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●原文:
萬 家 積 雪 玄齋 (下平聲六麻韻)
厳 冬 城 裏 訪 君 家、 萬 戸 軒 頭 一 雪 花。
九 陌 皚 皚 人 跡 絶、 耐 寒 青 女 着 羅 紗。
●書き下し文:
題: 「万家積雪(ばんかせきせつ)」
厳冬(げんとう)の城裏(じょうり) 君が家を訪(と)わば、
万戸(ばんこ)の軒頭(けんとう) 一雪花(いちせっか)。
九陌(きゅうはく) 皚々(がいがい)として人跡(じんせき) 絶(た)え、
寒(かん)に耐える青女(せいじょ) 羅紗(らしゃ)を着(つ)けん。
●現代語訳:
題: 「多くの家に雪が積もっている様子を見て詠みました」
厳しい冬の寒い時期に、都会の町中を通って
あなたの家に向かっていると、
すべての家々の軒(のき)の辺りは、
一面に花びらのような白い雪だけが見えていました。
都の大通りは真っ白になって、人の往来も絶えてしまい、
寒さに耐えている雪を降らす天女も、毛織物のコートを着ているようです。
●語注:
※万家(ばんか): 多くの家のことです。「万戸(ばんこ)」も同様です。
※厳冬(げんとう): 冬の最も寒い時期のことです。
※城裏(じょうり): 街の中、という意味です。中国の昔の都市は、
街の周りをぐるっと城壁が囲ってありました。
その城壁の中、という意味です。「裏」は「中」という意味です。
※軒頭(けんとう): 屋根の軒端(のきば)の辺りのことです。
※雪花(せっか): 花びらのように舞う雪のことです。
※九陌(きゅうはく): 九本の大きな道のことで、都市の大通りのことです。
※皚々(がいがい): 雪や霜などが明るく白い様子を表す言葉です。
※人跡(じんせき): 人の往来のことです。
※青女(せいじょ): 霜と雪を降らせる天女のことです。
※羅紗(らしゃ): 毛織物のコートのことです。
●解説:
昨日の「万家積雪」をさらに推敲したものです。
当時の寒い季節を思い浮かべて詠んでいました。
今回は都市の大通りにも人通りが少なくなった中で、
雪を降らす女神さんも寒さに震えてコートを着ている、
そんな風に推敲してみました。
よりわかりやすい漢詩になったのではと思います。
昨日と今日は、全国的にすごい雪の中ですね。
雪国の除雪作業はいつもより時間も体力もかかりそうですね。
雪国の日々の苦労が想像できます。
当時も大阪は晴れていましたが当時もとても寒かったです。
インフルエンザにはきちんと気をつけていこうと思います。
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漢詩
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平成十八年の年末以来、漢詩をずっと作り続けています。
ここには、添削・推敲の済んだものを掲載しています。
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●原文:
萬 家 積 雪 玄齋 (下平聲六麻韻)
厳 冬 街 巷 訪 君 家、 萬 戸 軒 頭 一 雪 花。
僅 有 墨 痕 無 寸 碧、 青 娥 紅 頬 獨 矜 誇。
●書き下し文:
題: 「万家積雪(ばんかせきせつ)」
厳冬(げんとう)の街巷(がいこう)に君が家を訪(と)うて、
万戸(ばんこ)の軒頭(けんとう) 一雪花(いちせっか)。
僅(わずか)に墨痕(ぼくこん)を留めて寸碧(すんぺき)無ければ、
青娥(せいが)の紅頬(こうきょう) 独(ひと)り矜誇(きょうこ)せん。
●現代語訳:
題: 「多くの家に雪が積もっている様子を見て詠みました」
厳しい冬の寒い時期に、街の道路を通ってあなたの家に向かっていると、
すべての家々の軒(のき)の辺りは、一面に花びらのような
白い雪だけが見えていました。
真っ白な中にわずかに少しだけ墨で書いたような黒い場所があるだけで、
全く緑の葉を見ることもできない、そんな景色ですので、
青娥(せいが)という霜と雪を降らす仙女(せんにょ)が
紅い頬(ほほ)をして、ただ一人、誇らしげにしていることでしょう。
●語注:
※万家(ばんか): 多くの家のことです。「万戸(ばんこ)」も同様です。
※厳冬(げんとう): 冬の最も寒い時期のことです。
※街巷(がいこう): 街中の道路のことです。
※軒頭(けんとう): 屋根の軒端(のきば)の辺りのことです。
※雪花(せっか): 花びらのように舞う雪のことです。
※墨痕(ぼくこん): 墨で描いた跡のことです。
※寸碧(すんぺき): ほんの僅かの草の葉のような緑色のことです。
※青娥(せいが): 「青女(せいじょ)」と同じで霜と雪を降らせる
天女のことです。
※紅頬(こうきょう): 女性の紅い頬(ほほ)のことです。
※矜誇(きょうこ): 自分の才能を誇ることです。
●解説:
雪が積もっている町中を歩いている光景を詠みました。
漢詩の会の二月の課題詩の一つです。
この雪景色の光景も、白と黒の墨絵の世界のようで好きな景色です。
こういう風景に紅い花が咲くというのもとても美しい情景だと思います。
僕は雪の女神の紅い頬、そういう情景を思い浮かべていました。
季節ごとの美しい光景もきちんと漢詩にできるように、
これからもがんばっていこうと思います。
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赤い羽根ペン
Photo by : clef
http://street34.mond.jp/clef ●原文:
(注)この詩は推敲しました。
この記事の最後に推敲したものを示します。
冬夜偶成 玄齋 (下平聲十二侵韻)
獨 坐 松 爐 下、 寄 詞 頻 苦 吟。
挑 燈 忘 冷 暖、 發 憤 惜 光 陰。
白 雪 懷 青 女、 紅 梅 啓 素 心。
清 朝 一 詩 就、 春 意 入 胸 襟。
※七句目の平仄(ひょうそく: 発音の規則)は、
平声を「○」仄声を「●」とすると、「○○●○●」となっており、
四文字目を「挟み平(はさみひょう)」という形にしています。
●書き下し文:
題:「冬夜偶成(とうやぐうせい)」
独(ひと)り松炉(しょうろ)の下(もと)に坐(ざ)し、
詞(ことば)を寄(よ)せんと頻(しき)りに苦吟(くぎん)す。
灯(ひ)を挑(かか)げて冷暖(れいだん)を忘れ、
憤(ふん)を発(はっ)して光陰(こういん)を惜(お)しむ。
白雪(はくせつ)に青女(せいじょ)を懐(おも)い、
紅梅(こうばい)に素心(そしん)を啓(ひら)く。
清朝(せいちょう)一詩(いっし)就(な)り、
春意(しゅんい) 胸襟(きょうきん)に入(い)る。
●現代語訳:
題:「冬の夜に偶然できた詩です」
一人で松の木を燃やす囲炉裏(いろり)のあたりに座って、
手紙を送ろうと思って、しきりに苦心して漢詩を作っていました。
ランプの芯をかき立てて明るくした中で、暑さ寒さも
すっかり忘れるほどに取り組んで、
気力をふるいおこし、時間を惜しんで漢詩を作っていきました。
白い雪の中に美しい青女(せいじょ)という霜と雪を降らせる
天女を想像し、赤い梅の花を思い浮かべて、
かねてからの自分の気持ちを打ち明けるように詠んでいきました。
晴れ渡った爽やかな早朝を迎える頃には、一つの詩が出来上がって、
あなたへの春の恋心が、自分の心の中に入ってくるのがわかるのです。
●語注:
※松炉(しょうろ): 松の木を薪(たきぎ)に燃やす
囲炉裏(いろり)のことです。
※寄詞(ことばをよせる): 手紙を送ることです。
※苦吟(くぎん): 苦心して詩を作ることです。
※挑灯(ひをかかげる): ランプの芯をかき立てて明るくすることです。
※冷暖(れいだん): 暑さと寒さのことです。
※発憤(ふんをはっする): 心を奮い起こして励むことです。
出典は『論語』の述而(じゅつじ)篇です。
※惜光陰(こういんをおしむ): 時間を大切にして努力することです。
※青女(せいじょ): 霜や雪を降らせる天女のことです。
出典は『淮南子(えなんじ)』の「天文訓(てんもんくん)」です。
※素心(そしん): 以前からの自分の気持ちのことです。
※清朝(せいちょう): 晴れ渡った爽やかな早朝のことです。
※春意(しゅんい): 春の恋心のことです。
※胸襟(きょうきん): 心の中のことです。
●解説:
冬の夜の僕の気持ちを、再び五言律詩で詠んでみました。
五言律詩は、平仄(ひょうそく)という発音のルールを守って作ることと
同時に、三句目&四句目、五句目&六句目を対句(ついく)という
語呂合わせの句にしないといけないという、制約の多いものです。
五言は二句で七言の一句ほどの情報の量ですので、
対句のところは二句を対になるようにしながら、
二句を合わせて一つの意味を持たせる必要があります。
対句をうまく作ることと、二句を合わせた意味、
この二つがしだいに両立してくるようになると、
律詩は作るのが楽しくなってきます。
制約された形式というのは、一見窮屈のように思えるのですが、
韻を踏むために韻字のつく熟語を調べたり、
対句のパターンを追究していく中で、偶然に
今までと全く違う言葉や表現に出会うようになり、
常に勉強になっています。
この制約された詩の形式の中で、自分の気持ちをうまく詠んでいくこと、
これからもきちんと挑戦していこうと思います。
●付録:
言葉の由来について書きます。
○「青女(せいじょ)」は、僕が少しずつ訳している
『淮南子(えなんじ)』の中の「天文訓(てんもんくん)」
という巻の一節に出て来ます。
至秋三月,地気不蔵,乃収其殺,百虫蟄伏,静居閉戸,
青女乃出,以降霜雪。
(書き下し文) 秋の三月に至り、地の気は蔵(ぞう)せず、
乃(すなわ)ち其(そ)の殺(さつ)を収(おさ)め、
百虫(ひゃくちゅう)は蟄伏(ちっぷく)し、
居(きょ)を静かにして戸を閉じ、
青女(せいじょ)乃(すなわ)ち出(いで)て、
以(もっ)て霜雪(そうせつ)を降らす。
(私訳)
秋の三ヶ月間には、大地の気は隠れることがなく、
殺気(さっき)、つまり草木を枯らせる寒冷の気が集まってきて、
多くの虫たちは冬ごもりのために地中に籠もり、
人々は家の中で静かに居て戸を閉じて、
その後に青女(せいじょ)という天女がやって来て、
霜と雪を降らせるのです。
秋に青女が霜を降らせると紅葉になる、そういう表現としても使われます。
秋から出てくるわけですが、当然冬にも出てきます。
霜や雪の言葉を示す表現は、色々と覚えていこうと思います。
○「発憤」という言葉は、次の『論語』の述而(じゅつじ)篇の一節です。
(原文)
葉公問孔子於子路、子路不對、 子曰、汝奚不曰。其爲人也、発憤忘食、樂以忘憂、不知老之將至云爾。
(書き下し文) 葉公(しょうこう)は孔子を子路(しろ)に問う。子路は対(こた)えず。
子(し)の曰(のたま)わく、汝(なんじ)は奚(なん)ぞ曰(い)わざる。
其の人となりや、発憤(はっぷん)して食を忘れ、
楽しみて以て憂いを忘る。
老(お)いの将(まさ)に到(いた)らんとするを知らざるのみと。
(私訳) 南にある楚(そ)の国の葉県(しょうけん)の長官が
孔子のことを弟子の子路(しろ)に尋ねました。 子路は官職にいる立派な人に対して、師の孔子が 恥をかかないような答えが見つからず、 返答することができませんでした。
孔子はそんな子路に言いました。
「どうしてお前は次のように答えなかったのですか。
『孔子の人柄は、心を奮い起こして学問に励んで食事をするのも忘れ、
学問を楽しむことで現状への心配事を忘れることができ、 自分が日々老いていくことさえも気にとめることもない、
そんな人なのです』
と。そんな風に素直に答えればよかったのですよ。」 と。
(ここまでが『論語』の訳です)
上の『論語』の一節は、僕が自分の現状を恥ずかしいと思ったときに 思い出す一節です。とにかく今はきちんと努力していこう、
そういう気持ちにさせてくれる一節です。
これからも、こういう言葉をどんどん覚えていって、
僕自身の心も養っていこうと思います。
●推敲:
途中で思い付いたので推敲します。
六句目の
「紅梅啓素心」
「紅梅(こうばい)に素心(そしん)を啓(ひら)く」
では、まだ少し何を言っているのかわかりづらいので、
五句目と六句目を次のようにします。
白 雪 開 紅 蕾、 青 娥 啓 素 心。
(書き下し)
白雪(はくせつ)に紅蕾(こうらい)を開(ひら)き、
青娥(せいが)に素心(そしん)を啓(ひら)く。
(現代語訳)
白い雪の中で紅い梅のつぼみが開いて、
青娥(せいが)、つまり霜と雪を降らせる天女によって、
私のかねてからの自分の気持ちを打ち明けるように、詠んでいきました。
※青娥(せいが)は前述の青女(せいじょ)と同じ意味です。
平仄の関係で使い分けています。
こうすればもう少し詩句としてきちんとしてくるのではと思います。
思い付いたときにはすぐに推敲するようにしています。 |
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●原文:
春日閑居 玄齋 (上平聲七虞韻)
寄 信 呵 文 筆、 苦 吟 春 日 娯。
玄 天 想 仙 女、 白 屋 似 蓬 壺。
依 舊 親 梅 朶、 開 心 忘 藥 爐。
少 痊 新 句 就、 隔 海 與 君 倶。
●書き下し文:
題: 「春日閑居(しゅんじつかんきょ)」
信(しん)を寄(よ)せんと文筆(ぶんぴつ)を呵(か)して、
苦吟(くぎん)するは春日(しゅんじつ)の娯(たの)しみなり。
玄天(げんてん)に仙女(せんにょ)を想(おも)えば、
白屋(はくおく)も蓬壺(ほうこ)に似たり。
旧(きゅう)に依(よ)りて梅朶(ばいだ)に親しめば、
心を開きて薬炉(やくろ)を忘(わす)る。
少(すこ)しく痊(い)ゆれば新句(しんく)就(な)り、
海(うみ)を隔(へだ)てる君と倶(とも)にせん。
●現代語訳:
題: 「春の日に家にいたときのことを詩に詠みました」
あなたに手紙を送ろうと、凍った筆に息を吹きかけて文章を書いて、
苦心して詩を作るのは、春の日の楽しみなのです。
遥か北の空に仙女のような美しいあなたを思い浮かべていると、
私の粗末な家までが、まるで仙人のいる島のように思えてくるのです。
以前と同じように梅の枝に親しんでいると、気持ちが晴れてきて、
私が病気の療養をしていることまで忘れるほどなのです。
そして少し病気が治ってきたら、新しい詩句(しく)ができました。
この詩句を、海の向こうにいるあなたと一緒に味わいたいのです。
●語注:
※寄信(きしん、しんをよせる): 手紙を送ることです。
※呵(か する): 筆先が凍った筆に息を吹きかけて、
使えるようにすることです。この言葉は冬に筆を使う際に
漢詩によく出て来ます。
※文筆(ぶんぴつ): 文章や詩句を書く筆のことです。
※苦吟(くぎん): 苦心して詩を作ることです。
※娯(ご、たのしみ): 「楽しみ」と同じです。
※玄天(げんてん): 北の空のことです。
※白屋(はくおく): あばら屋のことで、詩人が自分の家を
謙遜する表現です。
※蓬壺(ほうこ): 仙人が住むという島の蓬莱島(ほうらいとう)のことです。
※依旧(いきゅう、きゅうによる): 「昔通りに」という意味です。
※梅朶(ばいだ): 「梅の枝」のことです。「朶(だ)」は枝のことです。
※薬炉(やくろ): 薬を入れる炉のことで、闘病生活のたとえです。
※少痊(しょうせん、すこしくいゆ): 病気が少し治ることです。
※新句(しんく): 新しい詩句のことです。
●解説:
春の日の僕の想いを、今度は五言律詩(ごごんりっし)にしてみました。
五言律詩も前回の七言のものと同じで、平仄(ひょうそく)という
発音のルールを守って作ることと同時に、
三句目&四句目、五句目&六句目を対句(ついく)という語呂合わせの
句にしないといけないという、制約の多いものです。
律詩を読む際には、この対句の所にも着目していただけると嬉しいです。
語呂合わせになるように、書き下し文も工夫しています。
春の日にお相手の方を想いながら漢詩を作ることが、
僕の楽しみの一つです。
それを律詩という形でも表現していくことに、これからも挑戦していきます。
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紅梅
Photo by : clef
●原文:
初春想佳人 玄齋 (下平聲五歌韻)
慕 情 寄 汝 奈 辭 何、 時 在 初 春 好 作 歌。
隠 士 芳 園 愛 梅 朶、 名 匠 彩 筆 畫 仙 娥。
東 風 告 信 聞 鶯 早、 北 海 懷 人 盡 意 多。
嘉 節 苦 吟 求 妙 句、 如 迎 麗 女 濟 懸 河。
●書き下し文:
題:「初春(しょしゅん)に佳人(かじん)を想(おも)う」
慕情(ぼじょう)汝(なんじ)に寄(よ)せんとすれば
辞(ことば)を奈何(いかん)せん、
時は初春(しょしゅん)に在り、好(よ)し歌を作らん。
隠士(いんし)は芳園(ほうえん)にて梅朶(ばいだ)を愛し、
名匠(めいしょう)は彩筆(さいひつ)にて仙娥(せんが)を画(えが)く。
東風(とうふう)の信(しん)を告(つ)げて鶯(うぐいす)を聞くこと早く、
北海(ほっかい)の人を懐(おも)いて意(い)を尽(つ)くすこと多し。
嘉節(かせつ)に 苦吟(くぎん)して妙句(みょうく)を求むること、
麗女(れいじょ)を迎えんと懸河(けんが)を済(わた)るが如(ごと)し。
●現代語訳:
題:「春の初めに、美しいあなたを想って詩を作りました」
恋い慕う気持ちを手紙にしてあなたに送るには、
文章をどうしようかと考えて、
今は春の初めなので、よし、歌を作ることにしましょう。
俗世間から離れて暮らす人も花の香りに満ちた庭園で梅の枝を愛し、
すぐれた画家は絵筆を取って仙女(せんにょ)の姿を描く、
そんな季節なのです。
東からの春の風は、春の訪れを告げて、
早くもウグイスの声が聞こえてくるころには、
北の海の向こうに住んでいるあなたを想い慕って、
精一杯真心をつくすことが多いのです。
この良い季節に苦心して詩を作り、すぐれた句を求める気持ちは、
美しいあなたを迎えるために流れの速い川を渡るときの
気持ちと同じなのだという、そんな当時の気持ちを詠んでいました。
●語注:
※初春(しょしゅん): 春の初めごろのことです。
※佳人(かじん): 美しい人のことです。
※慕情(ぼじょう): 恋い慕う気持ちのことです。
※辞(じ、ことば): 文章のことです。
※奈〜何(〜をいかんせん): 「〜をどうすればよいのか」という意味です。
※隠士(いんし): 俗世間から離れて静かに暮らしている人のことです。
※芳園(ほうえん): 多くの花が咲いて、その香りに満ちている
庭園のことです。
※梅朶(ばいだ): 梅の枝のことです。「朶(だ)」は枝のことです。
※名匠(めいしょう): すぐれた芸術家のことです。
※彩筆(さいひつ): 絵筆のことです。
※画(えがく): 絵を描くことです。
※仙娥(せんが): 「仙女(せんにょ)」、つまり女性の仙人のことです。
※東風(とうふう): 春の風のことです。
※北海(ほっかい): 北の海のことです。
※尽意(じんい、いをつくす): 思いやりを持って接することです。
※嘉節(かせつ): おめでたい日のことです。
※苦吟(くぎん): 苦心して詩を作ることです。
※妙句(みょうく): すぐれた詩句のことです。
※麗女(れいじょ): すっきりとして美しい女の人のことです。
※懸河(けんが): 流れの急な川のことです。
●解説:
当時の春の初めの僕の想いを、七言律詩(しちごんりっし)の
漢詩にしていました。
七言律詩は七文字の句が八つで構成されていて、
発音のルールである平仄を守ることの上に、
三句目&四句目、五句目&六句目が
対句(ついく)という語呂合わせの句になっていないと いけないというものです。
大変ルールの厳しいものですが、昨年から作ることができてきています。
七言律詩という形式を、きちんとものにしていきたいなと思います。
今回は当時の僕のお相手の方への想いを詠んでいました。
季節ごとのその折々の想いを、
きちんと漢詩にしていきたいなと思って詠んでおりました。
さらに今年は、最後の句のような勇気を持って、
いろんな事にも挑戦して学んでいこうと思います。
これからも日々努力を重ねていきます。
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