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(仮名) 「幻夢戦記レダ2」   ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その11
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 

○ 裕子の部屋
ゼンに抱きかかえられていた裕子、畳の上に投げ出され、我に返り……
 裕子「な、なに? なんの騒ぎ?」                       
 陽子「え?・・・・・ うそ・・・・・ 助かってる。」                   
     一同、裕子を見る。                          
     裕子、枕元の眼鏡を、手探りでさぐってつけて              
 裕子「あら、あなたたち、どうしたの?」                    
 陽子「ホントに大丈夫なんですか?」                      
     と、目の前に、手をヒラヒラ・・・・・                    
 裕子「意味不明・・・・・ わたし、眼鏡かけないとなーんも見えないでしょ。一体何があっ
    たの?」                                
 陽子「(呆れて)平和なんだ・・・・・ 」                      
 杏子「ちょっと、ぐずぐずしてられないよ。早くここからズラからなきゃ・・・・・ 」  
 裕子「何がなんだか・・・・・ ま、いいわ。ともかく待って。」            
     と、ボストンバッグに着替えを入れ始める。               
 杏子「なにやってんだよ。」                          
 裕子「荷造り・・・・・ 」                             
 杏子「あのな・・・・・ 場合かよ・・・・・ 」                      
 裕子「だって、みんなも・・・・・ 」                        
 杏子「あん?」                                
     良子と晶子も、ボストンバッグを持っている。良子はポシェットまでかけてい
     る。                                 
 晶子「慌てるときには、忘れ物に気をつけよう。って云うでしょ。」        
 陽子「しっかりしているんだ・・・・・ 。」                     
 杏子「(呆れて)みんな大物だよ。」                      
    と、バタンバタンと、廊下や、庭の雨戸が閉まっていく。         
 杏子「!! 早く・・・・・ 陽子、これ持って!」                  
     杏子は、剣を拾って鞘に収めると、陽子に投げ渡し、雨戸に体当たりする。 
     びくともしない。                           
 杏子「出口を探すんだ!」                           
                                        
◯ 廊下                                    
     雨戸が次々に閉じていく。                       
     陽子達、廊下を走る。                         
     一番最後を走る、ネグリジェの良子の背後にゼンが現われる。       
 良子「キャーッ!!」                             
     いきなりボストンバッグでゼンをぶっ叩く。               
     顎をヒットする。                           
     ふっとぶゼン。                            
     ボストンバッグの中の着替えが飛び散る。                
                                        
◯ 庭                                     
     健一が走って来る。                          
     雨戸が閉まっている。                         
     中から、女の子の悲鳴が聞こえる。                   
     健一、雨戸を叩くが開かない。                     
     健一、庭石を持ってくると、雨戸に叩きつける。             
     倒れる雨戸……健一、飛び込んでいく。               
                                        
◯ 大広間                                   
     襖を開け、陽子達、飛び込んでくる。                  
     行燈がいくつも並んで、点いている。                  
     仏像が、陽子達を見つめている。                    
     陽子達、辺りを伺いながら、大広間の中央に出る。            
     行燈の火がフッと消える。                       
 一同「キャーッ!!」                             
     悲鳴をあげる。                            
 杏子「お黙り!オカルト映画じゃあるまいし、カマトトぶっても助けは来ないよ!」 
     一同、静まる。                            
 杏子「誰か、煙草を喫っている奴はいないか?」                 
 陽子「えっ?」                                
 杏子「ライターかマッチ・・・・・ 明りが欲しいんだよ。」              
 良子「一八才が喫うわけないでしょ。」                     
 杏子「気取ってる場合かよ! ここは、先公も補導員もいねえんだ。安心して早く出し
    な。」                                 
     ポッとライターが闇に点く。                      
     裕子、晶子、良子がライターを点けたのだ。               
 杏子「これだもん・・・・・ 良くないぜ、健康に。」                 
 陽子「喫わないの・・・・・ あなたは・・・・」                     
 杏子「六年前にやめたよ。」                          
 陽子「六年前・・・・! 一二才?」                        
 杏子「ありゃ、ガキの喫うもんさ。」                      
     晶子がライターで闇を見透かしながら、                 
 晶子「こんなんじゃ、何も見えないわ。」                    
 裕子「ね、誰か香水持ってない?」                       
 杏子「香水?」                                
 裕子「うん、任せなさい。自慢じゃないけど、科学と数学、得意なんだ。」     
     良子がポシェットから香水を出す。                   
     裕子は、陽子の持っている剣の鞘の先に、ネグリジェのキレを巻き、香水をつ
     け、火を点ける。                           
 裕子「香水は、アルコールよね。」                       
     一同、パチパチと拍手する。                        
 良子「アーン、私のネグリジェ、ジバンシィが・・・・・ 。」             
     ポッと明るくなる大広間。                       
     と、突然、大広間の畳が次々にめくれ、陽子達に飛びかかる。       
     「キャーッ!!」                           
     一同、伏せる。                            
 良子「あの、これ、夜間飛行・・・・・ メイド・イン・パリ」             
 裕子「メイド イン パリでもメイド イン 田舎でも、香水ならいいの・・・・・ ついでに・・・・・ 」     良子のネグリジェをやぶく。                      
 良子「何すんのよ。」                             
 裕子「ひらひらがいいの。破りやすくて。」                   
      裕子は、陽子の持っている剣の鞘の先に、ネグリジェのキレを巻き、香水をつ
     け、火を点ける。                           
 裕子「香水は、アルコールよね……火がつけば燃える」                       
     一同、パチパチと拍手。                        
 良子「アーン、私のネグリジェ、ジバンシィが・・・・・ 。」             
     ポッと明るくなる大広間。                       
 良子「暗夜飛行じゃなくなった」
 裕子「そういうことだったりする」
     と、突然、大広間の畳が次々にめくれ、陽子達に飛びかかる。       
     「キャーッ!!」                           
     一同、伏せる。                            
                                 12につづく      

 (仮名) 「幻夢戦記レダ2」 ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その10
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 

○ 土蔵の中                                  
     杏子、入って来る。                          
                                        
○ 月が雲に隠れる。                              
                                        
○ 土蔵の中                                  
     手探りで進む杏子。                          
     何か、白っぽいものにあたる。                     
                                        
 杏子「?」                                  
                                        
     突然……。                            
     シューッ! 炎が闇を走り、                      
     土蔵のなかの蝋燭がつく。                       
 杏子「ウッ!」                                
     思わず、白いものから飛びずさる。                   
     それは女の子Aの裸身……。                    
     しかも、真っ白に白蝋化している。                   
     背後から声……ゼンが立っている。                
 ゼン「見たね・・・・だが、それもよかろう・・・・。なぜなら、私はお前に指輪を授けた。」
     杏子、指輪を見る。                          
 ゼン「お前は、私の力で、幸福になるのだ・・・・・ そうだね、杏子・・・・・ 。」     
     二人、見つめあう。                          
 ゼン「さあ、おいで・・・・・ 私の腕の中へ・・・・・ 。」                
     杏子の目がうつろになる。                       
     ゼンの顔が杏子に近づいてくる。                    
     その時、白蝋化した女の子Aの指輪が、キラリと光る。          
     我にかえる杏子。                           
     ゼンの胸から飛びずさる。                       
 杏子「冗談じゃないよ! 安く見んじゃないよ。」                
     ゼンにベルトの鎖を叩きつける。                    
     だが、ゼンは、鎖を腕に巻き付けて、                  
 ゼン「お前は私から逃げられぬ・・・・・ 。」                    
     ヒヤリと笑う。                            
     陽子がおそるおそる土蔵をのぞく。                   
 陽子「!!」                                 
     杏子の体がずるずるとゼンに引き寄せられていく。            
     次第に虚ろになっていく杏子の目・・・・・                  
 ゼン「さあ、おまえは私のものだ。」                      
     ゼンの唇が杏子の唇に触れようとする。                 
 陽子「やめて! 杏子、しっかり!」                      
     陽子が、鞘付きのまま剣を振りかざして飛び込んでくる。         
     ゼンに体当たりしようとする。                     
     ゼンは音もなく避ける。                        
     陽子は杏子にぶつかり倒れる。                     
     我に返った杏子は、陽子から剣をもぎ取ると、鞘から抜き、        
 杏子「畜生!」                                
     ゼンに叩きつける。                          
     かわすゼン、冷たい笑いで、土蔵の外に出ていく。        
◯ 土蔵の外                                  
     陽子と杏子が飛び出してきて叫ぶ。                   
 杏子「起きろ! みんな逃げるんだ!」                     
 陽子「みんな起きて! お願い起きてッ!」                   
                                        
◯ 屋敷の外                                  
     健一、ビクッと起きる。                        
 健一「あん? あの声は・・・・・ 出番だぁ・・・・・ 」                 
     健一じたばたと塀をよじ登り、庭に頭から落ちる。            
                                        
◯ 庭                                     
     陽子と杏子、庭に面した部屋の障子を開ける。 
◯ 庭                                     
     陽子と杏子、庭に面した部屋の障子を開ける。              
 陽子「起きて! みんな!」                          
                                        
◯ 女の子Bの部屋                               
     「!!」                               
     陽子と杏子は、呆然と立ちすくむ。                   
     ゼンに抱かれた女の子Bが、みるみる白蝋化していくのだ。        
     杏子、剣を投げ付ける。                        
     ゼン、剣をよけて、襖を倒して次の間へ消える。             
     畳に転がる白蝋化した女の子B……。                
     後で女の子の悲鳴がする。                       
     振り返ると晶子とネグリジェの良子が、呆然と立ちすくんでいる。     
 杏子「あんた達は、大丈夫だね。」                       
     晶子達と女の子C、うなづく。                     
     杏子、ホッと溜め息をつく。                      
 杏子「よかった・・・・・ 。」                           
 陽子「あっ!」                                
 杏子「えっ?」                                
 陽子「メガネの女の子!」                           
     裕子がいないのだ。                          
 杏子「行くよ!」                               
     畳に突き立った剣を抜くと、廊下をどんどん走って行く。
◯ 裕子の部屋                                 
     眼鏡を枕元において、裕子が眠っている。                
     ふっと眼を醒ます。                          
     ゼンが覆いかぶさっている。                      
 ゼン「お前は、わたしから逃げられぬ・・・・・ お前はわたしのものだ・・・・・ 」     
 裕子「あん?」                                
     裕子、目を細める。                          
     ゼンの顔がぼやけている。                       
 裕子「なんだ?」                               
 ゼン「(意外)なんだ?・・・・・ お前はわたしのものだ・・・・・ 」           
 裕子「え、誰? 重いよ・・・・・ ねぇ、どいてよ。」                
 ゼン「どいて?」                               
 裕子「ん、もう、誰なのよ。冗談よしてよ。」                  
 ゼン「冗談?・・・・・ わたしの力が通じぬとは・・・・・ どうなっているのだ?」     
     その時、襖が倒れ、杏子と陽子と晶子と良子が飛び込んでくる。      
     裕子は完全に抱きかかえられている。                  
 杏子「チッ、遅かった! このッ!」                      
     杏子、剣を持って、ゼンに突っ込んでいく。               
     ブスッ!                               
     ゼンの体に突き刺さる。                        
     が、ゼンはニヤリと笑い、胸の剣を抜き、畳に投げ出すと、飛ぶように障子を
     破って庭に出ていく。                         
         
                                        
                                  (11につづく)

この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。

   (仮名) 「幻夢戦記レダ2」   ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その9
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 
○ レンゲの畑
     ドサン! と健一が落ちてくる。                    
     陽子、ハッとゼンの体から身を離す。                     
 健一「あ、あ、ごめん。邪魔する気はなかったけど、邪魔しちゃったりして・・・・・   
    その・・・・・ 」                              
     しかし、陽子は、じっとゼンを見つめている。              
 陽子のN「・・・・・ その時、わたしは、信じられない程うろたえていました。わたしは今
      何をしようとしたの・・・・・ この人と・・・・・ 何を・・・・・ どうして・・・・・ 。」 
     陽子、かぶりを振り、駈け去る。                    
 健一「悪い事しちゃったかな僕・・・・・ 悪いですよね・・・・・ 当然・・・・・ ね。」     
     と、ゼンの方を向き直るが、もうそこにゼンはいない。          
     健一、ポカンと口を開けるが、真顔になり、               
 健一「しっかりしろ。お前、男だろ・・・・・ うん!」                
     自分で自分にうなずいて、                       
 健一「朝霧君! 待って!」                          
     健一、陽子の後を追う。                        
  健一「あ、あ、ごめん。邪魔する気はなかったけど、邪魔しちゃったりして・・・・・   
    その・・・・・ 」                              
     しかし、陽子は、じっとゼンを見つめている。              
 陽子のN「・・・・・ その時、わたしは、信じられない程うろたえていました。わたしは今
      何をしようとしたの・・・・・ この人と・・・・・ 何を・・・・・ どうして・・・・・ 。」 
     陽子、かぶりを振り、駈け去る。                    
 健一「悪い事しちゃったかな僕・・・・・ 悪いですよね・・・・・ 当然・・・・・ ね。」     
     と、ゼンの方を向き直るが、もうそこにゼンはいない。          
     健一、ポカンと口を開けるが、真顔になり、               
                                        
 健一「しっかりしろ。お前、男だろ・・・・・ うん!」                
     自分で自分にうなずいて、                       
 健一「朝霧君! 待って!」                          
     健一、陽子の後を追う。                        
                                       ○
○ 三つ壁村屋敷                                
     陽子、走って来て門の中へ入る。                    
     走って来る健一の目の前で、門が閉じられる。              
 健一「チェッ!」                               
                                        
○ 同 深夜                                  
     三ヵ月が、雲に見え隠れする。                     
                                        
○ 女の子達のそれぞれの部屋                          
     布団の中で眠っている女の子達。                    
     眼鏡をはずして眠っている裕子。                    
     ちぢこまって、爪を噛んでいる杏子。                  
     目は開いている。                           
                                        
○ 屋敷の前                                  
     健一が、壁に寄り掛かってうたたねしている。              
                                        
○ 陽子の部屋                                 
     天井を見つめている陽子。                       
 陽子のN「その夜、わたし、とても眠れる気持ちになれませんでした。」      
     突然……。                           
     「ヒッ!」                              
     という、女の悲鳴のようなものが聞こえる。               
     バタンという、何かの倒れるような音。                 
                                        
○ 杏子の部屋                                 
     ガバット起きあがる杏子。                       
                                        
○ 陽子の部屋                                 
     同じく陽子。                             
     縁側の障子のむこうを人影が通り過ぎていく。              
     陽子、おろおろと辺りを見回すが、床の間の剣をすがるように握り締め、そっ
     と障子を開ける。                           
     庭を白い影(ゼン)が遠ざかっていく。                 
     何かを脇に抱えている。                        
     陽子、縁側に出る。                          
     と、その肩をポンと叩かれる。                     
     陽子、悲鳴をあげようとするが、その口を閉ざされる。          
     杏子である。                             
     杏子は、指で、黙れを合図する。                    
 陽子「(うなずいて)・・・・・ 杏子・・・・」                     
                                        
     杏子は黙って、連いて来いと手招きしながら、白い影(ゼン)の後を追う。 
     陽子は剣を抱き締め、震えながら杏子に連いて行く。           
                                        
○ 土蔵                                    
     白い影が入っていく。                         
     物影から、杏子と陽子がうかがっている。                
 陽子「なんなの、あそこは・・・・・ 。」                      
     杏子、黙って、陽子の頭を繁みに突っ込む。               
 陽子「!!」                                 
     土蔵から、白い影が出ていく。                     
     脇に抱えたものは、もう持っていない。                 
     杏子と陽子は、土蔵に忍びよる。                    
     土蔵の扉が開け放しになって揺れている。                
 杏子「中を見よう。」                             
 陽子「いやだ・・・・・ 。」                            
 杏子「恐いのかよ?」                             
 陽子「だって、不法侵入でしょ。」                       
 杏子「(苦笑)よろしい。陽子は、ここで待ってろ。」              
     杏子、さっと土蔵の中へ入り込む。                   
                                        
                            10へつづく

この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。

   (仮名) 「幻夢戦記レダ2」   ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その8
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
 
○ 村のはずれ                                 
     息を弾ませながら、健一が走って来る。                 
     祭が見える。                             
 健一「ちぇっ、このまま『こんばんわ』しても、追い出されるのがオチだよな。」  
     健一、レンゲ畑の大きな木を見て、                   
 健一「まずは、偵察・・・・・ と。」                        
     健一、木によじ登る。                         

○ 木の上。健一、双眼鏡を出す。                        
 健一「うちとこのプリティペアは、どこかな?」                 
                                        
○ 双眼鏡の中                                 
     踊りでごったがえしている広場。                    
     広場から、少し離れた岩の上に、陽子と杏子が坐っている。        
     踊りを見つめながら杏子がつぶやく。                  
 杏子「つまんないね・・・・・ 。」                         
 陽子「えっ?」                                
 杏子「うん、例えば、ちっちゃい時からちょっと不幸な女の子がいてさ・・・・・ 目一杯 
    突っ張って生きていてさ・・・・・ でないと、いじめられるからね・・・・・ やたら突っ
    張って・・・・・ いろんな男と付き合って・・・・・ 」               
     イメージ=繁華街を歩く杏子。その横に男が並んで歩いている。次々に男が 
     変っていく。                             
     どれも、あんまりまともな格好の男ではない。              
     杏子の顔に、うつろな笑顔がひろがる。                 
 杏子「どれも、これも、あれも、これも・・・・・ 結局さ・・・・・ おもちゃにされたり、騙さ
    れたり・・・・・ もう男なんて嫌だ・・・・・ 最低だよって、思うじゃん・・・・・ 」   
     杏子、踊りの中の焚火を見つめる。                   
 杏子「だから当然、女一人で生きて行こうなんて思うんだよね。でも・・・・・ 」    
 陽子「うん・・・・・ 」                              
 杏子「ちょっと、一人ぼっちすぎるし・・・・・ だから・・・・・ その・・・・・ せめて、さ・・・・ 
    心の中じゃさ・・・・・ 」                          
     イメージ=木の下で指輪を渡される杏子。                
     陽子とまるで同じシュチュエーション。                 
 杏子「まいったよな・・・・・ それがこうだもんな。」                
 陽子「・・・・・ 例えばさ・・・・・ とっても引っ込みじあんで、つまんない事ですぐ、くよく
    よっちゃうタイプの女の子がいたとして・・・・・ そんな子が一七才のほとんどおば
    ん間近になった頃、やっと初めてのボーイフレンドが出来てね・・・・・ でも、あっ
    という間にふられたとしてね・・・・・ 」                   
 杏子「見る目がなかったんだよ、その男に・・・・・ 。」               
 陽子「ありがと・・・・・ でも別れは別れだし・・・・・ ふっ切んなきゃ生きていけないし・・・・
    だから・・・・・ その・・・・・ 心の中ではね・・・・・ 誰か別の・・・・・ 。」       
     イメージ=木の下に、ゼンに抱かれそうになるショット。         
 陽子「浮気っぽい?・・・・・ そんな女の子って・・・・・ 。」              
 杏子「いや・・・・・ でも・・・・・ 。」                        
 陽子「うん・・・・・ ひどいわよね・・・・・ ホントに現われるなんて・・・・・ 。」      
 杏子「(うなづく)・・・・・ 陽子とあたし・・・・・ ライバルって訳か・・・・・ 。」     
 陽子「ライバルなんかじゃないわ。」                      
 杏子「えっ?」                                
 陽子「かなわないもん。わたしなんて・・・・・ 杏子には・・・・・ うううん、他の女の子達に
    も・・・・いいんだ・・・・・ 慣れてるもん・・・・・ こういうの・・・・・ 杏子にあげます。」
 杏子「馬鹿だね・・・・・ ホント、馬鹿だね。」                   
 陽子「え?」                                 
 杏子「な、こと、云ってるから、男にポイされるんだよ。あ〜嫌だ。」       
     岩から、ポンと降りる。                        
 杏子「じめついたのと付き合うと、カビがはえそう・・・・・・いいかい。陽子、あんたは、
    私のライバル! じゃな。」                       
     杏子、手の平でバイバイする。                     
 陽子「杏子、どこへ?」                            
 杏子「部屋に帰って寝る。夜更かしは美容の敵・・・・・ 手加減しないよ、あたし。」  
     杏子、走って行く。                          
 陽子「勝てないよ、わたし。手加減してくれたって・・・・・ 。」           
     陽子、指輪を見つめる。                        
                                        
○ 祭の踊り、更に烈しくなる。                         
     踊りを見降ろす仏像。                         
         (音楽又は主題曲 IN)                   
                                        
○ 七人の女の子                                
     それぞれの思いで、指輪を見つめている。                
     女の子AとB、ふっと顔を見合って、プイッと横むく。          
     良子、コンパクトを出して、百面相をしている。             
     なにやら、しきりに計算して、ノートにつけ、ニコニコしている裕子???。
     踊りに、足でリズムをとっている晶子。                 
     ただっ広い畳の真ん中で、膝を抱いて坐っている杏子????。      
     指輪を見つめる。                           
     イメージ=それぞれの女の子が、木の下でゼンから指輪を渡されている。  
                                        
○ レンゲ畑の道                                
     陽子が歩いている。                          
     レンゲの花が風にそよぐ。                       
     陽子、ふっと立ち止まる。                       
     木が立っている。                           
     見覚えのある風景。                          
     じっと、木を見つめる。                        
     レンゲの花に、蜜蜂が止まっている。                  
     ふっと飛び上がる。                          
     陽子の方へ飛んでいく。                        
     羽根の音が、音楽を覆い隠すように響き????。            
     陽子、はっと振り返る。                        
     ゼンが立っている。                          
 ゼン「又、会えたね。憶えているだろう・・・・・ この木の下で・・・・・ 。」       
     ゼンは、陽子の手の指輪に触れる。                   
     ビクッと震える陽子。                         
 ゼン「そう、この指輪をわたしから授けられた娘は、幸福になる・・・・・ 。」     
     二人、見つめあう。                          
 ゼン「そう、おまえは幸福になれる。」                     
     ゼン、陽子の頬に触れる。                       
     吸い込まれるようなゼンの目……。                
     陽子の目が霞んでいく。                        
 ゼン「そして、おまえはわたしから逃げられぬ。」                
     ゼン、陽子の顎に手を添える。                     
     陽子、目を閉じる。                          
     ゼン、フッと笑う。                          
     唇を交わそうとするその時、頭上から、悲鳴がする。           
     「あ、わわわわ。」                          
     陽子、我にかえる。                          
     ドサン! と健一が落ちてくる。 
                            9へつづく                   

この作品は、1986年ヒットアニメ作品のパート2としてシナリオ完成後、製作会社の都合で、製作が中止、今のところ未発表になっている作品です。長編なので連載の形で掲載します。
なお、著作権は首藤剛志にあることを明記しておきます。

   (仮名) 「幻夢戦記レダ2」   ティスト オブ ハニー (蜜の味)

                 その7
                   ストーリー 首藤剛志
                   脚本    首藤剛志
     登場人物
      朝霧陽子    (十八才)
      速水杏子    (十八才)
      北里健一    (十八才)
      深町晶子     (十八才)              
      島木裕子     (十八才)              
      橋田良子     (十八才)             
      女 の 子  A (十八才)             
      女 の 子  B (十八才)             
      ゼン      (年齢不詳)    
      ゴン      (年齢不詳)
      小姓頭
      その他


○ 大広間
     中央の床の間に小さな仏像がある。
     麗陀(レイダ)の仏像である。                   
     七人の娘が並んで正座している。                    
     陽子、杏子、裕子、晶子、良子、女の子A・Bの、同年代の七人だ。    
     小姓たちも、廊下側にずらりと並んでいる。               
     陽子、隣の杏子をちらっと見て、顔をしかめる。             
     肩をすくめる。                            
     七人の女の子の足、しびれを必死でおさえている。            
     杏子の足だけは、しっかりしている。                  
     小姓頭が現われて、七人の前に坐る。                  
     大人子供した、妙な少年である。                    
 小姓頭「皆様、ようこそおいで下された。                    
     と、頭を下げる。                           
     七人も頭を下げるか、しびれをきらして、こける。            
     必死でこらえる陽子。                         
 小姓頭「(セキばらい)コホン・・・・・ ここにおられる七人の皆様に集まっていただいた
     のは、ある因縁あっての事でございます。」               
     一同、互いの顔を見合う。                       
 小姓頭「皆様は一八年前、月日こそ違え、皆三日月の夜に生まれた女人にございます」
     インサート                                 
     三日月・・・・・ 星空に浮かぶ、上弦の月。                 
                                        
○ 大広間                                   
 小姓頭「三つ壁村の言い伝えによれば、この女人のうち一人が、我らの守り神(と、仏
     像を拝み)麗佗の血をひく者として、この三つ壁村の土地、財産の全てを手に
     入れることが出来るのです。」                     
     一同、どよめく。                           
     仏像の冷たい目。                           
     女の子の一人裕子(トンボメガネをかけている)             
 裕子 「質問!全てって、どのくらいです?」                  
 小姓頭「財産は計りかねます。ただ土地は、○○○万坪は下りますまい。」  
 裕子 「○○○万坪!?」                         
     派手目な服装の良子が裕子に聞く。                   
つ器を出して、                        
 裕子 「一坪、三・三平方メートル・・・・・ ここ、ウルトラローカルだから、一平方メー
     トル×××円として・・・・・ やだ一四ケタでも足りないわ。」       
 良子 「一四ケタって?」                           
 裕子 「一〇兆円・・・・・ 税金がたーいへん。」                  
 小姓頭「ただし、選ばれるのはこの内一人。そしてその方には、この屋敷の主人に嫁い
     でいただかなければなりません。」                   
 良子 「嫁ぐって? あの・・・・・ その・・・・・ 。」                 
     女の子の一人、晶子がつぶやく。                    
 晶子 「けっこん・・・・・ 」                           
 杏子 「(突然)いやなこった! 何の事かと黙ってりゃ、財産餌の嫁さがし・・・・・  
     勝手な事はごめんして欲しいな。」                   
 小姓頭「勝手に決めたのではございません。あなた方は、その銀の指輪に導かれて、 
     この土地にやって来たのです。」                    
     と、小姓頭が、杏子の指をさす。                    
 杏子「えっ?」                                
     陽子も指輪を見る。                          
     他の五人の女の子も・・・・・ 。                      
 小姓頭「お分りですね。では、我が家のあるじ、ゼン様とお会い下さいませ。」   
     小姓頭、頭を下げる。                         
     と、いつの間にかその後に、ゼンが坐っている。             
     一同、茫然となる。                          
 陽子「こんなことって・・・・・ 」                         
 ゼン「あなた達とは、昔、どこかで会っている筈だが・・・・・ 違うかな。」      
     ゼンの顔と夢の中の男の顔が、フラッシュで一致する。          
     杏子、呆然と指輪を見ている。                     
 陽子「杏子、もしかして、あなたも・・・・・ ?」                  
 杏子「・・・・・ 。」                               
 ゼン「みんな思い出したようだね。もう、何も云うまい。我等が待ちこがれていた今宵
    は祭りだ。存分に楽しまれるがよかろう・・・・・ 。」             
     ぼんやりと坐っている七人。                      
     麗佗(レイダ)の不思議なメロディの歌声が響いて・くる。・・・・                        
                                        
○ 麗佗祭 広場                                
     三日月の夜……                         
     広場、麗佗の巨大な像が浮かびあがっている。              
     焚火が赤々と燃えて……                     
     太鼓と笛。そして歌声の中を踊る村人達。                
     奇妙な仮面の一団が、中央で踊り狂っている。              
 小姓頭の声「麗佗とは、この世を守る美しい仏・・・・・ 三〇〇年に一度、甦り、この世に
       新たなる幸福をもたらすと申します・・・・・ 。その三〇〇年目が・・・・・ この
       年・・・・・ 喜びの年でございます。」                 
       次第に激しくなる踊り。                        
                          (8につづく)              

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