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次に、「象(しょう)に曰(いわ)く」とあります。「象(しょう)」とは、伝説では易の解説のために書いた 十巻の書の「十翼(じゅうよく)」のひとつで、六十四卦の卦を説明した卦辞(かじ)と
各々の爻を説明した爻辞(こうじ)をさらに解説した「象伝(しょうでん)」の一節です。
実際には後世の作とされています。
ちなみに易経の注釈の中で夫子(ふうし: 先生という意味です)と出てきたら、 論語の孔子の言葉でなければ十翼の一節を指します。 「日(ひ)昃(かたむ)くの離(り)」は、先ほど説明しました。夕日が沈む頃の輝きで、 私の死期を悟った頃を指します。
「何(なん)ぞ久(ひさ)しかるべけん哉(や)。」 「久(ひさ)しい」は長く保つことですから、 「どうして(私の命を)長く保つことができるでしょうか」となります。
私の人生の残された時間は少ない、ということです。 (その七に続く) |
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「缶(ほとぎ)」とは北宋の程頤の注では「常用の器」つまり食器などの普段使う器のことです。「鼓(こ)す」は楽器のように打ち鳴らすことです。直訳としては「普段使う器を打ち鳴らして歌わなければ、」(この部分は後ほど再び解説します。) 「耋(てつ)」は八十歳の老人のことで、この時代では長生きです。ですから「大耋(だいてつ)の嗟(なげ)きあり」は寿命を終えて死が近づくことをただ嘆くことになるでしょう」となります。凶(きょう)は説明しなくてもわかりますね。 (その六に続く) |
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細かく解説していきます。まず、「昃」は「かたむく」と呼びます。ですから、「日(ひ)昃(かたむ)くの離(り)」とは、「日傾くの麗」つまり「日が傾いて沈む前の夕日の輝き」のことです。 易の爻は初から上へと上っていくように考える必要があります。下から上へと出世していく形で考えていくのです。 一般に、各爻を人事で表すと、初は職につく前の人、学生や浪人を指します。二は職に就いたばかりの一兵卒や平社員、三は中間管理職、四は大臣や役員や首相、五は君主や社長、六は引退した君主や一線を退いた社長、という風に考えていくとわかりやすいです。 とはいえ先ほどのは一般的なケースですので、そのようにイメージしながら細かいところは爻辞を見ながら確認する必要があります。例えば殷の紂王を倒した武王の子の成王を補佐した周公は、いくつかの卦で二〜五の中で表されています。 周公は官職上は四ですが、初と四、二と五、三と上が結び付く応という性質があり、一方が陰で一方が陽の時に結び付き、同じ時は反目します。五の成王の陰を二の周公の陽が補佐するときもあります。六が政治に関わらない王や英雄に討ち取られる暴君の時もあります。 本文の解説 に戻ります。 (その五に続く) |
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九三、日昃之離。不鼓缶而歌、則大耋之嗟、凶。 象曰、日昃之離、何可久哉。 ●書き下し文: 九三、日(ひ)昃(かたむ)くの離(り)。缶(ほとぎ)を鼓(こ)して歌わざれば、則(すなわ)ち大耋(だいてつ)の嗟(なげ)きあり、凶(きょう)。 象(しょう)に曰(いわ)く、日(ひ)昃(かたむ)くの離(り)、何(なん)ぞ久(ひさ)しかるべけん哉(や)。 (書き下し文は誰でも書けます。その四から、細かい言葉の解説に入ります。) (その四に続く) |
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離の卦の「離(り)」は「麗(り)」と読み替えられて、「つく」と訓読みされますが、他の読み方の「かがやく」という読み方で理解することができます。そこから輝くもの、火や太陽、八卦の形が、陰が陽に挟まれて目玉のような形から、明察を意味することもあります。 そうしてその八卦の離を重ねたものが、六十四卦の離の卦になります。 (六十四卦の離の卦の形は上の画像のようになります) そしてこの六つの爻には番号が振られていて、下から初・二・三・四・五・上と呼びます。 その爻が陽の場合「陽爻(ようこう)」は陽の数の九で、陰の場合「陰爻(いんこう)」は陰の数の六で表されます。 そこから離の卦の各爻は初九・六二・九三・九四・六五・上九と呼ばれます。ですから九三の爻辞とは下から三番目の陽の爻の説明文になります。では、本文に入ります。 (その三へ続く) |



