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この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。
(仮名) 「幻夢戦記レダ2」 テイスト オブ ハニー (蜜の味)
その四
ストーリー 首藤剛志
脚本 首藤剛志
登場人物
朝霧陽子 (十八才)
速水杏子 (十八才)
北里健一 (十八才)
ゴン (年齢不詳)
○○ 新宿駅
大きなボストンバッグを抱えた陽子と杏子。リックサックの杏子が、よたよた
と歩いてくる。
N 「こんな訳で夏休みのセンチメンタルジャーニーは始まったんです。何しろ初めて
の長旅です。お荷物です!」
○ みどりの窓口
二人はよたよたとやってきて、バッグをドスンと置いてフーッと息をはく。
陽子「全く、これ、荷物が旅行してるの、人間が旅行してるの?」
杏子「女の子が旅行してるのさ・・・・・・あん。」
むこうで、健一が手をひらひらさせている。
杏子「あいつ!」
陽子「無視・・・・・・ね。」
○ 山の手線 電車ドア
よいしょっとバッグをのせて、溜め息の二人。
ふと見ると、向こうのドアからリックサックの軽装の健一がポンと飛び乗り、
ニット笑って席につき、マンガを開く。
○ 走る山の手線。向こうに東京駅が見える。
○ 山の手線内
マンガを読んでいる健一の前に二人の人影……。
健一、顔をあげる。
陽子「(ニッコリ)ハーイ。」
杏子「きびだんごはあげないけど・・・・・・。」
来いとでもいうように、顎で合図する。
健一、ニッと笑ってVサイン。
○ 新幹線ホーム (遠景)
発車のベル。
陽子と杏子。
階段を駆け上がってくる。
二人、階段の下へ、早く早くと手を振る。
陽子の声「早くったら、もう!」
杏子の声「たく、もう、最近の野郎は・・・・・・。」
健一、二人のボストンを持って、ヨタヨタと上がってくる。
間一髪、こだまに飛び込む。
○ 発車する新幹線
杏子の声「遅れたら、どう落とし前つける気だよ。」
陽子の声「最近の男の人って・・・・・・考えちゃうな・・・・・・」
健一の声「最近の女の子って・・・・・・考えちゃうな・・・・・ 」
○ 走る新幹線
都会を抜けて
○ 走る電気機関車
平野を抜けて……
○ 走る蒸気機関車
煙を上げて、山の間の線路を走って行く……
N 「こうして、何本かの列車に乗り換え・・・・・・」
○ 山奥の鉄道
森林鉄道である。
鉄橋をわたる。
N 「いくつかの川を越え……」
トンネルに入っていく。
N 「いくつかのトンネルをくぐり抜け・・・・・・」
トンネルをくぐり抜けると、黄色いレンゲ畑がどこまでも続いている。
レンゲの花畑の向こうに、巨大な夕陽が沈んでいく。
陽子「さすが、ローカル・・・・・・感動・・・・・・ね、あれ、なんの花なんだろ・・・・・・。」
杏子「たぶん、レンゲかな・・・・・・でも・・・・・・。」
陽子「え?」
杏子「黄色いレンゲってあったかな・・・・・・。」
陽子「・・・・・・いろいろあっても、いいんじゃない・・・・・・。」
杏子「いろいろか・・・・・・まあね・・・・・・。」
N 「そして、夕暮になった頃……」
○ 三つ壁村 駅
駅から汽車が出ていく。
ホームに立つ、陽子と杏子と健一。
N 「そこに三つ壁村がありました。」
見回す三人。
人、一人いない無人の駅。
風の音だけが不気味に聞こえている。
沈みかけた太陽は血の色だ。
見るからに、おどろおどろした風景だ。
気味悪気に顔を見合わす三人。
陽子「どーゆう神経・・・・・ ここの雰囲気・・・・・・気味がよすぎやしない?」
杏子「なんかね・・・・・ でも、ついているよ、あたしが。」
杏子、皮の手袋をつける。
これから喧嘩でも始めそうなポーズである。
健一「(オドオド)も、もち、僕も。」
カタンと音がする。
陽子と健一はすくみあがる。
杏子は、ベルトを抜くと手にまきつけ身構える。ベルトは鎖である。
駅舎の隅からあき缶が転がってくる。
尻尾を垂らした犬が、ゆっくりした足取りで、無人踏み切りを横切っていく。
フーッと息を吐く三人。
健一は空元気を出して……
健一「ここはまかせて・・・・・・様子を見てきたりしてきます。」
おそるおそる駅舎へ行く。
○ 駅舎
健一、改札口から駅舎を覗き込む。
健一「誰か、誰かいないんですか?」
駅の待合室には蜘蛛の巣だらけ。
出札口にも人影がいない。
健一「……こんなの。あり?・・・・・ 。」
いきなりホームに強い風が吹く。
土だけのホームに砂埃がたつ。
健一「ひデェ、都会の人の来るとこじゃないな。・・・・・ ねぇ。」
と、陽子達の方を振り向く。
健一「!・・・・・・あああ・・・・・ 」
と、陽子達の方をわなわなと指差す。
キョトンとする陽子と杏子。
二人のすぐ後に、砂埃の中から、ぬーっと二メートルは優に越える大男の影が
浮か
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