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生肉をかじるアファール猿人の模型。ローソンで入手(だいぶ前に)。 |

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こんにちは、ゲストさん
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生肉をかじるアファール猿人の模型。ローソンで入手(だいぶ前に)。 |
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歴史も科学も、その精神は同じである。科学的精神と歴史学的精神とは何の差もない。歴史は過去を語っているように見えて、実は科学と同じく現在や未来を語っている。 例えば、19世紀は「大英帝国」の時代だった。イギリスが突出した存在である限り、世の中は平和だった。意外に思うかもしれないが、ナポレオン戦争以降「ヨーロッパでは二度と大きな戦争は起きない」と素朴に信じられたし、第一次世界大戦が勃発するまで「戦争のない平和な時代」と認識されていた。史上初の「総力戦」と呼ばれる「クリミア戦争」が起きたにもかかわらずだ。それは、ヴィクトリア朝のイギリスが突出していたからだった。黒海の覇権をめぐってロシアとトルコが衝突したクリミア戦争では、当初、ロシアが優位に戦争を進めていた。しかし「ヨーロッパの憲兵」を自認し、最大の陸軍を抱えていた帝政ロシアも、イギリスが黒海に艦隊を展開した途端、敗北を喫した。18世紀末、世界に先駆けて産業革命を起こしたイギリスは、生産力・技術力で圧倒的に優位に立った。大英帝国の春を謳歌できたのはそのためだ。この段階でイギリスは、国際社会での覇権確保や軍事拡張に消極的であり、「光栄ある孤立」を唱えて、合従連衡を繰り返す独・仏・露・墺といったヨーロッパ大陸諸国と距離を置いていた。それでもイギリスは、国際社会に隠然たる影響力を発揮し、世界平和を実現してしまうほどの卓越した存在だった。 イギリスは「産業革命」をヨーロッパに輸出し、また積極的に融資してヨーロッパの工業化=先進国化を推進した。いずれも当時は国益に適っており、イギリスは莫大な利益を上げた。19世紀のイギリスの富を支えていたのは、実は後者の「金融」だった。ところが、ヨーロッパが工業化を遂げるにつれ、イギリスの国力は「相対的に」低下する。要するに、イギリスに続いて工業化を果たしたフランスやドイツがイギリスに追いついてきた。生産力での優位を失いつつあったうえ、軍事拡張をおろそかにしていたイギリスは、19世紀末に近づくにつれ、国際的な影響力を失っていく。その結果、イギリスは「光栄ある孤立」を放棄し、日本・フランス・ロシアといった各国と同盟関係を結びつつ(日英同盟+英・仏・露三国協商)、ドイツ・イタリア・オーストリアの三国同盟と対抗する体制を築く。もはや単独で影響を発揮できるほど、イギリスの力は強くなかった。そして20世紀初頭、第一次世界大戦が勃発する。「パックス・ブリタニカ(=イギリス統治下の平和)」の終焉だった。 ここから学べる教訓は二点。(1) 一般の理解とは異なり、「戦力均衡(バランス・オブ・パワー)」よりも一国が突出した「帝国主義」の方が平和を実現できる。(2) 軍事拡張を怠った場合、経済力の「相対的」な低下にともなって国際社会に対する影響力を失う。国際社会での地位を維持するためには、経済力で常に圧倒的な優位に立つか、軍事力で圧倒的な優位に立つか、あるいは、その両方が不可欠となる。イギリスの失敗を見ながら、経済成長や軍事的拡張の必要性を感じないようでは、歴史から何も学んでいないか、国際社会で地位を失うことの恐ろしさをわかっていないかのどちらかだ。歴史を学んだ現実的な人間なら、「成長ばかり求める今の社会は生きにくい」とか「まずは自国から軍事力を放棄して、世界平和の実現に寄与したい」といった甘えた発言はしない。 このように、現象の背後にあるメカニズムを洞察し(なぜ19世紀は平和だったのか。なぜ第一次世界大戦が勃発したのか)、そのメカニズムを活用して将来を予測する(アメリカの国力低下は世界平和の脅威となる)。歴史学は単に過去の事実を学ぶ学問ではない。あくまで過去から現在・未来を見る学問だ。これは、実験の結果から普遍法則を導き出し、この普遍法則をもとに結果を推測する科学と変わらない。実験室で割り出したデータをもとに数式を出し、その数式をもとにロケットを飛ばせば、わずかな誤差の範囲でロケットは計算どおりの軌道を描く。すっかり慣れてしまってはいるが、科学の驚異的な能力を示す事例だ。歴史にはここまでの正確さはない。でも実践していることは同じだ。戦力均衡が平和をもたらした事例は歴史上存在しない。「戦力均衡理論(=戦力が均衡する状態こそが平和を実現するという理論)」は、所詮、スーパーパワーに挑戦する二番手・三番手の新興国が唱える方便に過ぎないのだろう。歴史はそんな判断を可能にする。 歴史学も科学も変わりはない。歴史も現在や未来のために学ぶ。科学と同じように、歴史がいかに発想を豊かにしてくれるかをぜひ体験して欲しい。
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