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新春にマニエリスム♪ なんかオメデタイ感じでしょ?
二回に分けて取り上げるのは、その代表的な画家、ブロンズィーノとポントルモ。
第1回目は、マニエリスムについての解説と、ブロンズィーノの『愛の寓話』
★マニエリスムとは、美術史的にはルネサンスからバロックへの過渡期に現れた様式とされています。16世紀初頭、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエッロら盛期ルネサンスの3巨匠によって、ルネサンス美学の理想が達成されてしまったかのように感じてしまったそれに続く世代の人々は、盛期ルネサンスの成果を様々に捉えなおし、そのデータや手法をリミックスし変奏し、新たな美学を模索した(当時のポストモダンですね)。そうして、空間も対象も、伸縮させられ捻じ曲げられ、寓意は暗号のように複雑に入り組み、ルネサンス的理想美とは異質の、異様で妖しく、複雑な暗示を含んだ美的世界が出現しました。
しかしそうした過剰な技巧性とマニアックな衒学性は、後の迫真的なリアリティや演劇的修辞でスペクタクルに明快なバロック美術以後の観点からは、技巧(マニエラ)を弄ぶ美学(ゆえにマニエリスム≒マンネリズム)として見下され続けてしまった。しかし20世紀、次第にマニエリスムへの注目が高まり、従来の美術史パラダイムも様々に疑問視されるにつれて、そうした位置づけの再評価も進んでいます。
もっともマニエリスム的表現は、実はレオナルド、ミケランジェロ、ラファエッロら盛期ルネサンスの代表者らの晩年スタイルに萌芽したとは美術史の常識なのだけれど、それどころか当の3巨匠の表現構造そのものをなしていた、と考えた方が面白いとボクは見ています。
その上で、盛期ルネサンス美学とマニエリスム美学とはどのような差異をもつのか?
以上二点については、作品分析共々、今執筆中のテキストの完成をお待ちください(^^♪
※ちなみに、ルネサンス初期、ブルネレスキとかにあった空間把握の複雑さがアルベルティやレオナルドあたりで統一され単純化された、なんて見解が今でも出されるけれど、それは、間違いというよりもう一つの美術史学的なイデオロギーでしょ、なんてことは専門家筋には言うまでもない(はずだね)♪
★ブロンズィーノ(orブロンツィーノ:Agnolo Bronzino / 1503-72)『愛の寓意』1545年
そのマニエリスムの代表的な画家の一人。硬質な画肌とクール極まる表情の肖像画は、ラファエッロ的柔和さやティツィアーノ的手触りと対極的な位置で、16世紀肖像画の達成ですが、もっとも有名なこの作品はマニエリスム的特質が典型的に示されています。
で、この作品、なにはともあれ、ヘンタイ的な麗しさがステキですねえ♪
中央の綺麗なヴィーナスに絡むのは愛のクピド。ガキのくせに、おネエさんのオッパイをぐわしと掴み、キスしてる。というか、おネエさんがガキを篭絡せんとしてるのか? ショタ? このクピド、目つき妖しいし、オシリやクネリ具合もムチャ色っぽいしねえ。
ガキの後で悶えているオヤジは嫉妬の象徴。右側のやたら嬉しそうなガキは快楽を、そのガキとヴィーナスの間に覗く不気味な少女は欺瞞を、その上のジサマは時を、それぞれ象徴するということ。少女の身体は蛇ですねぇ。で、この子の右手と左手が逆で、それが欺瞞の記号だとか、いや実は逆のようで逆でないことこそ意味があるとかいう問題も学界で一時騒がれていた。
まあ寓意のネタ探しはそれはそれで面白いけれど、絵自体の魅力は、そうした寓意や物語の面白さを含みつつも、絵柄つまりイメージの次元にあります。専門家だとここでツイ、絵具の物質性、とかに行きがちなのだけれど、しかしそれはそれ、モダン美術パラダイムのイドラの一つ。もちろん、その物質性というのもそれはそれで「有意義」なパラメーターの一つですが、あくまで一つ。この絵の魅惑の次元は、イメージの異様さと美しさの拮抗にありますね。
このイメージの異様さをコアにして、造形的にも実に面白い複雑さがあるんだけど、直感的に、明解なメッセージとそれに尽きない複雑な深淵が露呈しているような感じは歴然とあるよね。そもそもこの場所自体、異常だね。ナニやってるんだろね。
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これってさ、息子がおかーさんにせまって、おかーさんはおかーさんで息子の矢奪って刺しちゃおとしてるってことだよね。でも、もうせまってんだから、ことさら刺さなくたっていいじゃんね。何が愛のアレゴリーで、何がヴィーナスの勝利なんだろ?
2007/1/9(火) 午前 9:45
単にヘンタイな絵、だよね〜w__でも、意外と深い「愛の寓意」(はからずも)になってるかも、って今、ナツカちゃんの読んでて急に思った。__愛の使い(メディア)を生んだ母(主体)が、そのメディア自体を自らの愛の対象としようと、その武器(メディアのメディア)を奪って、その愛を得ようとする。となると・・・この先は、も一度、考え直します(^^;
2007/1/9(火) 午前 10:02
おっきー絵! キレイだねー(*^_^*) プロンツィーノの本物見ると、マチエールが宝石のようで、それはそれは美しーのだー! 最高級の工芸品にして絵としても上手いっていうのはなかなかないよね。人気あるはずだ。Ms.Mの小説で、主人公の女の子が美人の友達とその美青年の彼氏を見て美しいと感嘆して、この絵のヴィーナスとクピドのようだって言うんだけど、それってちょっとブキミなんでないかな、と思ったケド(^_^;)
2007/1/14(日) 午後 8:34
>それってちょっとブキミ__☆今の人間界での出来事じゃあ、おばさまとツバメのショタ坊やのカップル、だものねw さすが、マダムM様らしい妄想だけど(^^;__この絵、時の翁がヴェールを剥がして暴露した愛の真相、とか言うことだけれど、左上の欺瞞の仮面、それを阻止しようとしているのだとしても、欺瞞クンはヴェールの向こう側にいらっしゃる。暴露される隠されたものと、暴露されることで隠される何ものか。常に隠されるetwasがある。
2007/1/14(日) 午後 8:52