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美術02:現代美術系

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画家マーク・ロスコ(1903-70年)の作品「ホワイト・センター」が15日、ニューヨークの競売商サザビーズでオークションに掛けられ、7284万ドル(約87億4000万円)の高値で落札された。…50年に描かれたロスコの代表作で、出品者の米富豪デービッド・ロックフェラーが、60年に1万ドル以下で購入。およそ半世紀で7200倍以上に値上がりした、とのこと。

で、ヨソのブログ村で敬愛する美術家親方さま曰く、
「〔生前の〕ロスコ本人には当初の販売価格である1万ドル以下のそのまた何パーセントしか入っていない。美術市場の投機的価値などは、余程長生きしない限り作家本人は与り知らぬ事である。 …ロスコの作品ですら7200倍の価格になるのに半世紀掛かっている。…作品制作後、半世紀は作品の美術的価値が暴落してはならないとするならば、70年代以降の作品にそれを期待する事は出来るだろうか。…誰が70年代以降の現代美術を投機の対象として買うというのであろうか。1万円で売った作品が半世紀後に7200万円になるという事を本気で信じている夢多き現代美術家は今どれだけいるのだろう。…
現代美術という言葉の意味の何割かは投機である。その投機の部分が揺げば、それ自体の消滅も含め、現代美術の意味は変わる。恐らくマーク・ロスコは人類が目撃する最後の現代美術の一つなのだろう。」

で、この親方説、気持ちは分からなくもないが、彼の幻想の投影による歪みがある。

「人類が目撃する最後の現代美術の一つ」とは親方流のレトリックだろうけれど、すでにバスキアらは数百倍になってるし、中国市場が、いく度かの危険を経験しつつも、どうせ中国式に無茶な巨大市場を成立させるだろうし、そこで中国算術式の高騰もありうるだろう。 まあ、それはどうでもいい話。

けれども、7200倍はともかく72倍程度の夢、となると、けっこう現実的な夢として機能しちゃって、格差社会を助長する幻想装置になるわけで、ロスコの話はそうした時代の幻想にエネルギーを備給する神話ではある。
そして美術館というのは、その神話的儀礼を司る神殿であって、
であれば、今どきの新都市プチバブルは、公認の新新宗教のページェント以外の何ものでもない。
というところで、意外とリアルに切実な問題としてロスコ神話が帰ってくるようにも思われるけど、
なんだか神話にしては下世話だなあ。
まあ、神話の機能とは、古今東西、何より下世話を支えるところにあるのだけどね。

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知人の美術史家がヨソのブログ村で書いていた話にちなんで。
ベルギーの航空会社Brussels airlinesの新しい企業ロゴ(?)にクレームがでた。
赤い小丸を並べてbを象っただけのものだけど、その丸が13個なのがイケナイのだそうだ。
で、14個に増やしたのだけど、デザイナーはもちろん文句を言った。「調和が崩れる!」

で、親愛なる友である美術史賢者Iさんは、「「デザインの調和は取れていた」と自身の「表現」に立て篭もり、問答無用を気取っているように思われる。」と述べていた。

そこに、これも愛しき友である美術家M氏が応じて、
「デザインの調和を取り、他者との不調和を取る事と、デザインの不調和を取り、他者との調和を取る事では、デザイン界的には前者が善であり、後者は悪………そしてその摩擦係数の大きさが、大きさのみが「私様」を肥大させていく」とおっしゃっていた。

で、美術史家I氏が、修正前と修正後は「哀しい位に間違い探し」という発言を引いて、
オイラは次のように応じておきました。 以下は、オイラのコメント。

この問題と、批評家や研究者にとって今や「正しき作法」のようになっている「神は細部に宿る」という問題との間隙には、悩ましげな深淵がありますねw
良き細部と悪しき細部、有益な細部と無益な細部
などなど、その良否の秤は、どのように決済されうるか?
(ボクは割りとあっさりと、記号論的に「関与性」などという概念を媒介させたいのですが、それでも、当の関与性が関与する基準についての問いが、再度、喚び覚まされます)。

Mさんが、ご自身の日記でもここでも問われている
「私-性」と「他者」という秤(ここではデザイン的調和と他者との調和)も、
なぜ、ここで、その秤か?という問いは、問える。
そしてボクは実は、露悪的でも体制補完的でもない意味で(と断るのは、そうした方向も「論理的には可能」だからですが)、「私vs他者」という秤は、ここでMさんのように使うわけにはいかない、と考えます。
(続きは、ムラリブログの、クロカワキショー問題と通じていたので、別に載せます)

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14日の日記「ビョーキのアートvs本流」という文化のビョーキ」のナツカちゃんへの応答で、
美術でも文学でも映画や音楽でも、いわゆる「シリアス」なアートシーンでは、
>シニカルで退廃的でしかリアリティを持てなくなった
って書いた。
それはしかし、
そうした雰囲気やイメージの方が、「シリアスな気分」を安心させる、ってことだろう。
「隠れた怖いリアルの露呈」ってイメージこそ、
「そうそう、現実って、こんな風に怖いんだよっ!」
って感じで「私は現実を見ている」という満足感を与えて、
安らぎのイメージとして働く。
そうして、何かトラウマティックな<ホントに怖いもの>を隠す。

シリアス・アートにとってホントに怖いものは、むしろ
「侵犯的前衛の伝統」を覆しちゃう、端的に「耽美的なもの」だったりする。
崇高が美を怖れる。崇高と美の実質が、実は逆転しているのかも。
怖いものは、むしろ一つの「萌えキャラ」だってことは、
「オタク」文化の方がよく分かっているかもしれない。
もっともアッチはあっちで、そこで胡坐かいてるだけってツマラナサがあるけど。

でも、となると崇高と美の逆転にあるネジレは、うまく活かせれば面白そう。

(参考図版は、左:会田誠、右:町田久美)

 古典美術に描かれた人物(もちろん擬人化された神々を含む)って、距離とって見れば、今日的基準とはズレますよね。『ダ・ヴィンチ・コード』ブーム絡みの番組や本でも、モナリザを今なお「絶世の美女」とか言うのも多かったけど、モナリザって「普通」の感覚で言ったら「美女?」だし、ミロのヴィーナスもウエストないし(ある街頭取材では、文化的教養のない=結果的に文化的先入観に侵されていないギャルが、デブ!って言い切っていたw)、ルーベンスの裸なんて彼特有のマティエールのせいもあって脂肪の絡み合いだし。
 このヴィーナスなんて、古典絵画のヌードの中では、これでももっとも今日的基準でも許せる方じゃないかな。同時代のティツィアーノやヴェロネーゼのヌード、色はもっと暖かいし、造形的な意味でも豊かな色感あるけれど、ルーベンスよりは爽やかでもかなり「どすこい!」だし;;

 ただ、マニエリスムの絵の「病的雰囲気」の方は、むしろ今日受ける理由のコアだよね。
 それは、シュールレアリスムからルネ・ホッケや澁澤系を経て、昨今のゴス・ロリ〜耽美系につらなる系譜にある。そもそもマニエリスムが広く受け入れられたのは、現代耽美主義の一つの源泉でもあるルネ・ホッケのマニエリスム関連本が広く受け入れられたことにもよるからね(学界的環境ではパノフスキーやハウザーといった人々の本格的研究の貢献が大きいけれど)。

 でもそれゆえに逆に、今なお、マニエリスムは(そして同様に19世紀のプレ・ラファエルから象徴主義、耽美主義、シュルレアリスムなどの系譜もまた)、美術史の保守本流からは、どこかいかがわしく見られがち、という枠組みの病が残っている(ボク自身、20世紀造形中心主義と19世紀末耽美主義が、潜在的に共犯関係にあることは、何度か書いたのだけれどさ)。

 そして、さらにもう一ひねり考えると、今日のアーティスティックな美術的イメージは、純ハイアート系(デ・クーニングらから会田誠ら今日のJアート系も含め)とアート系マンガやゴス系・耽美系の対立・密通を問わず、「病的」な徴を付さないと、「文化的」なありがたさを感じてもらいにくい。このことこそ、モダン&ポストモダン的症候(の一つ)でしょう。

 欲望や快楽の姿を方向つける時代の病。
 それに即して、アーティストは、仮面を付けなくてはならない。否、あえて付けるまでもなく、素顔が、そうした仮面として構成されている。美術家のマニエラとは、だから、そうした仮面の活用法に他ならないのだろうなあ。
 批判的アートという構えのアートとかは、時代の仮面を剥ぐ「時の翁」のポジションを僭称しがちだけれど、それがしばしばどこかマヌケな感じなのは、自分だけは素顔だというようなマヌケな雰囲気を、自らの仮面性に気付かずにいるみたいな顔をしているからでしょう(そうしたアートの仮面には、気をつけないとね)。

 むろん、時の翁の役は可能でもあるし、この文章自体、同時代のある種の言葉の呪力のイカサマを暴露しようとしてもいる(「も」が強調です。主旨は別ですw)・・・ということで、も一度、議論は巡る。

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