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具体的な数字を知ること、あるいは、自分が知りもしなかった数字を知ることは、大きな刺激になる。というわけで、一冊紹介を。 ◎『世界を見る目が変わる50の事実』(草思社) 「中国では4400万人の女性が行方不明。世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である。ロシアで家庭内暴力で殺される女性は年間1万2000人を超える。世界にはいまも2700万人の奴隷がいる。米国は国連に対し、10億ドル以上の未払い金がある―具体的な数字から立ち現れる驚くべき事実の数数。その背景には、実に意外な物語がある。身近な話題から遠い国の事情まで、50の事実を読み終える頃には、きっと少し、あなたの世界の見方は変わっているはず。新聞やテレビだけではわからない、世界の真の姿が見えてくる書」 amazonにあった内容紹介をそのまま引いた。 著者のジェシカ・ウィリアムズは、どちらかといえば、人道を重んずる理想主義者。具体的な数字を取り上げたうえで、道徳的な見地から批判を加えていく。したがって「国益」とか「ハード・パワー」とか「経済成長」といった言葉に興奮するような「男の子タイプ」の人には向かないかもしれない。それでも目次に列挙された数字を眺めるだけでもかなり興奮はする。 小論文学習者は一読した方がいいだろう。
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現役予備校講師の本棚
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■情報関係 坂村健『情報の教科書』(数研出版) 『インターネットの光と影』(北大路書房) 『ブログ・ジャーナリズム』(野良舎) ほかにも『みんなの意見はけっこう正しい』とか『ネクスト』とか『創発』とか『新ネットワーク思考』とか、面白い本はいっぱいあるけど、とっつきやすそうなものを三冊選んでみました。坂村健さんの本は読みやすいので、 文庫『痛快! コンピュータ学』(集英社文庫) 新書『ユビキタス・コンピュータ革命』(角川oneテーマ) 新書『情報文明の日本モデル』(PHP新書) もおすすめ。「ブック○フ」で簡単に見つかると思います。というか、こっちの方がいいかも。 ■デザイン関係 パコ・アンダーヒル『なぜこの店で買ってしまうのか』 パコ・アンダーヒル『なぜ人はショッピング・モールが大好きなのか』 いずれも早川書房。 特に前者がおすすめ。街に出たときに、店の見方が変わります。いろいろと観察して、改善点とか探すようになると思います。 それでは、このあたりで。 ○○くん、遅くなって、ごめんなさい。
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新幹線は読書するところ。現在、東京出張中。 |

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雑誌を三冊購入。『ニューズウィーク』『プレジデント』『日経サイエンス』。 『ニューズウィーク』は普段買わない雑誌だけど、記事の内容は小論文学習者・小論文指導者にとって必須。取り上げる話題がそもそも小論文向き。事件や社会現象を、一般論とは異なった観点で論じているから、知的刺激を受ける。今回の特集は「ニッポン大好き」。日本人は自国の文化を軽視しているが、海外では意外に日本文化の人気が高い。しかも伝統文化ではなく、現代文化の人気が高い。「ジャパン・イズ・クール」としばしば表現される。スシ、カラオケ、マンガなどなど。ぜひ一読して欲しい。 『プレジデント』は、『ニューズウィーク』以上に買わない雑誌だけど、今回は購入。特集は「ゴーン流『予測する技術』」。比較的長めのゴーン氏の記事も魅力だが、さまざまな人がさまざまな観点からする将来予測が面白い。しかも「2007年に日本は破綻する」に類する「ただ危機を煽るだけ」の将来予測とは異なる。まだすべてに目を通したわけではないが、細かな事実を積み上げた予測か、一流の専門家が持論を展開したものばかり。「将来予測」は、倫理的な判断や単なる悲観・楽観論とは異なり、難しい知的技術だ。軽めのビジネス雑誌なので、受験生も一読して、ぜひその雰囲気を感じ取って欲しい。 『日経サイエンス』は100%文系人間の僕にとって読解が難しい。理解できない記事も多い。読むのに時間もかかる。それでもほぼ毎月購入している。書評や「NEWS SCAN(科学の最新トピック一覧)」が大好だし、理解できる記事は他の書物では味わえない知的興奮を与えてくれる。まだ書評しか読んでいないので、何も感想は書けないけど、「高濃縮ウランをテロリストから守れ」「実験動物に頼らない毒性実験」の記事に大注目だ。
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頭痛はまったく治まらないものの、今日は半日本屋めぐり。 新刊では、職業柄、マーク・カーランスキーの『1968年――世界が揺れた年』(ソニーマガジンズ)が気になったけど、明日の予定(新潟の水族館に行ってきます!)と財布と相談した結果、購入を来週まで延期。一冊2600円×前後編2冊=5200円の出費に少し二の足を踏んでしまいました。ちなみに、カーランスキーは『「塩」の世界史』(扶桑社)で有名なノンフィクション作家です。 歴史に関連する本は、海外のノンフィクション作家のものが面白いですね。ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』)とかマーヴィン・ハリス(『ヒトはなぜヒトを食べたか』)とかユン・チアン(『ワイルド・スワン』『マオ』)とか。この中では、ハリスの『ヒトはなぜヒトを食べたか』がおすすめ。もちろんハヤカワ文庫だから(!)というのもありますが、彼の「技術決定論」という視点を知って欲しいから。ジャレド・ダイアモンドも思い切り技術決定論的な視点で歴史に考察を加えていますが、ハリスはそれよりもずいぶんと前の人。 技術決定論(ハリスは「文化唯物論」と呼ぶ)というのは、「技術(=物理的な条件)が人間の行動・文化を決定する」という考え方。例えば、ヒンドゥ教で牛を神聖視するのは「インドの生産システムでは、牛を摂取してカロリー源・タンパク源とするのは非効率であり、牛を食べずに鋤を引く労働力として活用した方が効率的だったから」なんて説明したりします。有名なのは、彼の説ではないですが、「近親相姦を禁止するのは、遺伝的に近い者同士が子どもを作ると、身体障害者や知的障害者が生まれやすくなるから」というもの。といっても、これは、最近「遺伝的な近さと障害者の生まれやすさとは無関係」という研究成果が発表されたので、誤りである可能性が高くなりましたが。ともかく、文化的な現象を「まあ、文化はそれぞれだから」などと片付けずに、科学的な視点から解釈しなおすのが技術決定論です。科学という世界共通の視点で「翻訳」したといってもいいでしょう(これについては、また後日)。 僕が技術決定論に出会ったのは、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』を読んだとき。そもそも僕は「新式の兵器が開発されたから農民の動員が可能になった」とか「交通機関の発達があったから『民族』という概念が生まれた」とか「タンパク源がほかにないから日本の内陸部で『虫』食の文化が生まれた」とか普通に考えてました。ところが、当時、それは反主流で、かなり嫌われました。技術決定論は別名「唯物史観」。そう。あのマルクスの歴史学の特徴なんです。マルクスはもちろん日本の中国史学に影響を与えていて、かつては唯物史観から中国史を論じた論文が山のように出ていました。僕が論文を書いた頃は、唯物史観の決定的な誤り=「西洋の歴史発展と同じ道筋を東洋の歴史がたどるとは限らない」がようやく定着したあとだったので、唯物史観を臭わす僕の論は白い目で見られました。要するに、かえって「時代遅れ」と見られたのです(ちなみに、僕はマルクス主義者ではありませんし、マルクスの影響を受けたわけでもありません)。 そんなわけで、『銃・病原菌・鉄』がベストセラーになったときは、「強力な援軍が現れた!」とうれしく感じました。また「なんだ、僕の考え方は間違いではなかったんだ」と安堵もしました。日本人の歴史学者の論では、意図とか心情といった精神的な要因がかなり入ってきます(後輩は「領土を拡張するのは人間に欲があるから」とか平気で口にしていました。こんな低レベルの人間が博士課程にいたりするんです)。しかし欧米人の歴史学者の論では、徹底的に物質的な要因で歴史を解釈しようとする傾向が強いです(もちろん全部が全部ではありませんけど)。しかも、そうした本が次々出版されたりベストセラーリストに並んだりするということは、どうやら時代が技術決定論に流れているらしい。 というわけで、ハリス、おすすめです。恐らく技術決定論を学ぶのに最適な本ですし、また技術決定論の「うさんくささ」も感じ取りやすい本だと思います。そうなんです。技術決定論にはうさんくさいところがあるんです。でも、そこがどこかは内緒です。少なくとも今日は。 【補足1】 ユン・チアンは技術決定論とは関係ありません。念のため。 【補足2】
「領土を拡張するのは人間に欲があるから」が低レベルのは、「したいからした」と言ってるのと変わらないから。これでは、何も説明していないのと同じです。 |



