朱い夏紅い羽

風の吹くまま気の向くまま。

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筋肉痛なのですよ。
風邪気味もまだ継続中。

明日は雨だそうだ。
自転車で行けないじゃないか!

そんなわけで、というわけでもないですが久々の小説更新。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 電車が小さなホームに入って止まる。
 私は電車から降りて、駅員さんに切符を渡して(ここは改札の機械が無かった)、駅から出る。
 そこで、私の預かり先の人――つまり私のおじいちゃんが待っていてくれた。
 おじいちゃんに会うのは久しぶりだ。
 確か……中学の制服を見せに行って以来。

 おじいちゃんは「良く来たな」と言ってから、私の荷物を半分持ってくれた。
 そうして二人並んで、おじいちゃんとおばあちゃんの家へと向かう。

 移動は徒歩だった。
 そう遠くないけれど、運動不足気味の私にはなかなか辛い距離だ。

 この町の駅は海の近くにある。
 だから駅を出た段階で海が見え、潮風が流れてくる。
 おじいちゃんとおばあちゃんの家も海の傍なので、家まで歩く道のりではずっと海が見えている。

 目的地に辿り着くまでの道を、私はきょろきょろと辺りを見回しながら歩いた。
 記憶と違わず、田舎って感じの町だ。
 高い建物なんて何にも無くて、おかげさまで空が広い。
 それにしてもこの町は遊べる所がほぼないのだ、これから帰るまでの日々をどうやって暇をつぶそうと既にそんな事を考えていた。

 すれ違う人も少なく、車もろくに通らない。
 この静けさは私にしたら落ち着かない。

 やがて、見覚えのある一軒屋が見えてきた。


 家の中に入ると、おばあちゃんが出迎えてくれた。
「よく来たよく来た」
 そう言ってわしゃわしゃ頭を撫でられた。
 もう子供じゃないんだけど、とも思うけどお世話になる身として大人しく撫でられておいた。
 髪の毛がボサボサになってしまった。


 家に上がって、「ここがリエちゃんの部屋だよ」と二階にある部屋に案内された。
 ちょっと狭い。

 その後茶の間で麦茶をもらって飲んだ。
 そうしていたら、二階から誰か下りてきた。
 がらっと襖が開いた。
 鮮やかな黄色い髪の毛と、ちょっと伸び気味の髭面。
 私と目が合った、そんな彼の第一声。

「……誰?」

 こっちの台詞です。


 このおじさんの正体はおばあちゃんによって明かされた。
「ユウダイ、起きたの?」
 お菓子を持ってきてくれたおばあちゃんが、そのおじさんを見て言った。
「おぅ……おそよー」
「おはよう、でしょ」
「だって早くないじゃん?」
 そう言ってからおじさんはふわわと大あくび。
 おばあちゃんが呆れ顔をしてから私を見た。
「リエちゃん、リエちゃんのお母さんの弟、つまりリエちゃんの叔父さんのユウダイよ」

 叔父さん。

 あぁそういえば。
 叔父さんはふらふら色んなとこ巡ってたらしいけど、おじいちゃんとおばあちゃんの所に帰って来たとかお母さんが言ってたような。

 私は「初めまして」とぺこりお辞儀をした。
 おじさんは二カッと笑って「よろしくな」と言った。


 それが、私とおじさんの最初の出会いだ。

                            つづく

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