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シュルレアリスムは謎に満ちている。といっても、その作品の内容の謎自体のことじゃない。
シュールというスタイルの形式とその限界、モノを魅惑の対象とするその修辞とその剰余、
ということの謎。

「幻想的」ということなら、古くから多くの芸術にある。絵画に限っても、マニエリスム絵画や象徴主義絵画の多くやモンス=デジデリオからピラネージらの幻想風景はもちろん、レオナルドやジォルジォーネからグァルディやカナレットそしてターナーらの風景画にも、それどころかレンブラントやフェルメールやヴァトーやアングルらも、幻想的な魅力で惹き付けるところがある。
しかしそうした一連の芸術が幻想芸術の系譜としてまとめられたのは、シュルレアリスムの登場以降だった。その系譜の源泉にマニエリスムを見出したホッケも、シュールの触発に大きく拠っていた。

それまで偶発的に現れるものにしか見えなかった幻想的表現が、
シュールの出現によって、長い時を通していつも存在していたものとして見出された。
そしてそれは、かつてはどこか隠されていた魅惑的な夢として、
今ようやく花開いた夢として、捉えられたようだった。

そしてまた、見出されたその系譜は、他方では、
従来の幻想表現と、シュールの幻想表現の差異を際立たせることにもなる。
そこらあたりから、もう少し話を広げていこうかな。

図はエルンスト『沈黙の眼』とデジデリオ『油釜に投じられた福音のヨハネ』

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