「コラムゆりかもめ」(勝どき書房)

次回、第35回「夢道サロン」は2019年9月14日午後2時から「橋本夢道資料室」で開催します。

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          ●写真は「夢道サロン」で展示した勝どき書房の本と星野富弘カレンダー 

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★〜★〜★ コラム・ゆりかもめ ★〜★〜★ 
□■□■□■□■□■□■□■□殿岡駿星□■
第631号    2018/11/22   小雪号 
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◇24節季ごろ配信。受信登録の方法は末尾に掲載。
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 ◆「夢道サロン」で勝どき書房の本を展示
    記者の仕事の延長で定年後に出版社
    「星野富弘さんのカレンダー」を飾りました◆

2018/11/10の第30回「夢道サロン」は勝どき書房の「橋本夢道資料室」で開催され、前回と同じ9人が参加しましたが、今回はこれまで勝どき書房が出版した本を展示してみました。わたしは、2002年に勤め先の新聞社を定年で退職してから、出版社を立ち上げる決心をしました。展示した本を見ながら、これまでの経過を説明しました。
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     ●11月10日の「夢道サロン」で展示した勝どき書房の本

展示した本の隣には、2019年の「星野富弘さんのカレンダー」を飾りました。千葉・成田市の妻浩佳の友だち小松雅子さんが、「橋本夢道資料室」に毎年送っていただいています。新年に集まる「夢道サロン」のメンバーに披露します。きっと、富弘さんの絵と詩に感動してくれるでしょう。
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●写真は「狭山事件 50年目の心理分析」の表紙

出版社を立ち上げようとした動機は、現役の記者時代、まだ40歳代に晩聲社という出版社から出した「犯人 狭山事件より」が売り切れとなってしまったからです。その後、狭山事件に関心のある人たちから「買いたいけれど、再版しないのか」と問い合わせを受けていたのです。出版元に尋ねますと、「再版の予定はない」というのです。そこで、自分で出版するしかないと考えました。そして、「狭山事件の真犯人」という本を出版しました。

さらに、妻浩佳の父親である橋本夢道の俳句「妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね」に興味を持っていたわたしは、思い切って「橋本夢道物語」を書き始め、この本を出版するにあたり、正式に版元となるために、法人登録をしたのです。合資会社勝どき書房が誕生したのは、2005年です。

その後、「三億円事件の真犯人」「新聞記者はなぜ殺されたのか」「こんばんは、毛利小平太です。−霊談忠臣蔵−」「狭山事件 50年目の心理分析」「橋本夢道の獄中句・戦中日記・大戦起るこの日のために獄をたまわる」などを執筆し、なんとか出版にこぎつけました。

狭山事件の本は3冊出しました。最初は晩聲社から、そして、勝どき書房から2冊です。最初の1冊で、書きたい内容はすべて書いたのですが、犯人とされている石川一雄さんの再審請求が実現しないため、なんとか世間にえん罪の事実を知ってもらいたい、という一心でした。さらに詳細に綴り、えん罪を証明する決定的な本として「狭山事件 50年目の心理分析」を刊行しました。

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●写真は「三億円事件の真犯人」の表紙

「三億円事件の真犯人」は、1968年12月府中で起きた東芝のボーナス3億円の強奪事件の真犯人に迫りました。「新聞記者はなぜ殺されたのか」は、謎だらけの朝日新聞阪神支局事件の犯人像に迫るため、事件の舞台を埼玉県に移して、パロディー的に検証した謎解き小説です。

わたし以外の作家も勝どき書房から本を出しています。岩手・一関の小野寺苓さんは、「火 みちのく一関忠臣蔵」と「茶杓 消えた伊達家老」の2冊を刊行しました。いずれも、岩手日報や河北新報、朝日新聞、徳島新聞などの書評で扱っていただき、一時は取次店の在庫がなくなるほどの好評でした。さらに、南瓜大玉さんの講演記録「南瓜大玉の日の本國憲法私案」も刊行しました。

ほかには、古代史研究家の山田観風讃さんによる「平家物語の雑歌屋でぇーござい」、カリアーヌ・碧さんのファンタジック・ミステリー「サイレントボックス」、末永泉さんの「カエルの日曜日」、信田紅穂さんの「心思出会い・俳句往来雑唱」などを出版させてもらいました。
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●写真は信田紅穂さんの「心思出会い・俳句往来雑唱」

特に強く印象に残っているのは、信田紅穂さんの「心思出会い・俳句往来雑唱」です。信田さんは、橋本夢道の弟子で、長く俳句を作っていました。ところが、80歳を過ぎていたのですが、ある日「勝どき書房から本を出したい」といって訪ねてきました。信田さんは「自分が勤めていた東急電鉄時代に完全管理の仕事をしてきたので、その記録を本にしたい」というのです。たくさんの資料を持ってきました。

信田さんは、電線の保護管理の仕事をしていましたが、あるとき同僚が線路の上にある高圧電流に触れて感電死してしまったのです。それで、自分は安全管理の仕事をしたい、と東急の社長に要望しました。その結果、安全靴を開発し、死亡事故ゼロを記録したのです。その記録を本にしたい、というのですが、わたしは「信田さん、句集は出したのですか」と聞くと、「わたしは俳句が下手なので句集は出していない」というのです。わたしはとにかく、俳句を持ってきてください、といいました。

すると、信田さんは「聖書読むただそれだけのクリスマス」という句の表彰状を持ってきました。芭蕉俳句大会で最優秀の作品です。さらに、これまで作った俳句と奥さんの俳句を持ってきたのです。奥さんとは俳句会で知り合ったのです。そして、本のトップに奥さんの句を置いてくれ、というのです。

信田さんは2016年亡くなりました。わたしは、妻と信田さんのお墓参りをしました。そのことを奥さんに報告すると、奥さんは「ありがとうございます」と喜んでくれました。わたしは、「信田さんは、奥さんの俳句をトップにしたら、奥さんに怒られた。本を出したのが気に入らないようだ、といっていました」というと、「それは恥ずかしいからいったので、本当はありがたいと思っています。殿岡さんが本にしてくれたおかげで、あの人は幸せでした。あの本がなければ、信田はただの人で終わってしまいました。夫にも感謝しています」といってくれたのです。

わたしは、このときほど、出版社を立ち上げてよかったと思った時はありません。信田さんの奥さんの言葉で、わたしは癒やされました。信田さんは「本を出したら、妻に怒られた」といっていたので、心配していました。でも、奥さんの本心はそうではなかったのです。本当にうれしかったのです。出版社を始めてよかったと、思いました。

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                ●写真は「夢道サロン」を提案してくれた浅野均さん

「橋本夢道物語」を出版したおかげで、2か月に一度の「夢道サロン」がスタートし、来年開催の次回は31回となります。始めは、「狭山事件の会」と「月島橋本夢道の会」という、2つの会合でした。メンバーの1人浅野均さんの提案で「夢道サロン」となりました。浅野さんは、持論(2)をサロン(3)で展開し、世論(4)をつくる「夢道サロン」というのはどうですか、としゃれた提案をしてくれました。

その浅野さんは、夢道が「しんぶん赤旗」の俳句の選者をしていたころ、年間最優秀賞を夢道さんが選んでくれた、と感謝していました。その浅野さんは、63歳の若さで亡くなってしまいました。しかし、「夢道サロン」は残っています。

すべては、定年後に出版社を立ち上げるという、わたしの無謀な企みからスタートしました。悠々自適の年金生活を楽しめばいいのに、70歳を過ぎても仕事をし、おまけに金をつぎ込んで、アホな男と思う人もいるでしょう。しかし、わたしはアホだとは思いません。こうして、人と出会い、楽しい時間を過ごすのが、本当の幸せだと思うからです。みなさん、ありがとうございます。
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いま、勝どき書房のベランダのビワに、花が咲いています。北海道では雪が降っているそうですが、ビワは寒いときに花を咲かせます。不思議です。どこに、そんなエネルギーが潜んでいるのでしょう。きっと、温かい心を持つ木なのでしょう。この寒さの中に温かさを見つける心です。

◎ 俳句 北海道は雪だという、雪こそ温かい日々のスタート(駿星)
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◆このコラムは写真付きでブログ「コラムゆりかもめ」に転載しています。
 
http://blogs.yahoo.co.jp/syunsei777/ 
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◆次回の第32回「夢道サロン」は2019年3月9日(第2土曜日)午後2時から5時まで。勝どき書房の「橋本夢道資料室」で開催します。参加者には自由なテーマで話してもらいます。「橋本夢道・俳句」「狭山事件・えん罪」「憲法・政治」「歴史」など。その内容はブログ「夢道サロン」などで紹介します。聞くだけでもけっこうです。参加費無料。初めて参加希望の方は事前にメールをください。 
syunsei777@yahoo.co.jp  
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◆「自由俳句の会」に参加しませんか。勝どき書房では「夢道サロン」以外に、俳句を勉強する「自由俳句の会」を始めたいと考えています。「自由俳句」とは、季語や575のリズムにとらわれないで、自由な気持で俳句を作るという意味です。俳句だけでなく短歌、詩の好きな人もぜひ参加してください。メール 
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◆「心思出会い―俳句往来・雑唱―」信田廣保著・46判並製398頁
 <聖書読む唯それだけのクリスマス>新俳句人連盟に所属した
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☆「勝どき書房 書籍案内」 
https://blogs.yahoo.co.jp/asashiounnga
☆「コラムゆりかもめ」(勝どき書房) http://blogs.yahoo.co.jp/syunsei777
☆「夢道サロン」(橋本夢道の会) http://blogs.yahoo.co.jp/tukisimamudou
☆「狭山事件の真犯人」(勝どき書房)http://blogs.yahoo.co.jp/sayama506351
☆「三億円事件の真犯人」(勝どき書房)  http://blogs.yahoo.co.jp/koureipaso
☆「言葉の杜」(勝どき書房) https://blogs.yahoo.co.jp/sen2ousyunkai
☆「民主主義と言論の自由」(勝どき書房) https://blogs.yahoo.co.jp/nhksirami
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 ◆ 勝どき書房へのメールでの連絡は  
katidoki_syobou@yahoo.co.jp 
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