首藤剛志のふらふらファイル箱

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土日のミュージカル

東京で15.16日と、僕が関わった子供向け舞台ミュージカルの公演が行われた。
「不思議の国のアリスのマッチ売り」という変わった題名である。
実際は、初演が2年前、今回が再演で、東京公演後、地方を回ることになっている。
その作品の監修と、作詞ということになっているが、書いた曲は1曲である。
僕は、いちおう脚本家ということになっているが、舞台ミュージカルの作家でもあり、その作品のいくつかは、テレビで放送されたこともある。
今回のミュージカルは、企画から、なんだかんだで、5年かかってしまった。
企画には参加したものの、僕自身、忙しかったり、病気をしたりしてたので、脚本が出来上がらなかった。
しかし、企画した劇団が、それでもあきらめず脚本依頼を続けてきて、ついには僕が書けないのなら、誰か僕が推薦できる作家を紹介してくれといってきたので、ミュージカルを書けそうな脚本家を紹介した。
 僕の昔シリーズ構成したミュージカル風アニメ「ようこそようこ」の中のエピソードの中で、ミュージカルセンスがありご本人も、毎年のように本場のアメリカのブロードウエイに出かけて行ってはミュージカルを見るのが趣味のような女性脚本家である。
影山由美さん、アニメの脚本家としてはご存知の方もいるだろうが、今後の国産ミュージカルには面白い存在になるかもしれない。
 作曲も、その劇団の身近にいながら、だれも、その人の作曲の才能に気がつかなかった女性を推薦した。
 僕自身は、その人に作曲の才能のあることを知っていたが、しかし、劇団のの人たちは歌手や役者としての彼女を知ってはいたが、作曲能力には全く気がつかず、それまでのミュージカルの音楽は、いわゆる、その道の大御所に依頼していたのである。
 劇団の人たちは、音楽の良さに驚いたようだ。
 身近にそんな作曲家がいたのが驚きだったようだ。
 久保田育子さん、昔、シンガーソングライターだった。
 監督も、いま、流行りのアニメを素材にした舞台ミュージカルをプロデュースしている方に演出家を紹介いただいた。
 いままで、その劇団が経験したことのないテンションの高い演出をする。
 宇治川まさなりさん、踊りもできる演出家である。
 その劇団は、過去数十年もミュージカルをいろいろな演目を日本中で上演してきて、いままでの観客動員も多かった。
 だから上演する劇場も大きい。
 それを維持するために、劇団としては新しいメインスタッフの導入には不安もあったようなのだが、僕は、この劇団のミュージカルに新しい風を入れないとだめになるとつねづねおもっていた。
 結局、、その責任をとってくれという感じで、監修と言うか、相談役の形で、毎回の脚本や音楽内容のの打ち合わせに毎回つきあわされることになり、脚本へのアドバイスやら、作品のテーマになりそうな挿入歌の作詞までして、自分が台本を書くより疲れた感じだった。
 だからと言って大した事をしたわけでもない。
 しかし、脚本と音楽と演出の若返りは、あきらかに成功しており、初演は好評だったようだ。
 そして、今回の再演は、さらに、スピーディーで磨きがかかっていた。
 ミュージカルに限らず、舞台は、映画やテレビドラマと違い、出演者のその時の乗りと、観客の質の違いで、一回一回、同じ演目でも、一つとして同じ芝居にはならない。
一回、やってしまったら、忠実なその再現はできない。
 そこが、舞台演劇の面白さであり、怖さでもある。
 僕も過去百回以上、僕のミュージカルが上演されたが、満足できたのは1回あるかないかである。
 しかし、今回の舞台を見ていると、過去にかなり評判の良かった僕のミュージカルも新しい役者と演出で再演してほしい気になった。
 おまけに、作る約束をしている新作ミュージカルが、2本あるのである。
ミュージカルを作るにはお金がかかるし時間もかかる。
、日本のよほど売れている商業演劇でないかぎりギャラもあってなしがごとしである。むしろ持ち出しにあってしまうこともある。
しかし、舞台と客席が一体感で結ばれた時の快感は、めったにないが、それが感じられた時の至福感はない。
 生きている間に、約束しているミュージカルは完成させたいものだ。
 もちろん、それにマッチした作曲家、演出家、役者、スタッフに恵まれなければどうにもならないが……
 ところで、ミュージカルに関心のある方におすすめしたいのは「ブロードウエイ・ブロードウエイ……コーラスラインにかける夢」というドキュメント映画である。いま、上映中である。
 ミュージカルの傑作「コーラスライン」のブロードウエイ再演にあたって、出演者のオーディションの様子を描いたドキュメンタリーだが、世界中から3000人応募者が集まって選ばれるのは20人弱である。
 本場はすごいのである。
 僕の関わったミュージカルは、日本の子供向けのミュージカルとしては、大人も楽しめるし、悪い出来ではないという自信もある。
 若い役者たちも頑張っている。
 しかし、本場は、作るほうも、役者も、熱意が桁違いである。
 僕の関わったミュージカルの役者たちに、この映画の話をしたが、「コーラスライン」という題名すら知らなそうな若い子もいた。
「オペラ座の怪人」「キャッツ」「ライオンキング」は知っているかもしれないが、いくら、古いミュージカルといっても、ブロードウエイで歴代3位の興行成績だったミュージカルである。
 お前、ミュージカルやるんだろう……それでいいのかなあ……
 役者の技量のレベルの違いは仕方ないかもしれないが、熱意だけは負けないでほしい。
 そして、作者もスタッフもより一層頑張らんといかんなあと思う。
 ミュージカルに興味のない人も、ある種の感動を覚える映画だと思う。
 この作品でのオーディションは苛酷である。、
 一瞬一瞬が、勝負である。
 その一瞬に賭ける熱意。そして、オーディションに落ちても、めげない明るさ。
 一度の人生、何をしようとかまわないが、こんな姿勢で生きる事が出来ればいい。
 自分の関わるミュージカルの話から、映画の話に飛んでしまった。
 ついでだが、「ブロードウエイ・ブロードウエイ」には、当然、「コーラスライン」の中の歌曲が使われているが、一曲だけ、違うミュージカルの曲が流れる場面がある。
 ジュリー・アンドリュース主演のTVミュージカル「シンデレラ」(後に別キャストで舞台化された)の中で歌われた曲が効果的に使われている。日本語の題名は知らないが「私の中のちっちゃな片隅in my own little  corner」といった歌詞である。ロジャース・オスカーハマーステイン(代表作サウンドオブミュージック) コンビの曲のはずである。
 You Tubeあたりで探せるかもしれない。
 「コーラスライン」の挿入歌ではないが、このドキュメンタリー映画にはあっていると思う。
では……




 

閉じる コメント(4)

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お初です。最近は杜のと名乗っている者です。(時々、語尾変化がつくことがあります)
ここに書き込むのは、少々場違いかも知れませんが、お許しください。
163回のコラムに書かれていた御前様の脚本会議における振る舞いは、イギリス英語で「devil's advocate(デビルズアドボケイト)」と呼ばれているものに相当します。この表現、アメリカでは通じません。また、日本の辞書でも、「反対するために反対する人」とか「あまのじゃく」とかいう主旨を理解していない訳語が多いようです。つまり、そういう行いをする人自体が、なかなか理解されないと言うことなのでしょうね。
滅多に出くわさないことなので、つい、口を出してしまいました。それでは御免ください。

2008/11/17(月) 午後 7:05 [ 杜の ]

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昔の劇音作家は映像監督や音効の人の肝入りという感がありましたが
そんな選考ができる場面が限られてきてる気がします。


>反対するために反対
企画提案段階で、複数の案をつきあわせ
せめぎ合いの中からいい物を拾うというのはよくあるパターンですが
・参加者が空気を読んでる
・選ぶ人がおおよそ本命を決めてる
ため、アイディアだけ取られないように肝心な部分を出さない、とか
意外性が出てこないことが多いです。

2008/11/18(火) 午後 5:26 [ rutile ]

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「ブロードウェイ・ブロードウェイ」見てきました。
沖縄の田中さんお疲れ様。
ちなみに田中さん初登場の次のシーン、黒人女性がオーディションで歌っていたのは、アイリーン・キャラ主演「fame」の主題歌の替え歌した。
「私の名前を覚えていて、××よ〜」と歌うあたり、すごい感覚だなぁ、彼女はオーディションの先々であの歌詞で通してんのだろうかと妙な感心をしてしまいました。

2008/11/29(土) 午前 1:42 [ 梶箕 ]

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梶箕さんへ「フェーム」には気がつきませんでした。演劇学校を舞台にしたいい映画でしたね。ラスト近くのミュージカル風群像シーンが圧倒的に印象的でした。監督は、「コミットメンツ」とか「エビータ」の映画版のアラン・パーカーで、「小さな恋のメロディ」にも関係関係している人ですよね……それにしても「ブロードウェイ・ブロードウエイ」は、色々、凝ったドキュメンタリーですね……首藤剛志

2008/11/30(日) 午後 8:17 [ 首藤剛志 ]


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