【時事】国際
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中央日報にこんな社説があった。 竹島周辺海域に日本が調査船を派遣する件をめぐってのものだ。 こんな日本を誰が隣人だと思うか 日本が独島(トクト、日本名竹島)海域に測量船を送ると言っている。
われわれはその前に現実から顧みろと頼みたい。まず昨年、日本の対アジア輸出入は全貿易の45%を占めた。米国との取引より3倍も多い。日本のアジア貿易比率は15年ぶりに2倍に増えた。昨年、韓国を相手に244億ドルの貿易黒字をあげている。日本にとってアジアは黄金の漁場だ。 日本は忘れてしまった10年を経て空前の好況に転じたと誇らしげだ。果たしてアジア特需がなかったら可能なことだったのか。 一方、日本が周辺国と首脳会談を行った記憶は薄い。参考に日中首脳会談は2001年が最後だ。公式的な韓日首脳会談も2004年以来行われていない。これに比べ日米首脳会談は「私たちは友達」と言いながら昨年11月、京都の寺院を並んで散歩した。両首脳は6月にも米国でまた会っている。小泉純一郎首相は日米首脳会談の際、ブッシュ大統領の死んだ飼い犬にまで弔意を表している。 そんな「親切な純一郎さん」が韓国と中国を見れば顔つきをさっと変える。これでも隣国だといえるのか。 敗戦以後、日本は日米同盟を軸に国連の中央主義、アジアの一員という3大外交原則を明らかにしたことがある。潔白な他人の領土に探査船を送るのがこの原則に合っているのかを問いたい。 こうして韓日自由貿易協定(FTA)やアジア通貨基金(AMF)、東アジア経済共同体構想が可能とみるのか。経団連の奥田碩会長まで「(アジア外交を)このまま続ければ深刻な問題になり得る」と懸念している。アジア市場で儲けるだけ儲け、とんでもないところで恩着せがましくする人を好きな隣人はない。 もう認めることは認めよう。日本がアジア外交で疎外されること、そう、それは自らが招いたことだ。独島が韓国でどんな意味を持つかは日本もよく知っているだろう。意地汚いやり方は国民感情を刺激するだけだ。どうか日本は理性を取り戻してほしい。 中央日報の社説から。 「理性を取り戻してほしい」とあるので、理性的に「批判」を加えたいと思う。批判の手順は、次の三点を基本とする。 (1) 結論・主張を裏付ける論拠(理由とか事実とか)を確認する。 (2) 論拠が正しいかどうか確認する。 (3) その論拠からその結論を導き出せるのか確認する。 さて、中央日報の社説を見よう。 結論は「韓国国民の感情を刺激するな」だ。理由は、(1)現在の経済成長は「アジア特需」のおかげ(=韓国のおかげ)、(2)他国の領土を侵す一方で、アジアで儲けるだけ儲けようとする日本は嫌われる、(3)小泉首相の強硬姿勢がアジア外交での疎外を招いた、の3点。要するに、日本はアジアで儲けているうえ、そのご恩を忘れてアジアに対して強硬姿勢を取っている。だからもはや誰も日本を好きにならない。これ以上、嫌われるようなことはするなだ。 まず(1)日本の経済成長がアジア特需のおかげ、という点は正しい。もちろん「アジア特需」だけが要因ではないが、大きな要因のひとつである点は間違いない。したがってアジア外交が重要であり、近隣アジア諸国の支持を得る必要がある点も間違いない。そして今回の調査船派遣がアジア外交に深刻な影響を与える点も間違いない。 次に(2)他国の領土を侵す一方で、アジアで儲けるだけ儲けようとする日本は嫌われる、という点も正しい。ただし韓国国内では。言うまでもないが、竹島は領土問題の焦点であり、日本も韓国もそれぞれ領有権を主張している。したがって「潔白な他人の領土に探査船を送る」という一節は、「竹島が領土問題になっている」という事実を黙殺したものだ。日本人は「竹島は歴史的にも国際法的にも自国の領土だ」と考えているし、韓国人は「竹島は日本による韓国植民地化のスタート地点であり、韓国に対する日本の悪行の歴史の原点ともいえる。太平洋戦争後、日本による植民地支配も終わり、竹島もようやく韓国に返還された」と考えている。 したがって日本人は「竹島はもともと日本の領土だ。かってに灯台を建てたりして、不当に実効支配しているのは韓国。日本がかつて植民地支配をしていたという負い目から強く抗議できないのをいいことに、着々と既成事実を積み重ねてきた韓国こそ、『意地汚いやり方』をしている」と反応するし、韓国人は「日本が戦争に敗れて、ようやく竹島が韓国に戻ってきたのに、今さら竹島を自国の領土と主張するとは、かつての植民地支配を肯定するどころか、再びそれを繰り返そうとしていることに他ならない」と反応する。 ここで必要なのは、第三国がどちらの主張を認めるかだ。第三者が韓国側の視点を認めるなら、中央日報の論理は正しい。しかし日本側の視点を認めるか、「韓国と日本のどちらが正しいか不明」ととらえるかのどちらかであれば、その段階で中央日報の論理は崩れる。すぐ気づくと思うが、中央日報は「アジア全体が日本を嫌う」とおおげさに脅迫するが、それは間違いだ。今回の調査船派遣を日本による領土侵犯のように扱うのは韓国人だけだから、「韓国人が日本を嫌う」とトーンダウンせざるを得ない。北朝鮮や中国は韓国に同調するとしても、「アジア全体」がおおげさな点に変わりはない。日本としては、「竹島に対して日韓両国が領有権を主張している」という現状をいち早くアピールして、第三者に「理性」的な判断を要請すればいい。ここで「日本の領土だ」と主張する必要はない。単に「日本も領有権を主張している」という事実を伝えるだけでいい。 これこそ、まさに理性的な対応だ。 最後に(3)小泉首相の強硬姿勢がアジア外交での疎外を招いた、という点も正しい。もちろんそれをどう評価するかは別問題だ。右傾化は全世界的な現象であり、韓国の方が日本よりもよほどナショナリズムが先鋭化している。日本人の右傾化は最近はじまったばかりで、もともと日本人の「日本離れ」が問題視されていたぐらいだ。教育基本法に「愛国心」を盛り込むよう議論したり、日本という国を称揚するような歴史教育をしていこうという動きがあったりしたのも、ここに起源がある。したがってアジアに対して強硬姿勢を取る小泉は別に珍しい存在ではないし、他国から見れば「目障り」かもしれないが、国内から見れば「頼もしい」となる。そして国益は譲らないという強い姿勢を取れば、当然、そこかしこで衝突が生じる。衝突が生じれば、当然、両国間に対立が生じる。 こうした状態は政府の使命が国益の確保にある以上、当然、起きることであって、それを「アジアからの疎外」と呼び、しかも異常な事態かのごとく扱うのは、「韓国人だからしてしまう」単なる感情的反応にすぎない。理性を取り戻さなければならないのは、中央日報の方だろう。日韓間の領土問題に過ぎないにもかかわらず、それを日本対アジアの問題に拡大し、日本がアジアから嫌われると脅迫する。これは、クラスメイト数人の意見にもかかわらず「みんな、そう言ってるよ」という小学生の論法と変わらない。ましてこの脅迫を根拠に一方的な妥協を求めるようでは話にならない。 というわけで、中央日報の社説は、 (1)「竹島をめぐる領土問題はない」を前提としている点 (2)日韓間の領土問題(と韓国国民の反日感情激化)を「アジアからの疎外」と誇張して脅迫する点 (3)それを論拠に一方的な妥協を求める点 で誤りを犯している。 理性を取り戻した日本人としては、速やかに、第三者の視点から竹島の領有権について公平な判断を得るだけだ。 外務省のサイトに次のような記述がある(→http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/index.html)。 国際司法裁判所への提訴
(1) 1954年(昭和29年)9月、我が国は口上書をもって本件問題について、国際司法裁判所(ICJ)に提訴することを韓国側に提案したが、韓国はこれに応じなかった(ICJの強制管轄権を受諾することにあらかじめ同意しているか、または、別途同意の意向を表明すること等がない限り、ICJの管轄権は設定されない)。 (2) 1962年3月の日韓外相会談の際にも、小坂善太郎外務大臣より崔徳新韓国外務部長官に対して、本件問題を国際司法裁判所に付託することを提議したが、これに対しても韓国側から前向きな反応は得られなかった。 国際司法裁判所に判断を委ねようとする日本の判断は、非常に「理性的」だ。 それを拒否した韓国にはいったいどんな意図があるのか。竹島をめぐる領土問題を国際紛争化しないよう――つまり国際社会からこの問題を隠蔽するよう画策する韓国にはいったいどのような意図があるのか。今のままでは、「韓国は国際社会の目から竹島問題を隠し、ひそかに既成事実を積み重ねて領土化してしまおうと考えている」と思われても仕方がない。 繰り返すが、理性を取り戻すべきなのは、中央日報の方だ。
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米で初の医療皆保険制 マサチューセッツ州 【13日】米マサチューセッツ州で12日、全州民に医療保険への加入を義務付ける法律が成立した。日本のような「国民皆保険制度」がない米国で、州レベルとはいえ、保険加入を全住民に求める事実上初めての公的制度。全米で4500万人と推定される無保険者の解消へ他州でも追随の動きが広がるか、注目を集めている。
法律化を強力に推進したロムニー同州知事は2008年大統領選に共和党候補として出馬を検討中。今回の実績をアピールしていくのは確実で、医療制度改革が次期大統領選の焦点となる可能性もある。 共同通信より。 映画のテーマにもなったので、知っている人も多いと思うが、アメリカには「国民皆保険制度」がない。富裕層は自己責任で保険に加入するが、貧困層はそんな余裕を持たない。医療保険はそもそもケガや病気で失業したときに、その人の速やかな社会復帰を助けるためのセーフティ・ネット。セーフティネットを最も必要とするのは貧困層。その貧困層を放置しているのが、アメリカの現状だ。さすが「自由主義国家」。セーフティネットも自己責任で、というわけだ。 なお社会保険制度の目的については「消費税率アップ、「福祉国家」の裏、経団連の狙い」でも説明したので、興味のある方はどうぞ。 日本は史上最も成功した「社会主義国家」と言われている。最近、格差の拡大が問題視されているが、諸外国と比較すれば、まだまだたかが知れている(「フランスの暴動、日本は恵まれてる?」)。日本人に生まれてよかったと感謝する瞬間だ(社会保障に関しては)。
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