首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

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 引きこもり二日目……夜の十二時頃、何気なく仕事場のマンションを出た。
 マンションには、部屋の鍵以外に、夕方五時以降は、マンション自体に鍵がかかり、専用のカードキーが泣ければ、マンション自体に入れない仕組みになっている。
 マンションを一歩でて、そのカードを忘れて出てきたのに気がついた。
 マンションから締め出しである。そのカードシステムのため夜は管理人もいない。
 目の前に自分の仕事場があるのに、入れないのである。
 十二時過ぎでは、同じマンションの人の帰宅を期待するのも難しいだろう。
 何気なく出てきたから、お金も持っていない。
 近くの公園で、寝るには、ちょっと寒すぎる。
 仕方なく、自宅まで歩いて行って泊めてもらった。
 自宅の朝は早い。眠い目をこすりながら、マンションに戻ってきた。
 朝からは、管理人がいて、マンションのドアが午後五時まであいているのである。
 引きこもって仕事をするつもりが、何もできなかった。ただ、今は眠い。
 半日のホームレス気分は味わった。
 防犯のためとは言え、どうして自分の部屋にはいるのにこんなに面倒なのだろう。
 都会はそれだけ怖いと言う事か……去年までいた小田原の仕事場など十年間、鍵を開けっぱなしでも、何も起こらなかったのに……ついでに言っておくが、僕の仕事部屋には、金目のものは、いっさいありませんから、泥棒さんのご期待にはそえません。(持って行ってもらいたいがらくたは色々あるけれど……重くて荷物になるだけです)
 

(仮名) 「幻夢戦記レダ2」   ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その11
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 

○ 裕子の部屋
ゼンに抱きかかえられていた裕子、畳の上に投げ出され、我に返り……
 裕子「な、なに? なんの騒ぎ?」                       
 陽子「え?・・・・・ うそ・・・・・ 助かってる。」                   
     一同、裕子を見る。                          
     裕子、枕元の眼鏡を、手探りでさぐってつけて              
 裕子「あら、あなたたち、どうしたの?」                    
 陽子「ホントに大丈夫なんですか?」                      
     と、目の前に、手をヒラヒラ・・・・・                    
 裕子「意味不明・・・・・ わたし、眼鏡かけないとなーんも見えないでしょ。一体何があっ
    たの?」                                
 陽子「(呆れて)平和なんだ・・・・・ 」                      
 杏子「ちょっと、ぐずぐずしてられないよ。早くここからズラからなきゃ・・・・・ 」  
 裕子「何がなんだか・・・・・ ま、いいわ。ともかく待って。」            
     と、ボストンバッグに着替えを入れ始める。               
 杏子「なにやってんだよ。」                          
 裕子「荷造り・・・・・ 」                             
 杏子「あのな・・・・・ 場合かよ・・・・・ 」                      
 裕子「だって、みんなも・・・・・ 」                        
 杏子「あん?」                                
     良子と晶子も、ボストンバッグを持っている。良子はポシェットまでかけてい
     る。                                 
 晶子「慌てるときには、忘れ物に気をつけよう。って云うでしょ。」        
 陽子「しっかりしているんだ・・・・・ 。」                     
 杏子「(呆れて)みんな大物だよ。」                      
    と、バタンバタンと、廊下や、庭の雨戸が閉まっていく。         
 杏子「!! 早く・・・・・ 陽子、これ持って!」                  
     杏子は、剣を拾って鞘に収めると、陽子に投げ渡し、雨戸に体当たりする。 
     びくともしない。                           
 杏子「出口を探すんだ!」                           
                                        
◯ 廊下                                    
     雨戸が次々に閉じていく。                       
     陽子達、廊下を走る。                         
     一番最後を走る、ネグリジェの良子の背後にゼンが現われる。       
 良子「キャーッ!!」                             
     いきなりボストンバッグでゼンをぶっ叩く。               
     顎をヒットする。                           
     ふっとぶゼン。                            
     ボストンバッグの中の着替えが飛び散る。                
                                        
◯ 庭                                     
     健一が走って来る。                          
     雨戸が閉まっている。                         
     中から、女の子の悲鳴が聞こえる。                   
     健一、雨戸を叩くが開かない。                     
     健一、庭石を持ってくると、雨戸に叩きつける。             
     倒れる雨戸……健一、飛び込んでいく。               
                                        
◯ 大広間                                   
     襖を開け、陽子達、飛び込んでくる。                  
     行燈がいくつも並んで、点いている。                  
     仏像が、陽子達を見つめている。                    
     陽子達、辺りを伺いながら、大広間の中央に出る。            
     行燈の火がフッと消える。                       
 一同「キャーッ!!」                             
     悲鳴をあげる。                            
 杏子「お黙り!オカルト映画じゃあるまいし、カマトトぶっても助けは来ないよ!」 
     一同、静まる。                            
 杏子「誰か、煙草を喫っている奴はいないか?」                 
 陽子「えっ?」                                
 杏子「ライターかマッチ・・・・・ 明りが欲しいんだよ。」              
 良子「一八才が喫うわけないでしょ。」                     
 杏子「気取ってる場合かよ! ここは、先公も補導員もいねえんだ。安心して早く出し
    な。」                                 
     ポッとライターが闇に点く。                      
     裕子、晶子、良子がライターを点けたのだ。               
 杏子「これだもん・・・・・ 良くないぜ、健康に。」                 
 陽子「喫わないの・・・・・ あなたは・・・・」                     
 杏子「六年前にやめたよ。」                          
 陽子「六年前・・・・! 一二才?」                        
 杏子「ありゃ、ガキの喫うもんさ。」                      
     晶子がライターで闇を見透かしながら、                 
 晶子「こんなんじゃ、何も見えないわ。」                    
 裕子「ね、誰か香水持ってない?」                       
 杏子「香水?」                                
 裕子「うん、任せなさい。自慢じゃないけど、科学と数学、得意なんだ。」     
     良子がポシェットから香水を出す。                   
     裕子は、陽子の持っている剣の鞘の先に、ネグリジェのキレを巻き、香水をつ
     け、火を点ける。                           
 裕子「香水は、アルコールよね。」                       
     一同、パチパチと拍手する。                        
 良子「アーン、私のネグリジェ、ジバンシィが・・・・・ 。」             
     ポッと明るくなる大広間。                       
     と、突然、大広間の畳が次々にめくれ、陽子達に飛びかかる。       
     「キャーッ!!」                           
     一同、伏せる。                            
 良子「あの、これ、夜間飛行・・・・・ メイド・イン・パリ」             
 裕子「メイド イン パリでもメイド イン 田舎でも、香水ならいいの・・・・・ ついでに・・・・・ 」     良子のネグリジェをやぶく。                      
 良子「何すんのよ。」                             
 裕子「ひらひらがいいの。破りやすくて。」                   
      裕子は、陽子の持っている剣の鞘の先に、ネグリジェのキレを巻き、香水をつ
     け、火を点ける。                           
 裕子「香水は、アルコールよね……火がつけば燃える」                       
     一同、パチパチと拍手。                        
 良子「アーン、私のネグリジェ、ジバンシィが・・・・・ 。」             
     ポッと明るくなる大広間。                       
 良子「暗夜飛行じゃなくなった」
 裕子「そういうことだったりする」
     と、突然、大広間の畳が次々にめくれ、陽子達に飛びかかる。       
     「キャーッ!!」                           
     一同、伏せる。                            
                                 12につづく      

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