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美術01:西洋絵画

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絵画を巡るお話。絵を貼れるブログ、ならば、素敵な絵を貼りたいですよね。ってことで、ここは、西洋古典絵画の、麗しい紹介から、ちょっと小難しい分析まで、絵話、あれこれ
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新春マニエリスム第二弾はポントルモです。
オイラ、ポントルモ好きです。かつて磯崎アラタが、ヒヒョー空間の座談会で、
「ポントルモとか好きですよ。一方で大嫌いだけど。」とか、ハードコア・ケンジロウに遠慮してエクスキューズ付けながら言っていたけれど、
まあ、そういった言い訳を付け加えたくなる気持ちは分かるけど、アラタさん!
そこは男の子、根性すえて、しっかり「良いですよポントルモ! ケンジロくんは文句あろうと!」
って言い切らなくちゃあ!
ポントルモが描く顔、イソザキさんに似てる、っていうか同じ系列の顔だしね。

★ポントルモ(Jacopo da Pontormo / 1494-1557)『十字架降下』
 漱石の『坊ちゃん』に出てくるアンドレア・デル・サルトの弟子で、ブロンツィーノの師匠でもあった。サルトのクールで清冽なデッサン・センスを受け継ぎ、ミケランジェロの堅牢な素描を学んで、しっかりした造形基盤をもっています。しかし、人物のいつも憂いを含んだ表情や造形的に誇張された仕草は、危ういユラギを孕んだマニエリスム様式として実現。
 細部を単純化しつつ原色を残した陰影表現やコントラスト処理は、メタリックで現代的なテイストも生んでいるし、ありますね。錯綜した時空間構成と輝かしい色面処理、過剰な人体のデフォルメ、そしてアンニュイな表情、それら全体が発散する明と暗の非一貫性が、一筋縄ではいかない魅惑の源泉を誘っているような…。

 見る技、感じる技、読む技、描く技、書く技、創る技、など、技つまりマニエラこそ、主体と対象とのインターフェイスであって、技がうまく弄ばれた時、煮詰まった目的や内容など蹴散らした世界が出現することもある。マニエリスムとは、煮詰まっちゃった世代のアガキがもたらした奇跡の痕跡、のようなものでしょうね。

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新春にマニエリスム♪ なんかオメデタイ感じでしょ?

二回に分けて取り上げるのは、その代表的な画家、ブロンズィーノとポントルモ。
第1回目は、マニエリスムについての解説と、ブロンズィーノの『愛の寓話』

★マニエリスムとは、美術史的にはルネサンスからバロックへの過渡期に現れた様式とされています。16世紀初頭、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエッロら盛期ルネサンスの3巨匠によって、ルネサンス美学の理想が達成されてしまったかのように感じてしまったそれに続く世代の人々は、盛期ルネサンスの成果を様々に捉えなおし、そのデータや手法をリミックスし変奏し、新たな美学を模索した(当時のポストモダンですね)。そうして、空間も対象も、伸縮させられ捻じ曲げられ、寓意は暗号のように複雑に入り組み、ルネサンス的理想美とは異質の、異様で妖しく、複雑な暗示を含んだ美的世界が出現しました。
 しかしそうした過剰な技巧性とマニアックな衒学性は、後の迫真的なリアリティや演劇的修辞でスペクタクルに明快なバロック美術以後の観点からは、技巧(マニエラ)を弄ぶ美学(ゆえにマニエリスム≒マンネリズム)として見下され続けてしまった。しかし20世紀、次第にマニエリスムへの注目が高まり、従来の美術史パラダイムも様々に疑問視されるにつれて、そうした位置づけの再評価も進んでいます。
 もっともマニエリスム的表現は、実はレオナルド、ミケランジェロ、ラファエッロら盛期ルネサンスの代表者らの晩年スタイルに萌芽したとは美術史の常識なのだけれど、それどころか当の3巨匠の表現構造そのものをなしていた、と考えた方が面白いとボクは見ています。
その上で、盛期ルネサンス美学とマニエリスム美学とはどのような差異をもつのか?
以上二点については、作品分析共々、今執筆中のテキストの完成をお待ちください(^^♪

※ちなみに、ルネサンス初期、ブルネレスキとかにあった空間把握の複雑さがアルベルティやレオナルドあたりで統一され単純化された、なんて見解が今でも出されるけれど、それは、間違いというよりもう一つの美術史学的なイデオロギーでしょ、なんてことは専門家筋には言うまでもない(はずだね)♪

★ブロンズィーノ(orブロンツィーノ:Agnolo Bronzino / 1503-72)『愛の寓意』1545年
 そのマニエリスムの代表的な画家の一人。硬質な画肌とクール極まる表情の肖像画は、ラファエッロ的柔和さやティツィアーノ的手触りと対極的な位置で、16世紀肖像画の達成ですが、もっとも有名なこの作品はマニエリスム的特質が典型的に示されています。
 で、この作品、なにはともあれ、ヘンタイ的な麗しさがステキですねえ♪
 中央の綺麗なヴィーナスに絡むのは愛のクピド。ガキのくせに、おネエさんのオッパイをぐわしと掴み、キスしてる。というか、おネエさんがガキを篭絡せんとしてるのか? ショタ? このクピド、目つき妖しいし、オシリやクネリ具合もムチャ色っぽいしねえ。
 ガキの後で悶えているオヤジは嫉妬の象徴。右側のやたら嬉しそうなガキは快楽を、そのガキとヴィーナスの間に覗く不気味な少女は欺瞞を、その上のジサマは時を、それぞれ象徴するということ。少女の身体は蛇ですねぇ。で、この子の右手と左手が逆で、それが欺瞞の記号だとか、いや実は逆のようで逆でないことこそ意味があるとかいう問題も学界で一時騒がれていた。
 まあ寓意のネタ探しはそれはそれで面白いけれど、絵自体の魅力は、そうした寓意や物語の面白さを含みつつも、絵柄つまりイメージの次元にあります。専門家だとここでツイ、絵具の物質性、とかに行きがちなのだけれど、しかしそれはそれ、モダン美術パラダイムのイドラの一つ。もちろん、その物質性というのもそれはそれで「有意義」なパラメーターの一つですが、あくまで一つ。この絵の魅惑の次元は、イメージの異様さと美しさの拮抗にありますね。
 このイメージの異様さをコアにして、造形的にも実に面白い複雑さがあるんだけど、直感的に、明解なメッセージとそれに尽きない複雑な深淵が露呈しているような感じは歴然とあるよね。そもそもこの場所自体、異常だね。ナニやってるんだろね。

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