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□ ■ ★〜★〜★ コラム・ゆりかもめ ★〜★〜★ □ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■殿岡駿星□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□ 第483号 2012年07月07日 小暑号(7日)■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■雪・月・花■□■ 「小暑・七夕」(7月7日) 7月になって、あちこちで七夕飾りが見られるようになった。 築地市場に買い物に行ったついでに、東端にある波除神社に寄った。入り口 の鳥居の脇には「星祭り」「夏越の大祓」と書いてある。そして、本殿の前 に茅の輪が置かれ、その左右に笹飾りが置いてあった。 ◆築地波除神社の七夕飾り http://www.geocities.jp/syunsei777/120705z.JPG 地味な飾りだが、茅の輪の両脇の笹竹を飾るのは江戸時代から始まったもの で、これが本来の七夕飾りらしい。いわゆる、仙台の七夕祭りのように大きな 飾りはない。笹に願い事を書く短冊もなく、ちょっと寂しいが返って風情が 感じられた。 わたしが小学校のころは、教室に笹を飾って短冊を書き、先生が「一年に一 度だけ逢う恋物語」を話してくれた。七夕が過ぎるとき、それを隅田川にか かる大橋から笹を流した。先生と一緒に、願い事がかなうように、橋の上か ら流れる笹に合掌した。 いまの小学校にはそんなゆとりはあるのだろうか。七夕は本来「棚機」と書 くものだ。機織りの少女が、親から一年に一度だけ、そっと恋人に逢うこと が許された。逢う場所と時刻は、神社の笹飾りに結んである短冊に書いてある。 もちろん、恋人だけに分かる「暗号」のような言葉だ。そんな恋物語を作っ たら面白いだろうか。 ○ 脱原発、星に願って短冊に(矢盾冗蝶) ◆◆ことしの「国際ブックフェア」に思う◆◆ ………………………………………………………………………………… 5日、東京・有明ビッグサイトで開かれている「東京国際ブックフェア」に 行った。ブックフェアは今年で19回目となる、出版界にとっては最大のイ ベントだ。 このところ、毎年足を運んでいるが、これまで展示場の一部だった「電子出 版」部門がことしは2階のフロアーに独立して展示していた。いよいよ、電 子書籍(イーブック)の時代に突入か、という印象だった。 まず瀬戸内寂聴さんによる基調講演を聴いた。会場には出版社、編集者、デ ザイナー、作家、書店など、およそ2400人の関係者が来ていて超満員だ った。 午前10時半、演台に立った寂聴さんは90歳。姿勢もよく、声も張りがあ ってとても90歳には見えない。 例の早口で電子書籍の未来について話してくれた。 ◆ビッグサイトで講演する瀬戸内寂聴さん http://www.geocities.jp/syunsei777/120705x.JPG 寂聴さんは、印刷の歴史に触れて、電子書籍への道は当然の流れであるという。 「本はやがて紙から電子に変わる」 寂聴さんの若い頃の作品で、すでに絶版になっている「青鞜」など9册を最 近電子書籍にして発売しているという。 「ただ、電子書籍はまだまだ売れない。みなさん、がんばってください」 話は人生論に移り青春時代にできるのは「恋と革命」という。 質疑応答の中で、40歳代の女性が「わたしには夫と子どもがいますが、こ れからでも恋ができるでしょうか」という質問に、会場は一気になごみ、 「できますとも、女は40代からが盛りです」 と答えると爆笑。また「寂聴さんは一日にどのくらい仕事をしていますか」 という問いには、 「朝、目が覚めたら寝るまで仕事です。いまでも月に2日は徹夜してます」 という。会場からは盛大な拍手。90歳で徹夜して仕事をするとはびっくり。 「これからの日本についてはどう思いますか」という質問には、 「わたしは、これから死ぬまで反原発を訴えていきます。このままでは日本 も地球も滅びます。野田さんは責任を取るといっているけど、泥鰌の首なん かそんなものもらってもしょうがない」 黄色の地味な僧衣に包まれた寂聴さんは光り輝く「恋と革命」の戦士だった。 ★☆★編集随想★☆「電子書籍(イーブック)」は紙の本を超えるか。 ことしの国際ブックフェアーの会場を歩いて思ったことは、電子書籍の出展 社が増えているのに、いわゆる紙の本の出版社の出展が激減していることだ った。数年前までは、大手の出版社だけでなく、中小の出版社もたくさん並 んでいたが、ことしは見当たらない出版社もあった。文字通りの出版不況の 時代を象徴していた。しかし、電子書籍の人気が上昇しているかというと、そ うでもない。 勝どき書房としても、将来は電子書籍を配信しようと思っているので、取り 次いでいる企業を回った。しかし、電子書籍に関係する企業としてのスタン スが甘いと思った。たとえば、紙の本を電子書籍の体裁に変更するために、 1冊数万円かかるという。しかし、電子書籍の売り上げは現在、かなり売れ ているものでも3000部ほどで、ほとんどが100部以下の状態だ。 ◆電子ブックの相談コーナー。 http://www.geocities.jp/syunsei777/120705y.JPG 電子書籍の魅力は安く手軽に本が読めるところにある。無料配信の本もたく さんある。それなのに、有料の電子書籍を買う気になるだろうか。アマゾンの 電子書籍「キンドル」が近く専用の端末を発売するが、キンドルの場合は電 子書籍の定価決定権が出版社でなく、キンドル側が持つ。そうなると安価で 販売することになり出版社の収入がほとんどなくて、キンドルは端末を売っ てもうけることになってしまう。これでは、出版社は参加しにくい。 本は食料品と違う。安いから売れるというものではない。「狭山事件 50年 目の心理分析」の場合は発行部数が1200と少ないため、赤字にならないギ リギリの定価を3200円(税別)とした。高いから買わない人もいるとは 思ったが、結果は、けっこう売れているのでホッとしているところだ。勝ど き書房としては、当分電子書籍への参加は様子見ということにしようと思った。 ◆「狭山事件 50年目の心理分析」(アマゾン) http://amzn.to/Ki1dhf ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★〜★〜★〜★〜★ 勝どき書房の本紹介★〜★〜★〜★〜★ ……………………………………………………………………………… 『狭山事件 50年目の心理分析』殿岡駿星著・四六判並製440頁 「コラムゆりかもめ」に連載した「狭山事件・取材ノート」を土台に 事件のデータ、家族の証言などを心理的に分析し、事件の真実を明ら かにする。400字詰めに換算し1200枚のノンフィクション。 ◇最新刊・全国で好評発売中。定価本体3200円。 http://amzn.to/Ki1dhf ……………………………………………………………………………… 『狭山事件の真犯人』殿岡 駿星著 ・46判上製・304ページ 狭山の女子高生殺人事件、真犯人に迫るノンフィクション推理小説。 ◇在庫が少ないため一般書店では築地の弘尚堂書店で、ネット書店 では「アマゾン」で購入できます。定価1800円・税別 http://www.geocities.jp/syunsei777/page019.html ………………………………………………………………………………… 『茶杓 消えた伊達家老』小野寺 苓著・46判上製・324ページ 伊達藩城代家老の冨塚重標は父が作った一本の茶杓を懐に流配の地へ。 ◇全国書店・アマゾンでも発売中 定価1900円・税別 http://www.geocities.jp/syunsei777/page002.html ◆「殿岡駿星つれづれ日記」http://blogs.yahoo.co.jp/syunsei777/ ◆ 駿星のメールアドレス syunsei777@ybb.ne.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★〜★〜★〜★〜★ 勝どき書房の本紹介★〜★〜★〜★〜★ ……………………………………………………………………………… 『三億円事件の真犯人』殿岡 駿星著 ・46判上製・332ページ 40年後、真犯人がすべてを語り、3分間の英雄の実像に迫る。 ◇第2版・全国の書店で発売中 定価1700円・税別 http://www.geocities.jp/syunsei777/page026.html …………………………………………………………………………… 『橋本夢道物語 妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね』 殿岡 駿星著・46判上製・424ページ、口絵8ページ 激動の昭和を反骨の精神で生き抜いた自由律俳人橋本夢道の生涯 ◆最新刊◇全国の書店で好評発売中 定価1900円・税別 http://www.geocities.jp/syunsei777/page005.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |

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