絶体絶命! 小論文

さあ四月。いよいよ本当のスタート。

【時事】経営・経済

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グーグル・ニュースを見ていたら、一見、矛盾を感じる記事を発見した。

 まずはこれ。

生活保護、初の100万世帯 13年連続増、過去最高
 厚生労働省は6日、平成17年度の生活保護の受給対象世帯が、月平均で前年度比4.3%増の104万1508世帯となり、過去最高を更新したと発表した。

 保護世帯は5年度以降、13年連続で増加しており、昭和26年度の調査開始以来初めて100万世帯を突破した。

 厚労省保護課は、近年まで続いた景気低迷傾向の影響をまだ引きずっているのではないかとした上で「保護世帯は増加しているものの、最近の景気回復傾向や失業率の低下などを背景に伸び率は減少傾向にあると考えている」としている。

 保護世帯の内訳を見ると、最も多いのは高齢者で45万1962世帯。前年度に比べ2.9%減ったが、高齢者をこれまでの男65歳以上、女60歳以上から、男女とも65歳以上に統一、対象世帯が減ったため。それ以外では障害者・傷病者が38万9818世帯、母子が9万531世帯、その他が10万7259世帯となっている。

 昨年9月に新たに保護対象となった1万5662世帯の理由をみると「傷病による」ものが最も多く42.8%。次いで「働きによる収入の減少・喪失」が19.5%、「貯金等の減少・喪失」が14.8%などと続く。

 生活保護世帯数は、小泉改革がもたらした「格差」の象徴としてしばしば取り上げられる。その数字が100万という大台を突破したのだから、「ますます日本の状態は悪くなっている!」と感じるところだ。

 ところが、次にこれ。

景気拡大「いざなぎ」に並ぶ・月例報告で政府見解へ
 政府の10月の月例経済報告の原案が6日明らかになった。景気の基調判断について「回復している」との判断を8カ月連続で据え置くのが柱。2002年2月に始まった現在の景気拡大期間が10月で戦後最長のいざなぎ景気(1965―70年)に並ぶとの見方を政府として示す形で、11月には戦後最長の拡大となるのが確実な情勢だ。

 10月の月例経済報告は大田弘子経済財政担当相が12日の関係閣僚会議に提出する。原案では、個人消費は「このところ伸びが鈍化」としながらも、企業収益の改善を背景に「設備投資は増加」との判断を維持。景気の先行きについても「国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる」との表現を続ける。

 景気回復といっても期間が長いだけで、バブル期ほど世に富が溢れているわけではないが、それでも「いざなぎ景気に並ぶ! その名も小泉景気になるかも!」となれば、「ますます日本の状態は良くなっている!」と感じるところだ。

 というわけで、一方では生活保護世帯数が大台を突破。一方では戦後最長の景気回復になるかも。健全な小中学生が新聞を眺めていれば、「で、結局のところ、日本は良い状態なの? それとも悪い状態なの?」とお父さんに聞きたくなるだろう。

 保護世帯は「13年連続で増加」とあるから、小泉構造改革のせいで増えたわけではない(小泉のせいで激化した可能性はある。少し調べればわかるけど……、手を抜きます!)。保護世帯の割合は高齢者が最も多いから、保護世帯の大台突破は「景気低迷のせい」というより、「高齢社会の進展のせい」と考えるべきだろう。いったん被保護世帯になってしまうと、ただでさえ抜け出すのは難しい。まして高齢者ならなおさらだ。被保護世帯となった高齢者が、平均寿命世界一という恵まれた環境のおかげで、そのまま「生き続けている」ので、保護世帯数の減少が進まない。平均寿命が50歳程度だったら、大台突破はなかったはずだ。

 気になるのは、保護対象となった理由が「『傷病による』ものが最も多く42.8%」という点。怪我や病気になったために解雇されるケースが以前よりも多くなったのか、それとも申請が通りやすいのでケースワーカーが好んで「傷病による」を使っているのか、軽いうつ病程度でも傷病に入るのか(そんな理由を認めていたら、ニートの大半は生活保護を受けられる)。

 いずれにせよ、生活保護世帯数の大台突破は高齢社会の進展のせいといえそうなので、一見感じた矛盾も存在しなかったと結論できそうだ。
 政治家・官僚の公式発表を信じてはいけない。

 彼らは自分たちの発言がどう世論に影響するか、どう社会に影響するかを、しっかり計算している。公式発表のときは。十分に検討せず発言した場合、政治家や官僚は驚くほど世間知らずなので(=一般常識が通用しない)、とんでもない発言をして、国内や近隣諸国の国民感情を逆撫でする。しかし公式発表の場合は、意外に計算高い。

 恐らく情報操作・世論形成のプロが関与しているのだろう。

 というわけで、こんな記事。

[与謝野経済財政担当相]今の景気、「いざなぎ」軽く抜く
 与謝野馨・経済財政担当相は16日、民放の番組で、現在の景気拡大期について「来年以降も景気回復が続く」との見通しを示し「(戦後最長の『いざなぎ景気』を)軽く抜くと思う」と述べた。また、06年度の実質国内総生産(GDP)成長率が「2%を超えてくる可能性がある」と述べ、1月に示した政府の経済見通し(1.9%)が上方修正される可能性を示唆した。

 今の景気拡大期は02年2月に始まっており、4月で継続期間が「バブル景気」(86年12月〜91年2月)と事実上並んだ。今年11月まで続けば「いざなぎ」(65年11月〜70年7月)を超えることになる。

 与謝野氏のこの見通しは(1)堅実な設備投資により、在庫の累積がない(2)経営者のマインドが堅調(3)個人消費の回復(4)米国・中国の経済が大きく減速する可能性が少ない――などが根拠。

 一方、デフレ脱却に関しては「モノの値段が下がって困ったという状況は終わりに近づきつつある」と従来の見解を繰り返した。脱却の認定時期については「(実際の脱却時期から)半年とか1年たってから分かる」とした。

 このほか、中長期的な財政再建を目指す政府の歳出・歳入一体改革で今後、焦点となる消費税の税率引き上げ問題については、引き上げ幅への言及を避け「(自民)党が歳出削減をどこまでやれるかで、足りないお金が決まってくる」と述べた。

 毎日新聞より。

 景気は「気」持ち、という記事を以前書いた(→「統計を見よう:街角景況感は過去最高)。消費者が「消費したい気持ち」を、投資家・企業家が「投資したい気持ち(=アニマルスピリット)」を失わなければ、景気拡大は続く。アメリカのように、「宵越しの金」は持たず、借金を繰り返しながら、とにかく欲望の赴くまま消費する――そんな文化の方が経済成長にとっては望ましい。

 さて、与謝野発言だが、もちろんすべて鵜呑みにするわけにはいかない。「アナウンスメント効果」を十分意識した発言だろう。アナウンスメント効果とは、選挙戦でしばしば問題となる概念で、報道が世論に影響を与える効果を指す。例えば、「自民党が押され気味」と報道が繰り返されれば、伝統的に「判官びいき(=弱者の味方)」である日本人は、思わず自民党に投票してしまう。常に意図どおりに効果が発揮されるとは限らないが、何らかの影響は確かにあるはずだ。

 景気は気持ち次第だから、「景気拡大が続くと国民がぼんやりと意識する→消費・投資が過熱する→景気拡大が実際に続く」というメカニズムが働く。最初の「景気拡大が続くと意識する」が重要であり、与謝野発言はここを補強することを意図したものだろう。もちろん本気で景気拡大が続くと考えている可能性もあるが、少なくとも経済財政担当相として、景気が減速するとは発言できない。つまり彼の口からは「景気が拡大する」という旨の発言しか聞けないというわけだ。

 これでは、かつての「大本営発表」と変わらない。
国と地方の借金は合計1000兆円」という記事を以前書いた。

 基本的に「借金は深刻であり、早急に返すべきだ」というのが僕のスタンスだ。返す見込みがあるならともかく、現状ではまったくない。マンションのセールスマンから、「あなたは堅実すぎる」と言われるほどの僕としては、日本の財政状態は許せない。

 さて、この借金に対して「実は大したことはない。財務省が煽っているだけ。それは増税をするためだ」という見方も意外に多い。財務省が財政再建=財政赤字の縮小を希求しているのは間違いないし、増税を企図しているのも間違いない。財務官僚が財政再建を目指すのはむしろ健全だし、日本は社会保障制度の充実の割りに国民負担率が低いので(国民皆保険のないアメリカと同程度。詳しくはこちら)、増税もむしろ当たり前といえる。「今までが恵まれていた」と考えるべきだろう(ぜひ金持ちからもっとふんだくってもらいたい! 特に株長者から! ……すみません、貧乏人なので)。

 というわけで、財務省が財政再建と増税を目指しているのは認めるが、「増税の布石として(実は大したことのない)借金を誇大宣伝している」という意見には賛同できない。

 簡単にいえば、財政再建には、(1)増税、(2)歳出削減、二つの方法がある。借金を協調すればするほど、増税を忌避する国民は、(2)歳出削減に目を向ける。当然、国民の税金を湯水のように使う官僚、地方公共団体、特殊法人、談合で不当に儲けた企業などに憎悪の目が集中する。

 これでは、逆宣伝である。

 増税に同意してもらうため、借金の深刻さを誇張して伝えるが、結果は「おまえら、それだけ無駄遣いしておいて、増税だと! 納得したくてもできねえよ」という憤慨につながるという逆効果。「歳出削減せよ」という圧力が高まり、河村たかし氏(大ファンです! 河村先生!)のような大衆派議員の人気が高まるだけだ。

 どうしても「歳出削減はむしろ不景気につながる」という宣伝も同時にしなければならない。

 というわけで、借金の強調が財務官僚による宣伝工作という説には、どうしても納得できない。仮に実際に宣伝工作だとすれば、財務官僚は逆宣伝になるという結果も予測がつかないほど、「読みが甘い」ということになる。官僚社会にどっぷりつかれば、世間の感覚から激しくずれていくと思うが、まさかそこまで頭は悪くないだろう。



 ……なんてことを、「怒れ国民!!(略)」という番組を見ながら思ってました。

20年後のロボット、救助や食事の介護…経産省目標

 産業界の20年先の技術革新目標を示す「技術戦略マップ2006」の原案を経済産業省がまとめた。
 マップは、ロボットや情報技術(IT)など15分野で、具体的な達成目標を掲げている。マップをもとにした2025年の未来予想図では、ロボットがおぼれた人を助けたり、お年寄りの食事の介助をしたりするなど、幅広い分野で活躍する。

 また、水素と酸素から電気を生み出し、長時間利用できる燃料電池を、ノートパソコンや携帯電話で日常的に使えるようにする。賞味期限などの情報を記録したICタグ(電子荷札)を野菜や鮮魚などに張り、冷蔵庫に入れると、その材料で作れる料理のレシピが表示される技術や、体のサイズをデータベース化して、衣料品売り場に行けばすぐに欲しい服が見つけられるシステム作りも目標だ。

 病院では、腕にシートを張るだけで血液中の成分が分かる「リアルタイム生体情報センサ」を実用に移すことを目指す。がん対策では、遺伝子情報などに基づいた健康管理でがんを予防しやすくして、手術する場合でも精度を高めて切除する部分を小さくすることを可能にしていく。

 ものづくりの現場では、目の疲れを察知して知らせる「疲労感知ゴーグル」や、手袋のようにはめて指を動かすと、大きな力が伝わって材料を簡単に曲げたりできる「マスターハンド」の導入を目指す。

 経産省は、今月末にもマップを最終的に取りまとめ、国際競争力がある分野に重点的に補助金を出すなどで研究開発を支援することにしている。

 読売新聞より。

 詳しくはこちら。→「技術戦略マップ」http://www.meti.go.jp/report/data/g50330bj.html

 資源を加工して商品にする。その商品を売って富を得る。それが工業社会の基本である。

 はじめはただの鉄鉱石や原油だが、加工することで、価値を上げていく。仮に野生のバナナを単に収穫して売却するだけでも、「収穫→輸送→販売」のコストはかかる。この分だけ、バナナの価値は上がる。元はゼロ円だが、店頭に並ぶ頃には一本数十円になっているだろう(実際は野生のバナナの方がプランテーションのバナナ農園のものより高くなる)。

 このように、資源をほとんど加工しないのであれば、資源を持っている国に富は集中する。とにかく資源がなければ、どんな商品も作れないので、工業社会では資源は必要不可欠であり、資源保有国には必ず富が流入する。極端な例でいえば、石油資源を有する中東諸国を思い出せばいいだろう。石油経済が続く限り、産油国には富が流入する。もちろん石油が枯渇するまでだが。

 それでは、日本のような無資源国が富を獲得するにはどうすればよいか。

 もちろん資源に高度な加工を施せばいい。高い「円」を利用して安く資源を調達し、国内で高度な加工を施す。高度な加工によって商品の価値を高める。そして高く外国に売る。これが中学のとき習った「加工貿易」のアイデアである。

 商品の価値を高める加工には、2種類ある。ひとつは、高い技術力を使ってハイテク製品を加工することであり(知識集約型産業)、もうひとつは、高いマーケティング技術を使ってブランド製品を加工することである。どちらも巨額のコストを必要とする。前者は研究開発費(技術革新など)、後者はマーケティング費用(製品開発、市場調査、宣伝・広告など)だ。

 アメリカは高い技術力も持つし、高いマーケティング技術も持つ。アメリカ製品が強いのはそのためだ。人件費が高くなったアメリカは、もはや大量生産体制を築いて「安さ」で勝負することは不可能になった。アメリカのトップ企業は、今や生産を海外の専門企業に外注している(もちろん全部ではない)。ナイキやアップルがしているのは、製品開発とブランドの維持だけだ。中には、製品開発すら外注してしまう企業もある。そうした企業は「ブランド」だけで稼いでいる。

 さて日本は?

 日本には世界に冠たる高い技術力がある。「技術開発力」はアメリカと比べれば「下」とされているものの(日本人は技術革新が苦手とされている)、間違いなく「技術力」は高い。この技術を活かせば、「ハイテク三種の神器」で不景気から脱したように、製造業で経済成長を遂げることができる。まさに「ものつくり立国」だ。

 今回の技術マップは、日本が国挙げて目指すべき「経済」のビジョンである。複数の企業がこの技術マップに応じて開発に取り組み、ハイテク製品を次々と市場に投入する。そうすれば、日本は製造業で華麗に力強く復活する! 日本の限りある開発力の無駄遣いをなくすため、国として指針を提示した、というわけだ。



 それにしても、技術、わくわくしますね。技術が世界を動かしてきたのは間違いないありませんから、技術の行く末を見ることは、世界の行く末を見ることになります。別に「SF好き」というわけではありませんが、ものすごく楽しいです。
 毎日新聞に、国民感情を逆なでする記事。

全銀協:前田会長「もうけ過ぎ、実感ない」
 全国銀行協会の前田晃伸会長は13日の会見で、主に大手行に対する「もうけ過ぎ批判」について、「日本の3大銀行は外国に比べ収益力が低く、もうけ過ぎという実感はない」との見解を示した。海外の金融機関から「なぜ日本の銀行はこんなにもうからないのか」との質問を受けていると述べ、邦銀の収益力は低いと強調した。

 それはそうだ。

 もうけすぎ批判は、あくまで「ゼロ金利」という他に類例のない異例中の異例措置のおかげで、銀行が払わずに済んだ「304兆円」に向けられたもの。2月24日の白川日銀理事の次の発言を発端とする。

 日銀の白川方明理事は23日の参院財政金融委員会で、バブル崩壊後の超低金利で家計が得そこなった金利収入が累計で304兆円にのぼるとの試算を明らかにした。長引く金融緩和が家計に大きなしわ寄せをもたらしたとの見解を示した。

 逆に言えば、こうした低金利の恩恵を受けながら、収益力が低い方に問題がある。金融商品を次々と開発しては販売し、収益力を挙げてきた欧米の銀行とはまったく違う。

「もうけ過ぎ批判」に反論する前に、画期的な金融商品を開発したり、営業に何らかの法的障害があるようなら、規制撤廃を政府に求めたり、といった企業努力をする必要がある。低金利の恩恵を受けたうえ、公的資金の注入を受け、税金もろくに納めず、銀行利用者に利益を還元していない(どころか手数料でもうけている!)というのに、「もうけ過ぎという実感はない(から、もうけ過ぎという批判は間違っている)」という。

 繰り返すが、「それはそうだ」。

 しかし、だからといって、「顧客に利息を払わすに済んでいる」「国民の税金に助けられている」「金融機関だから、特別扱いを受けている」という事実を忘れてはならない。国民はこうした「不当な利益の取得」を「もうけ過ぎ」と呼んでいるだけだ。そもそも「収益力」に向けられた言葉ではない。

 この前田発言で銀行の評判はまた悪くなるだろう。こうした経営者側と顧客側との認識のずれは、企業評価に大きな打撃を加える。いくら昨今の「もうけ過ぎ批判」とそれによる銀行のイメージダウンを払拭したかったとはいえ、これでは逆効果だ。発言の前に慎重に検討しなくてはならない。そんなことは、企業危機管理の基本中の基本だろう。まさに「墓穴を掘った」と言える。




 それにしても、収益力の低さなんか強調するな。

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