首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

未発表作品など公開

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

  (仮名)幻夢戦記レダ2   テイスト オブ ハニー (蜜の味)

             その16      ストーリー 首藤剛志
                       脚本    首藤剛志



○砦                                      
     蟻塚の様な砦……                         
     周囲を泥の壁が取り囲んでいる。                    
     様々な浮遊エンジンで、兵士達が飛び回っている。            
     海底散歩用のスクリューエンジン風のメカニック(エアースクリュー)で空を
     飛ぶ兵士もいる。                           
     陽子達を乗せた、フローターが降りていく。               
                                        
○砦を見降ろす丘                                
     茂みから、裕子と健一が砦を見ている。                 
 裕子「助ける手は・・・・・ と」                          
 健一「ああ・・・・・ 」                              
     ふと気が付くと、裕子と健一、手を握りあったままだ。          
 裕子「あっ!」                               
     慌てて手を離してうつむく。                      
 健一「あの・・・・・ 」                              
 裕子「(赤くなり)こんなことはじめて・・・・・ 」                 
 健一「えっ? いや、その・・・・・ 子供が生まれる訳じゃなし。」          
     健一は、ボカッと殴り倒される。                    
                                        
○砦の中庭                                   
     カブト虫のような兵隊長の前に、陽子達が引き出されていく。       
 隊長「お前達は何者だ。」                           
 杏子「一応、人間の女の子」                          
 隊長「人間? レダの戦士だな?」                       
 杏子「それ、なりたくてなったんじゃない。レダの戦士なんて御免だね。」     
 隊長「この世界に、レダの戦士以外の人間は入りこめぬ。戦士でなければ死んでもらう」
      兵士達、槍をかまえる。                        
 晶子「戦士達だったら、助けてくれるんですか? だったら私達、戦士ですけど・・・・」
 隊長「ふむ」                                 
     隊長は兵士に合図する。                        
     三人の前に、剣とムチと弓が投げ出される。               
 隊長「戦士は闘い続けなければいけない。闘って勝てば死なぬが、敗ければ死ぬだろう
     兵士達の間から、ひときわグロテスクな、戦闘用の昆虫が現われる。    
 杏子「よーするに、戦士であろうとなかろうと同じって事か。」          
     杏子、ムチを拾うといきなり、隊長の首をからめる。           
 杏子「手、出すんじゃないよ。」                        
 隊長「囮は無駄だ。戦士の闘う運命は変らぬ。」                 
     兵士達、襲いかかってくる。                      
     隊長、あっという間に、兵士達に槍で刺され倒れる。           
                                        
 杏子「!!」                                  
 晶子「やるっきゃない。」                           
     晶子は陽子の剣を拾うと、無茶苦茶に振り回す。             
     杏子のムチがなる。                          
     陽子は、ただおろおろするばかりだ。                  
     突然、中庭で閃光が光る。                       
     兵士達、闘いをやめる。                        
     砦の壁の上に、裕子と健一がいる。                   
     裕子の腕から発光弾が発射される。                   
     中庭で、次々と閃光が膨れ上がる。                   
     兵士達、よろよろと光に向かって行く。                 
 裕子「やっぱあいつら、性格昆虫だわ。光に誘われている。」           
 健一「あんたは、偉い。さあ、みんな逃げるんだ!」               
     晶子、剣を陽子に投げ渡して、弓を拾う。                
 晶子「行こう!」                               
 陽子「う、うん。」                              
     三人、壁へ向かって走る。                       
     杏子がムチを、壁の取っ手にからみつかせ、晶子を登らせる。       
 杏子「さ、陽子。」                              
 陽子「だめ! 私登れない・・・・・ 体育2だもん。」                
 杏子「冗談よせよ! 生きるか死ぬかって時に、成績で評価されてたまるか。」   
 陽子「出来ないものは出来ないわ。わたし、もういいの、かまわず逃げて!」    
 杏子「馬鹿野郎!」                              
     バシンと頬を殴る。                          
杏子「カッコつけたって、誰も喜ばないよ。掴まんな。」             
 陽子「でも・・・・」                               
 杏子「もう一度殴られたいのか?」                       
 陽子「杏子・・・・」                               
 杏子「あーじれったい。いい加減にせい。」                   
 陽子「うん。」                                
     杏子、陽子を背にして、するすると登り始める。             
     兵士達も後を追う。                          
     裕子の撃つ発光弾が、壁から兵士達を叩き落とす。            
     壁の上に杏子と陽子来る。                       
 杏子「やればできるんだよ、な。」                       
     裕子が叫ぶ。                             
 裕子「ここは私に任せて・・・・・ 」                        
     戸惑う四人・・・・                            

 裕子「科学の勝利じゃ!」                           
     裕子は、発光弾を連射する。                      
 杏子「OK、又、会おう!」                          
 裕子「お・ま・か・せ!」                           
     四人、壁から飛び降りて森へ走る。                   
     裕子の弾が切れる。                          
     胸のビジョンがゲームオーバーを示す。                 
 裕子「チェッ、打ち止めか・・・・・ 」                       
     裕子、壁から飛び下り、森へ駈け込む。                 
                                        
○森A                                     
     裕子、走って来る。                          
     バシン!                               
     いきなり、物影から飛び出してきた白い人影に体当たりされる。      
     倒れる裕子。                             
     眼鏡が飛ぶ。                             
 裕子「なに!? どうしたの?」                         
     裕子、眼鏡を探る。                          
     その後に白い影……                        
     近づいてくる。                            
     裕子、気付いて腰をついたまま後ずさる。                
 裕子「誰? 誰なの・・・・・ 」                          
     ぼんやりして見えない。                        
     後手に、眼鏡が触れる                         
     裕子、眼鏡をかける。                         
     次第にはっきりする視界……                    
     目前にゼンの顔がある。                        
 ゼン「よく、私を見るがよい。お前は、私の物だ。」               
     ゼンの目が光る。                           
     陶然となっていく裕子の顔????                   
     ゼン、裕子に口ずけをする。                      
     パリン、眼鏡のレンズが割れる。                    
                                        

(17へつづく)            

   (仮名)幻夢戦記レダ2   テイスト オブ ハニー (蜜の味)

             その15      ストーリー 首藤剛志
                       脚本    首藤剛志
○ 岩陰                                    
     陽子達は、怪物をうかがう。                      
 陽子「北里君、あのままじゃ・・・・・ 」                      
 杏子「なんとかしてやりたいけど・・・・・ 相手があれじゃ・・・・・ 」          
 裕子「手があるかも」                             
 晶子「えっ?」                                
 裕子「あの型体、あの目、あいつ、大きいけど昆虫の一種だと思うの。だとしたら、あ
    の目は複眼、一つのものがいくつにも見える筈よ・・・・・ 」          
     胸のビジョンに怪物の型体が写る。                   
                                        
○ 森                                     
     怪物、健一を追いかける。                       
     と、その前に杏子が立ちふさがる。                   
 杏子「あたいが相手するぜ!」                         
     怪物の目には、何人もの杏子が見える。                 
 晶子「こっちもね、虫けらさん。」                       
     右手から、晶子が弓をかまえて出て来る。                
     いきなり、ガスのようなものが、左の方から吹き出す。          
     メカニックスーツから煙を吹き出しながら、裕子が立っている。      
 裕子「これ分かる? DDT(又はパラチオン)、早い話が、殺虫剤」       
     怪物、思わずひるむ。                         
     怪物の背後から、剣を持った陽子が、おどおどと出てくる。        
 陽子「わ、私だっているんだから」                       
     へっぴり腰で剣をかまえる。                      
     怪物の複眼が、ぎろりと後を向く。                   
     複眼の中に見える陽子の姿。                      
     シャーッ!                              
     怪物はいきなり棒立ちになると、くるりと体をかわし、陽子に向き直る。  
 陽子「!!」                                  
     怪物、陽子に襲いかかる。                       
陽子「こないで! こないで」                         
     めくらめっぽう剣を振り回す。                     
     だが、怪物の牙にはじかれ、地面に叩きつけられる。           
     間一髪……                            
     杏子が陽子の体をムチでからめて引っ張る。               
     空を切る怪物の牙。                          
     晶子が飛び出してきて、弓が怪物の目を撃つ。              
     裕子が、メカニックスーツに備え付けられた砲弾を、同じ場所を狙って撃つ。
     怪物の眼には、どれが杏子で、どれが晶子、裕子だか、紛らわしく動いて分か
     らない。                               
 杏子「かして!」                               
     杏子、陽子の手から剣をもぎ取ると、ジャンプ……怪物の頭に剣を突き立
     てる。                                
     陽子、顔を手で覆って震えている。                   
     地響きをたてて、怪物が倒れる。                    
     土煙の中に、杏子、晶子、裕子の三人が立っている。           
     ニッと笑いあう三人。                         
 健一「(呆然)女はつお〜い!」                        
     杏子、陽子に剣を返す。                        
 杏子「役にたったよ、これ・・・・・ 」                       
 陽子「ううん・・・・・ それいらない。」                      
 杏子「え?」                                 
 陽子「私が持っていても、なんの役にも立たないわ・・・・・ みんなは、いろんな事出来る
    けど、わたしは0(ゼロ)・・・・・ そんなもの持っていても、足出まといにな  
     杏子、陽子に剣を返す。                        
 杏子「役にたったよ、これ・・・・・ 」                       
 陽子「ううん・・・・・ それいらない。」                      
 杏子「え?」                                 
 陽子「私が持っていても、なんの役にも立たないわ・・・・・ みんなは、いろんな事出来る
    けど、わたしは0(ゼロ)・・・・・ そんなもの持っていても、足出まといになるだ
    けだわ。」                               
 杏子「よせよ。これは陽子の剣だ。陽子になんの力もないなら、それこそ、これだけが
    頼りの筈だよ。」                            
 陽子「えっ?」                                
 杏子「さ、レダの戦士さん。」                         
     陽子、剣を握りしめる。                        
     晶子と裕子もほほえむ。                        
                                        
○ 川のほとり (夜)                             
     三日月が、川面を照らしている。                    
     健一が包丁の手さばきよろしく、魚を調理している。           
 健一「さ、出来た。刺身の盛り合わせに焼き魚に、ハチミツ水で煮た甘露煮……」
     木の葉の上に並べられた料理を見て、女の子達、目を丸くする。      
                                        
 杏子「へえ・・・・・ 」                              
健一「驚いただろう。包丁一本、さらしに巻いて、料理なら任せといてよ。」    
 陽子「なんか、とっても意外・・・・・ 」                      
 健一「意外なもんか・・・・考えてもみなよ。今は高校三年の夏休みだろ・・・・普通なら野郎
    は大学受験の勉強で、女の子追っ掛けてる暇はない。」           
 杏子「にしちゃ、やけに暇じゃん・・・・あんた。」                 
 健一「大学行かないからさ・・・・・ 」                       
 陽子「えっ? だって、うちの高校、受験校なのに。」              
 健一「俺が入ったんじゃない。親が入れたんだ。でも、猫も杓子も大学行って、それで
    どうなるっていうんだい? 一回しかない人生なのにさ・・・・だから、逆らうこと
    に決めた・・・・俺、板前になるんだ。もち、みんな反対さ。逆らうって結構面倒な
    んだよね。けど、決めたんだ。決めたらやるっきゃないよな。」       
     健一、包丁を見つめる。                        
     その横顔……                           
     陽子にとって、初めて見る健一の真顔である。              
 陽子「・・・・・ 」                                
     と、どこからか羽音の様な音が聞こえる。                
 陽子「えっ?」                                
     他の四人も気付く。                          
     頭上から、次々と昆虫の顔をした兵隊達が降りてくる。          
     ムチや、弓を取ろうとする杏子と晶子に、素早く槍を突き付ける。     
     健一、包丁をかまえておどおどしている。                
     槍を突き付けられた裕子。両手を上げる。                
     が、ひじの部分から銃口が突き出し、                  
 裕子「逃げるの!」                              
     いきなり連射する。                          
     兵隊達、ひるむ。                           
     裕子、地面や岩に弾ける銃弾に、あたふたしながら包丁を振り回す健一の手を
     握って、                               
 裕子「何やってんの、ボケ!」                         
     ダッと兵隊達の囲みを破って逃げる。                  
     杏子や晶子も、素早くムチと弓を取ろうとするが????         
     兵隊達が、足のすくんでいる陽子の喉元に槍を突き付けている。      
 陽子「ね、逃げて! 足手まといは捨てて・・・・・ 」                
     杏子と晶子、顔を見合わせて微笑し、かぶりを振ると、ムチと弓を捨てる。 
                                        
○森の上空                                   
     羽根付きのフローター(まるで空を飛ぶゲンゴロウ)の様な乗り物で、兵士に
     囲まれた、陽子、晶子、杏子の三人が連れて行かれる。 
                              (16へつづく)
                                    
                         

この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。

   (仮名)幻夢戦記レダ2   テイスト オブ ハニー (蜜の味)

  その14                 ストーリー 首藤剛志
                       脚本    首藤剛志

◯ 闇の世界                                  
     一同、落ちていく。                          
     どこからか、女性の声が響いてくる。                  
     レダの声である。                           
 レダの声「選ばれし四人の娘達、レイダの国へようこそ・・・・・ 」          
 陽子「選ばれたって、どういう事?」                      
 レダの声「あなたたちは、今より、レダの戦士です。」              
 陽子「レダの戦士・・・・・ 」                           
     前方が明るくなる。                          
                                        
◯ 青空                                    
     ぽっかりと浮かぶ、白い雲の間を、飛ぶように落ちていく一同。      
     まるで、羽衣の薄衣のように、パジャマや寝具が剥ぎ取られ、いつのまにか、
     戦士の姿に変っている                         
     弓を持っていた晶子の装いは、宝石を散りばめた弓を持つ、中世風の鎧であり
     裕子は、ダイオードやデジタルが光り、胸にディスプレイピジョンのあるメカ
     ニカルスーツであり……                      
     杏子は、ムチを持ったロビンフッド風の軽装であり……       
     陽子は、剣を持った日本武尊(やまとたけるのみこと)風のいでたちである。      
     だが、健一だけは、学生服のまま、変らない。              
                                        
○ レダの世界                                 
     黄色いレンゲの花が飛び散り、一同はふうわりとその上に落ちる。     
     健一、陽子達の格好を見て、                      
 健一「わ、わっ、ほとんどヒロイックファンタジー。でも、どうして僕だけこうなるの
    ?」                                  
     学生服の自分の体をさわる。                      
     と、ゴンが現われる。                         
     ローマ時代の槍を持った、剣闘士の様な格好をしている。         
 ゴン「レダの戦士は、選ばれた娘達だけです・・・・・ この世界では、レダの戦士だけが戦
    う姿を許されます。」                          
 杏子「誰も、レダの戦士なんかに立候補したつもりはないよ。」          
 晶子「そうよ。一体ここは何なのよ。」                     
 裕子「あの、どういうプロセスを辿れば出られるわけ?」             
 陽子「(おどおどと)それとも・・・・一生、出られないとか・・・・・ 」         
 ゴン「さよう、この世界に出口はありませぬ。もし、レダの戦士がこの世界から抜け出
    すには、世界の南の果て・・・・・ 」                     
     ゴンは、槍で地平線をさす。                      
     遠くに、街に囲まれた神殿が見える。                  
 ゴン「あのレダの神殿に行き、女神の像の銀の指輪を手に入れねばなりませぬ。どうし
    ますかな、レダの戦士達よ。」                      
     一同、顔を見合わせ頷く。                       
 杏子「あんたが、何企んでいるのか知らないけど、どうやらあそこへ行くっきゃないみ
    たいだね。」                              
 ゴン「ならば・・・・・ さあ、行くがよかろう。レダの戦士達よ・・・・・ 。」       
     ゴンの姿は消える。                          
 杏子「あの神殿か・・・・」                            
 陽子「ねえ、もう、どうなってるの? こんな格好させられて・・・・・ こんなもの持たさ
    れて・・・・・ わたし、チャンバラなんて、出来やしないわ。」         
    と、健一が肩を叩く。                         
 健一「陽子さん、僕が君を守ってあげる。いや、君だけじゃない。みんなも守ってあげ
    ちゃう。男は僕一人だからね。とりあえず、みんなの電話番号教えて」    
     と、手帳を出す。                           
 健一「えっと、メガネのチャーミングな君は?・・・・・ あれ・・・・・ 」         
     もうそこには、陽子達はいず、丘を降りていっている。          
 健一「ちょっと待ってよ。こんなとこにおいていかないでよ。男一人じゃ物騒でしょう
    が・・・・・ ねぇ。」                            
     慌てて追い掛けていく。                        
                                        
○ レンゲの原                                 
     歩いて行く五人。                           
 陽子のN「それから私達は、何時間も歩き続けました。」             
                                        
○ 砂漠……                               
     汗を拭う陽子。                            
     太陽が容赦なく照りつける。                      
     健一は、犬のように舌を出して歩く。                  
                                        
○ 森                                     
     五人、重い足取りで歩いて行く。                    
     杏子、立ち止まる。                          
     水の流れる音……                        
 杏子「あの音は?」                              
 晶子「川だわ」                                
     五人、先を争う様に走り出す。                     
                                        
○ 川のほとり                                 
     金色に輝く川が流れている。                      
     五人、倒れ込む様に、水を飲む。                    
 陽子「甘い・・・・」                               
 晶子「まるでジュース。」                           
 杏子「ああ・・・・」                               
     裕子、メカニックスーツについた顕微鏡で、手の平にすくった水を見る。  
     胸のビジョンに分子式が出る。                     
 裕子「甘い筈だわ。この水には、バーモントが入っているもん。」         
 陽子「バーモント?」                             
 裕子「ハチミツ・・・・・ これを飲めば、疲れもとれるし、美容もOK」        
 四人「美容!? いただきます。」                        
     ごくごくと飲み出す。                         
     水面に魚が跳ねる。                          
 健一「ワォ・・・・・ 夕食が跳ねてる・・・・・ 」                    
     健一、思わず水に飛び込んで、魚を追い掛ける。             
 杏子「もう、せっかく綺麗な水なのに!」                    
     健一、魚を追うが、なかなか捕まらない。                
 健一「ちぇっ、僕につかまるドジはいないってことか・・・・魚も女の子も・・・・・ 」   
     晶子が弓を射つ。                           
     魚を射抜く。                             
 健一「あれ・・・・・ アハ・・・・あんがと」                      
     健一、魚を取り上げる。                        
 健一「今夜は、刺身にする? それとも焼き魚?」                
      と、その時、川の水面が大きく脹れ上がる。              
    健一、水面から陸に叩きつけられる。                 
    水面に、ぼうふらを大きくした様な、グロテスクな怪物が現われる。  
怪物「誰の許しで、この川のものを採っているのだ。」            
健一「え、あの・・・・・ 誰の許しだっけ・・・・・ 」                 
怪物「この川は、わしのものだ! 許さん。」                 
   怪物が襲いかかってくる。                      
   健一、慌てて逃げる。 
   森の木を倒しながら怪物は、今度は陽子達を追う。          
   転がるように、岩陰に陽子達女の子四人は逃げ込む。         
   怪物は健一を追う。                         
   怪物の目は複眼で、健一の姿がいくつにも見えている。         
健一「なんで、俺ばっか・・・・・ 可愛い子なら、あっちにいるのに・・・・あんたメスなの? オスなら趣味悪い

この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。

   (仮名) 「幻夢戦記レダ2」   テイスト オブ ハニー (蜜の味)

  その13                 ストーリー 首藤剛志
                       脚本    首藤剛志


 裕子「来ないで!」                              
     大根、人参、ほうれん草、手当たり次第にぶつける。           
     しかしゼンは、じわりじわりと、一同に近づいて行く。          
     台所はパニックである。                        
     メリケン粉が飛び、米が投げ付けられ、ついには油の鍋がひっくり返る。  
     一同どころか、ゼンも滑って、思うように動けない。           
 杏子「畜生、油なんか誰がまいたんだ!」                    
 裕子「油?・・・・・ そか・・・・みんな、ここから離れて!」              
     やっとの思いで、油の床から抜け出る一同。               
 裕子「あいつに油を!」                            
     裕子、缶入りの油をゼンにぶつける。                  
 杏子「そか! みんな」                            
 陽子「何がなんだか」                             
 杏子「やるの!」                               
     一同、ゼンに油をかける。                       
     裕子、香水のビンにキレを巻く。                    
     ライターで火を点ける。                        
     ゼンに向かって投げる。                        
     床に落ちる香水のビン。                        
     だが、まだ油に火は点かない。                     
     ゼン、一同に向かって、ゆっくりとやってくる。             
 杏子「燃えないじゃん。」                           
 裕子「油の発火点まで、熱くなってないの・・・・・ 。」               
 晶子「理屈なんていいのよッ!」                        
 裕子「任せなさい。これね。」                         
     裕子、袋を見せる。                          
 陽子「なに?」                                
 裕子「メリケン粉・・・・・ 」                           
     裕子、思いっきりゼンに向かって投げる。                
     パンと袋が割れる。                          
     パッと吹き上がる粉。                         
     香水の炎にも振りかかる。                       
     この粉粒が、チリチリと燃え、ドカン! 爆発する。           
     ゼン、フッ飛ぶ。                           
     台所一面、火の海となる。                       
 杏子「やった!」                               
 裕子「うむ。空気中の細かい粉は、燃えやすいの・・・・・ 。炭坑の炭塵爆発みたいなもの
    なのです。うん。」                           
     と、眼鏡をずりあげる。                        
     健一が、悲鳴に近い声を出す。                     
 健一「能書き言ってられないんだよ。」                     
     炎の中からゼンが立ち上がる。                     
     焼けただれたゼンの顔の中から、不気味な昆虫の頭が現われる。      
     思わず顔をそむける陽子達。                      
     裕子だけが、じっと見つめ……。                 
 裕子「大変な生命力だわ。分類学上・・・・どういう生物なのかしら。」        
 杏子「いいから逃げろ!」                           
                                        
◯ 屋敷の中                                  
     襖を次々に開けて、逃げる陽子達。                   
     調理場の炎が、燃え広がっていく。                   
     燃え上がりながらも、ゼンは一同を追う。                
                                        
◯ 行き止まりの部屋                              
     陽子達、襖を開ける。                         
     人間の三倍程もある、麗佗の像が祭壇に飾られている。          
     手に弓と矢を持っている。                       
 陽子「いやだ、行き止まりよ。」                        
     一同、今来た襖の方を見る。                      
     幾重にも、開け放たれた襖の向こうに、燃え上がったゼンの姿が現われ、ゆっ
     くり近付いてくる。                          
     杏子、唇を噛みしめる。                        
 杏子「陽子、もう、アウトみたいだね。」                    
 晶子「まって、あれを!」                           
     麗佗の像の方をさす。                         
 杏子「弓なんて撃ったことないよ。」                      
 晶子「わたしがやる。」                            
     晶子、弓を取ろうとする。                       
     あまりの大きさによろける。                      
 晶子「手伝って」                               
     一同、頷く。                             
     杏子と裕子が、弓を支える。                      
     晶子、弓を引き絞る。                         
     硬い。                                
 晶子「私をひっぱって!」                           
     健一と陽子が、晶子の体をひっぱる。                  
     ゼンが近付いてくる                          
 晶子「もっと、もっと強く!」                         
     ゼンは、すぐそばに。                         
     黒焦げの顔がニヤリと笑って……。                
 晶子「あたり!お願い!」                           
     弓矢を放つ。                             
     弓矢、ゼンの体をつらぬく。                      
     矢の勢いで、後方にフッ飛び、散々に弾け飛ぶ。             
 陽子「やったの?」                              
 晶子「もち、みたいね。」                           
 杏子「やったんだよ。」                            
 健一「勝ったんだ。」                             
      一同、踊り上り喜ぶ。                         
  裕子「(計算器を叩き)確立九九%・・・・・ でもないか・・・・・ 」           
 一同「えっ?」                                
     行き止まりの部屋の床が、急激に消える。                
 裕子「でしょ?」                               
     次の瞬間、一同は、闇の底へ落ちていく。                
                           (14へつづく)

(仮名) 幻夢戦記「レダ2」   テイスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その12
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 陽子「もう、どうなっているの?」                       
 裕子「超能力かもね。」                            
 陽子「そんな、SFあり?」                          
 裕子「SFじゃない。サイオニクスは科学的に存在可能だわ・・・・うん。」      
 陽子「納得しないで!」                            
     畳の動き、更に烈しくなる。                      
     良子、はいずりながら、逃げようとする。                
     と、一枚の畳が頭上に・・・・・                       
 良子「!!」                                 
     畳の裏にゼンがいる。                         
     ゼンの目が光る。                           

     見つめ合う二人。                           
     良子の体から力が抜ける。                       
              *         *               
     飛んでいった畳が、次々に落ちる。                   
     静寂……。                          
     いきなり、天井から白蝋化した良子の体が落ちてくる。          
     呆然となる陽子達。                          
     晶子の後にゼンが現われる。                      
     晶子の両肩を抱いて、ぐいっと振り返させる。              
 晶子「キャーッ! やめて!」                         
     晶子、いきなりゼンを背負い投げ。                   
 晶子「やめて! 触わんないで! 助けて! 許して! お願い!」        
     悲鳴をあげながら、ゼンを巴投げ、足げり。バッグブレーカー、空手等でぶち
     のめしていく。                            
     陽子達、晶子の大乱闘を口をあんぐり開けて、見つめるのみである。    
     とうとう飛行機投げで、大広間の襖の向こうへフッ飛ばしてしまう。    
 杏子「(晶子に目を丸くして)あんた・・・・・・」                  
 晶子「そういや、わたし、柔道4段でしょ、空手3段、求道1級、除しアマレス高校チ
    ャンピオン・・・・・ でも・・・・・ わたし、こわい・・・・・ あっ。」         
     ゼンが飛ばされた方を指差し、                     
 晶子「キャーッ!」                              
     倒れていた襖が、むっくりともちあがり、ゼンが立ち上がろうとする。   
     と、その頭に、大きな石がガツン。                   
     ゼンが再び倒れる。                          
     ゼンの後から、健一が現われる。                    
 健一「やったね・・・・・ 」                            
 陽子「北里君・・・・・ 」                             
 健一「やっぱ、ボディガード必要でしょ。」                   
     と、健一の足を、気絶している筈のゼンの手が、むんずと掴む。      
 健一「あ、あ、あ・・・・・ お元気でした?」                    
     ゼンは、いきなり健一を、陽子達の方に、投げ飛ばす。          
     健一もろとも、倒れる陽子達。                     
     ゼンは、頭を押さえもだえるが、青い血の出る顔で、キッと陽子達をにらみつ
     け、頭に叩きつけられた石を持ちあげる。                
     力をこめる。                             
     大石が粉々になる。                          
     陽子達、慄然!                            
 杏子「相手してられないよ。」                         
 健一「逃げろ!」                               
     健一、一目散で逃げる。                        
     陽子達、泡を食って健一に続く。
     ゼン、頭を押さえながら、よろよろと追う。               
                                        
◯ 廊下                                    
     陽子達、無我夢中で走る。                       
                                        
◯ 調理場                                   
     辺りを伺いながら、陽子達が入って来る。                
 陽子「ここは、キッチン?」                          
 杏子「どうやら武器が入りそうだ。」                      
 陽子「武器って?」                              
 杏子「包丁に鉈にすりこぎにおたまに・・・・・ 何でもいいからみんな、探すんだ。」  
     一同、調理場をひっかきまわす。                    
     陽子、おどおどと剣を握りしめるだけ?????。            
     健一、片っ端から包丁を、ズボンのベルトに差し込む。          
 健一「出刀に、刺身に、菜っ切りに・・・ 」                    
 杏子「詳しいんだ。」                             
 健一「料理は男に任せなさい。」                        
     裕子が、戸棚を片っ端から開けていく。                 
 裕子「なんかない? なんかない?」                      
     戸棚のひとつを開けて、                        
 裕子「!」                                  
     ゼンが戸棚の中でニヤリと笑っている。                      
 裕子「ギャッ!」                               
     手当たり次第に、皿や茶わんを投げ付ける。 
                              (13へ続く)              


.
首藤剛志
首藤剛志
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

衛生対策製品クレベリンの姉妹ブランド
クレベ&アンドハンドジェルが新登場
今だけ。お試しキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
最大10万円分旅行クーポンが当たる!
≪10月31日まで≫今すぐ応募!
抽選で150,000名様に当たるチャンス!
マツモトキヨシで期間中何度でも使える
100円引きクーポン<Yahoo! JAPAN>

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事