下し文:
題:「美容師(びようし)の島田先生に寄(よ)す」
○その一
玉女(ぎょくじょ)は元来(がんらい) 美を競うこと多し
常に名匠(めいしょう)を求めて 門(もん)は市(いち)の如(ごと)し
温和(おんわ)な店主(てんしゅ)は才知(さいち)を尽くして
鏡裏(きょうり)の嬌容(きょうよう) 莞爾(かんじ)を含む
○その二
来客(らいきゃく)の欣然(きんぜん)たるを自(みずか)らの
娯(たの)しみとなし、
機知(きち)は既に迂儒(うじゅ)を慰(なぐさ)むるに足(た)る
技能(ぎのう)は老練(ろうれん)にして長鋏(ちょうきょう)を操れば
一士(いっし)は美顔(びがん)の丈夫(じょうふ)となる。
●現代語訳:
題: 「美容師の島田先生にこの漢詩を贈ります」
○その一
玉のような美しい女性たちは、その美しさを競うことが多く、
そのためにいつも良い職人を求めて、多くの人がそのお店に
出入りしています。
おだやかなお店の主人は、十分に才能と知恵を振り絞って、
鏡の中のお客さんの美しく色っぽい顔は、
にっこりとした笑顔を含んでいるのです。
○「その二」
先生はやって来たお客さんがにこやかに喜ぶ様子を
自分の楽しみとされていまして、
巧みな知恵はすでに世の中にうとい学者である
私を慰めるのに十分なのです。
その散髪の腕前は経験を積んで巧みであり、
その長いハサミを操ると、
一人の男の人が、顔の美しい立派な男性になるのです。
●語注:
※玉女(ぎょくじょ): 玉のような美しい女の人のことです。
※元来(がんらい): 「もともと」という意味です。
※名匠(めいしょう): 良い職人のことです。
※門(もん)は市(いち)の如(ごと)し: 多くの人がそのお店に
出入りすることを指していいます。
※温和(おんわ): 性格がおだやかなことです。
※店主(てんしゅ): お店のご主人のことです。
※才知(さいち): 才能と知恵のことです。
※鏡裏(きょうり): 「鏡の中」という意味です。
※嬌容(きょうよう): 美しい顔のことです。
※莞爾(かんじ): にっこりと笑うことです。
※欣然(きんぜん): にこやかに喜ぶ様子です。
※機知(きち): たくみな知恵のことです。
※迂儒(うじゅ): 「世の中のことにうとい学者」のことで、
私(玄齋)自身を指しています。
※技能(ぎのう): 「腕前」のことです。
※老練(ろうれん): 経験を積んでたくみであることです。
※長鋏(ちょうきょう): 長いハサミのことです。
※佳客(かきゃく): よいお客、またはお得意先の客のことです。
※丈夫(じょうふ): 立派な男の人のことです。
●解説:
この漢詩もフェイスブックで知り合った友人への漢詩です。
美容師をしている男性の方です。
今回は私が自発的に行ったことです。
感謝と尊敬の気持ちを漢詩という形で伝えようと思いました。
美容師は女性も男性も利用しますので、
それぞれを分けて漢詩にしてみました。
一首目が女性のお客様で、二首目が男性のお客様です。
ちなみに一首目は普通は韻を踏むのに使わない、
仄声(そくせい)で韻を踏んでいます。
こういう漢詩を側体(そくたい)と呼びます。
一句目の七文字目が「美」になりましたので、
それに合わせて仄声で韻を踏んでいます。
私は一芸に秀でている方をとても尊敬します。
さらにこの方はとても人とうち解けやすい性格で、
お話をしていてもとても楽しい方です。
お客さんを喜ばせる、満足させるというところが、
やはりプロだなと思える方で、とても尊敬しています。
そういう部分も私も少しでも吸収していきたいなと思っています。
こういう漢詩作りを通じて、私自身の心もきちんと養っていこうと
思いました。これからもしっかりとがんばっていきます。
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2012年03月27日
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