絶体絶命! 小論文

さあ四月。いよいよ本当のスタート。

【雑談】まじめ

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改憲について思考実験

 環境先進国ドイツは国内の原子力発電所をすべて停止・廃棄する予定だ。放射性廃棄物が大量に出るのでなかなか進展しないが、少なくとも現在はこの原則に変わりはない。

 省資源・クリーン・低コストのエネルギーとして原子力発電が注目されているが、ドイツはこの原則を変えないと宣言した。原油価格が高騰して火力発電のコストも上昇。そのうえ地球温暖化対策として二酸化炭素排出量を削減しなければならない。当然、化石燃料(炭素を含む)を燃焼する火力発電に対する風当たりは強くなる。もちろん原発抜きでは、自国の経済活動に必要なエネルギーを十分に確保するのは難しい。

 それでも原発は利用しないそうだ。

 それでは、ドイツは電力をどう確保するのか。ドイツは隣国のフランスから買うそうだ。フランスといえば、世界有数の原発先進国。電力供給量の八割近くを原発に依存している。つまり自国で原発は使わないが、隣国の原発は使う。原発を使うのは環境破壊の観点からよくないが、その原発が国境の外にさえあれば問題ないということだ。

 これって、どう思う?



 さて、今日は憲法記念日。新聞でも「改憲」が話題になっていた。もちろん憲法第九条=非戦条項をどう扱うかがメインだ。

 そこで思考実験をしたいと思う。

 まず次のように仮定する。(1)国防・国際貢献のための軍隊が必要であり、(2)しかし現在の憲法では軍隊は保持できず、(3)かつ現在の自衛隊では十分に国防・国際貢献の任務を果たせない。国防の必要性は言うまでもないだろう。国際貢献(例えば、国連平和維持軍への参加)の必要性も、実は言うまでもないかもしれない。常任理事国入りを目指しながら、国連平和維持軍に兵を派遣できないのは論外だからだ。平和維持活動に参加できないなら、常任理事国入りを目指すべきではない(このあたりはさらに、国際社会での地位をどう高めるか、あるいは、そもそも高める必要があるか、が論点になる)。

 日本は憲法第九条を論拠に、軍隊の保持や多国籍軍への参加、集団的自衛権の承認などを拒否している。日本は平和を愛する国であり、「戦争には絶対に参加しない」というわけだ。しかし国際社会の一員として戦争に参加しなければならない状況になる場合はある。アフリカや中央アジアに紛争多発地域があれば、大量の軍隊を派遣をして平和を維持すべきだ。それは大国としての義務だろう。実際に戦争をするわけではない。武力行使を抑えるには、より強大な武力が必要というだけだ。話し合いだけで平和を実現できるほど、世の中は甘くない。そんなことは、まともな小学校・中学校生活を送ってさえいれば、十分体験できているだろう。殴り合いをしたがる二人を止めるには、その二人よりも数倍腕力の強い誰かが必要だ。

 それでは、日本はそんな戦争に参加しなければならない状況になったとき、どうするのか。自分は平和を愛し戦争には絶対に参加しないと決めているから、日本の代わりにアメリカ(や他の国)に参加していただく――そんな感じだ。自分は戦争はしないが、他人を戦争させる。金を払っているのだから問題はないというわけだ。

 これって、自分は原発を持たないけど、隣国の原発から電気を買うのと同じに見えない?

 というわけで、論点は最初に出した仮定になる。国防・国際貢献の必要性があるのかないのか。それから必要性があるとすれば、現在の憲法・自衛隊ではその任務を果たせないかだ。もし国防や国際貢献の必要性がないなら、軍隊はおろか自衛隊も不要だ。憲法はそのままでいい。また国防や国際貢献の必要性があったとしても、現在の憲法の枠内や現在の自衛隊の能力で任務を果たせるなら、これもそのままでかまわない。

 さあ、どう考える?

NHKの公務員体質

 90年代前半の話。大学生だった僕は、NHKの地元高校野球中継のケーブル・アシスタントのバイトをすることになった。仕事はかなり楽で、ケーブルを手にして単に観戦しているだけ。当時、高校野球に興味がなかった僕は、ただ退屈なだけだった。

 昼食の時間。

 中継班のリーダーが口にしたのが「仕出屋は? 頼んでねえのか。じゃあ、ほか弁でいいや。バイト2、3人連れて買いに行って来い。一番高い奴をな」という一言。おかげで、僕は「ダブルうなぎ弁当」を食べられることになった。ダブルうなぎ弁当を手渡されたリーダーが「一番高い奴でも1000円しないのか」と言っていたのが、ものすごく印象に残っている。

 当時、他のバイトでは「昼食といえば、最も安いもの」というのが定番だったから(のり弁とか)、この高待遇には驚いた。「経費をなるべく高く使う」という発想は、それまで一度も経験したことがなかった。「ああ、これが公務員か」と思ったのを覚えている(当時、僕はNHKは国営放送だと勘違いしていた。恥ずかしながら)。

 この公務員体質。十年経った今、もうすっかり抜けたのだろうか。
 NHKニュース。「空の安全 大丈夫?」コーナー。

 プロペラ機の故障一覧に「昇降だ不具合表示」とあった。
 
 恐らく「昇降舵(だ)」の「舵」を漢字表記しないことになっているのだと思うけど、こうした熟語を漢字仮名交じり文で書くのは違和感がある。「ら致」とか「改ざん」とか「隠ぺい」とか「漏えい」とか。

 それにしても「昇降だ」って……。誤植かと思って、NHKに電話するところでした。

 まったく。

「信ぴょう性」とか「改ざん」とか「し烈」とか「ねつ造」とか「ぼっ発」とか。

 ところで、ATOKを使っているけど、混ぜ書きで変換できるのがすごい。

「閉そく」とか「悪らつ」とか「安ど」とか「押なつ」とか「覚せい剤」とか「しゅん別」とか。
 役に立つかどうかは、どのような人間になるかに左右される。

「受験勉強なんかしても、社会に出てから役に立たない」と口にする生徒は多い。「そもそも勉強なんて役に立たないものだ」と明言する先生すらいる。しかし受験勉強=役に立たないものという短絡的な定義は間違いだ。例えば、英語を日常的に使う職に就いている人は多い。もちろん受験勉強だけでビジネスに使えるほど英語が上達したりはしないが、受験勉強が英語習得にある程度役立ったのは間違いない。「役立たなかった」と断言できる人がいるなら、恐らく受験勉強のやり方が悪かったのだろう。ほかにも高校教師や塾・予備校講師は、受験勉強で身につけた知識・技能を、大学・大学院で磨き上げたうえでフル活用している人種といえる。

「藤原氏」「武士」「江戸時代」「ローマ帝国」「トラファルガーの海戦」「ナポレオン」「スプロール現象」「大気汚染」「安定経済成長期」「付加価値」「ユダヤ人」「サバンナ」「プレートテクトニクス」「虹彩」といった言葉を目にしたとき、すべてではないにせよ、あるいは、正確ではないにせよ、何となくイメージがわくのは、受験勉強のおかげといえる。こうした言葉を受験勉強の中で一度は記憶する。その記憶が、将来、読書したり会話したりする中で役立っている。仮に「役立たない」とすれば、受験勉強をまともにしていないか、「知的」とかけ離れた生活をしているかどちらかだ。

 したがって「役に立つかどうかは、どのような人間になるかに左右される」といえる。

 そもそも受験勉強に限らず、何を学んだとしても、それが社会に出てから役立つかどうかは不明だ。社会にどのような形で出るかに応じて、何が役立つのかは変わる。僕はたまたま予備校講師になったから、大学院で学んだ「中国史の知識」「漢文の読み方」「論文の書き方」といった知識・技能が役立つことになった。予備校講師になる前は、塾で英語や古文を教えていたから、大学院で学んだことは何一つ役に立っていなかった。

 将来、何になれるかを自分の一存で決定できればいいが、そうもいかない。例えば、予備校講師になるためには、採用試験をパスしなければならない。採用試験の難度は「東大二次試験」以上と考えてもらっていい(少なくとも僕が受けた試験はそうだった)。一科目しかないから、実際に東大に合格するよりはるかに簡単だが、高校生用の教材では答えを調べられないくらいの問題が出る。「就職先がないから予備校講師にでもなるか」程度の心構えでは合格は難しい。

 要するに、つきたい職業につけるわけではない。将来性を見込み「Web2.0関連企業」に就職しようと、ネットワーク理論で修士号をとったとする。それでも「ヤフー」や「グーグル」に就職できるとは限らない。オフィス機器を販売する営業マンになっているかもしれない。中国古代思想で修士号をとった僕よりは、はるかに「Web2.0関連企業」に就職できる可能性は高いが、しかし実際に就職できるかどうかは別だ。すべてが自分の希望通り進むほど世の中は甘くない。

 したがって、今、身に着けようとしている知識が、将来、役立つかどうかは不明だ。しかし、今、どのような知識を身に着けるかで、将来、自分がどうなるかは左右される。正確に表現すれば、何を学ぶかで「将来の可能性」を確保できる。大学院で東洋史を専攻してしまえば、将来、ストックオプションで数千億円稼ぎ、40代で引退して、あとは株価の上下に一喜一憂する毎日を過ごす――なんて可能性は恐ろしく低くなる。そもそも日本人の家庭に生まれた段階で、可能性はかなり低くなっているが、しかし高校生の間にTOEFLで高得点を取れるほどの英語力を身につければ、少なくともそうでない場合よりは、可能性はぐんと高まる。


 というわけで、受験勉強、何の役に立つのか不明ですが、そもそも周囲を見回せば、役に立ちそうもない知識ばかりです。今日、『中国語ジャーナル』に目を通しましたが、将来、中国語を使う必要性が生じるかどうか不明です。大学院時代は、どうしても中国語の文献を読む必要がありましたが、今はすっかりありません(僕の中国語能力は錆びつく一方)。また今日、「ココリコ・ミラクル」を見て、「艶女(アデージョ)」「艶男(アデオス)」「あえシワで、ちょいロク笑顔(あえてシワを隠さず、ちょっとロクデナシな笑顔)」なんて言葉を覚えましたが(正確かどうかは不明)、役に立たないという点では、これも「フェルマの最終定理を証明したのはアンドリュー・ワイルス。定理の発見から350年以上経っていた」も変わりません。僕にとっては。


 どうせなら、楽しんで学びましょう! と受験生に伝えたい。

統計にまつわる昔話

 2004年の末、僕はとある高校で講演をした。そこで情報収集と事実に基づく判断の重要性を強調するため、こんな話を披露した。


「バブル崩壊以降ずっと不況だったイメージがありますが、95年と96年の両年、97年のアジア通貨危機直前には景気回復が起きてました。したがって『バブル崩壊以降、泥沼の不況に日本は苦しんでいるが』と書くのは少々危険です。またその後、日本はまた不況に苦しんでいましたが、今年は中国特需と『デジタル三種の神器』と呼ばれる家電売れ行きの好調で、とうとう景気回復が始まりました。したがって『このどん底の不況の中』と書くわけにはいきません」


 事実誤認を避けるためには絶え間ない情報収集が必要で、「小論文のネタ本」のような古い情報源に依存すれば、判断ミスを犯す、という文脈での話だった。講演後の質疑応答で、ある先生が手を上げ、こんな質問をした。


「なんか、話が信用できないんですよね。まあ、いいですけど。景気がいいなんて、そんなこと言ってる奴いるんですか。僕の周りには一人もいないですけどね。まあ、いいです」


 半笑いで言いたいことだけ言って座ったので、ずいぶんと失礼な人だな、と感じたが、僕はあっさりと、


「先日、発表された日銀短観でも景気回復は裏付けられていますし、その他の統計データも多くが好転しています。それに景気回復については、連日、新聞に関連記事が載っていますから、注意深く読んでいれば気づいたと思います。今朝も仙台副市長がその旨の発言をしましたし、NHKでは景気回復が本物かどうか論じる番組を確か来週くらいに流します」


 と自分の判断の根拠を披露した。その先生は「景気回復については……」以下を全部無視し、また半笑いで、


「統計が全部本当ってわけじゃないですよね」


 と一言だけコメントした。僕はたたみかけるように、


「もちろん、そのとおりです。どの事実を事実として利用するかは論じる人の裁量です。自分の周囲を見て判断するか、統計を見て判断するか。どちらがより正しい判断につながるか。このあたりは論じる人が決めればいいことです。『日銀短観はうそをついているのであって、自分の周りによれば、まだ景気回復はしていない』と論じるのも、その人の自由です」


 とコメントした。実際「統計上は景気が回復しているのに、庶民のレベルで実感がないのはなぜだ」という議論がされているところだった。一部の企業が景気回復を実感していただけで、仙台のような地方経済は景気回復と無縁だった。しかも「デジタル三種の神器」の売上はその半年後には伸び悩み、家電業界はまたリストラを余儀なくされたりした。

 いずれにせよ、講演に出席した先生方は景気に関する記事に敏感になったはずで、そうすれば次々と景気回復を裏付ける記事が飛び込んでくるような時期だった。僕はあの先生に相当腹を立てていたので、しばらくの間、新聞を読みながら「ざまあみろ」とつぶやいていた。

 しかし重要なのは「確かに統計でいえば、景気回復は事実だった。しかし仙台で景気回復していないのもまた事実だった」という点だ。あの先生も間違っていなかった。ただ「全国平均」を見るか、「地方」を見るか(恐らくもっとずっと狭い範囲だったと思うが)、僕とあの先生の間には、そんな違いしかなかった。統計だけを見ていれば、当然、地方経済は不景気なままという実態に気づけない。また自分の周囲だけ見ていれば、当然、たとえ一部にせよ、景気回復がはじまっているという事実にも気づけない。要するに、統計も同僚との茶飲み話も含め、あらゆる情報源を利用しながら、「実態を自分で組み上げる」努力が必要だと痛感した。



 というわけで、僕の情報リテラシーは、あの半笑いの先生のおかげで少し成長しました。今は感謝してます。こうしてネタにもなりましたし。

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