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●写真は、ベランダのビアの実の向こうに見える晴海公園のさくらは満開です。
心はうきうきするのですが、なぜか芯から浮かれる気持ちにはなれないのです。
□■勝どき書房□■□■□■□■□■□■□■
★〜★〜★ コラム・ゆりかもめ ★〜★〜★
□■□■□■□■□■□■□■□殿岡駿星□■
第640号 2019/04/05 清明号(05日)
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◆松橋(まつばせ)事件の無罪確定
事件から34年、宮田さんは号泣
なぜ、日の本はえん罪事件が多発するのか◆
再審で無罪判決を受けたのは実にうれしい。しかし、なぜ日の本國では、こんなにたくさんのえん罪事件があるのだろう。再審無罪の判決が出るたびに、日の本の司法制度に問題があるのではないか、と考えてしまう。
熊本県松橋(まつばせ)町(現在は宇城市)で1985年に起きた殺人事件で、殺人罪の判決を受け、10年間服役した宮田浩喜さん(現在85歳)は、無実を訴え再審請求をしていました。3月28日、熊本地裁は「自白の信用性は認めされない。犯罪を証明する証拠がない」として無罪判決を言い渡した。
宮田さんは、逮捕直後は犯行を否認していたが、長期間の勾留の中で自白をした。日の本のえん罪事件の特徴は、この長期勾留の中で自白してしまう例がほとんどだ。滋賀県東近江市の病院で、入院患者が死亡した事件では、看護助手の西山美香さん(39歳)が、患者の人工呼吸器を外して殺したと自白したために、懲役12年の判決を受け、受刑した。この事件でも、長期勾留の中で、西山さんが取り調べた刑事に誘導されて自白してしまった。しかし、自然死の疑いがあるとして、大阪高裁が再審開始を認める決定をした。
日本国憲法第三十八条には「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」とある。しかし、えん罪事件のほとんどが、この長期勾留の中で、自白に追い込まれている。
NISSAN事件では、カルロス・ゴーンさんが207日も勾留された。これには、欧米のマスコミがびっくりしていた。たとえば、フランスでは逮捕してから、拘束は原則1日、最長で4日だ。さらに拘束するには、検察が予審を請求し、予審判事が認めれば長期勾留が可能になる。予審判事は、検察が提出した証拠をもとに、有罪の可能性が強ければ勾留を認めるが、たとえば証拠らしい証拠がなければ釈放となる。
ところが、日の本では、予審がないので、有罪か無罪がはっきりしない段階で、ゴーンさんのように207日も勾留されてしまう。最近の例では、沖縄で公務執行妨害容疑で逮捕された山城博治さんの場合は、逮捕から5か月後に保釈された。
厚生労働省の村木厚子さんの場合は、虚偽公文書作成容疑で逮捕され、164日間勾留された。結局無罪となった。籠池泰典、諄子夫妻の場合は、逮捕から保釈まで299日間だ。このように、長期間の勾留により、自白に追い込まれる容疑者がいる。
無実なら自白しなければいいのに、と考えるのがふつうだ。しかし、長期間の勾留はかなり厳しい。食事はまずいし、冷暖房がないので、極寒、灼熱の苦しみだ。現実に、最近でも凍死したり、熱中症で危篤状態になった容疑者もいる。さらに、取り調べは、代用監獄制度という、警察署の留置場でもできる制度がある。
この代用監獄制度のために、自白に追い込まれた容疑者が多い。たとえば、狭山事件の石川一雄さんの場合は、逮捕から2か月間、勾留延長されている。その間、警察の留置場で刑事から取り調べを受け、ついに自白してしまう。殺していないのに、なぜ自白するのか、信じられないかもしれない。しかし、石川さんの場合は、兄の犯行と思い込まされ、兄をかばうために自白する。実際は兄は事件に無関係だったが、刑事に誘導され、信じてしまった。
石川さんは当時、無職だった。兄は建設関係の仕事をしていて、一家の大黒柱だった。その兄が逮捕されたら、家族は生きていけない。自分が犠牲になって兄をかばった。「刑事さん、自白するから、兄は逮捕しないでくれ」というと、刑事は「自白したら、必ず10年で出してやる。これは男と男の約束だ」といって、石川さんをだました。
そして、地裁判決は死刑だった。拘置所で鼻歌を歌いながら風呂に入っている石川さんを見た、同じ拘置所に収監されている同僚から「石川さん、あんた死刑判決を受けたのに、平気な顔をしているが、控訴しないのかい」と聞かれた。石川さんは「オレは、10年で出してもらう約束だから、大丈夫だよ」と笑っていた。「とんでもない、あんたは間違いなく死刑になる。10年なんて、だまされているんだよ」といわれて、初めて自分が刑事にだまされたと知った。
控訴して、東京高裁では無期懲役の減刑されたが、無罪にはならなかった。石川さんは、その後、千葉刑務所から仮釈放され、現在再審開始を求めて闘っている。事件から55年が過ぎたのに、いまだに司法当局は再審開始を決定しない。
松橋事件の場合は、事件から34年後に無罪となった。10年の服役、その後の宮田さんの人生を思うと、残酷としかいいようがない。弁護士が宮田さんに「無罪になりましたよ」と報告すると、認知症のため、ほとんど会話ができない宮田さんだが、大粒の涙を流して号泣した。宮田さんは、大きな花束を受け取り、弁護士の手を握った。言葉にはならなかったが、間違いなく勝利だった。
現行憲法の38条では「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない」となっている。しかし、唯一の証拠が自白だけで、多くの人たちが有罪となっている。狭山事件の石川さんの場合も、自白以外は、証拠らしい証拠がない。誘導された自白をもとに、提出された証拠はことごとく、論理が破綻している。
長期勾留が許される現在の司法制度は一日も早く改正してほしい。勝どき書房から出版された「南瓜大玉の日の本國憲法私案」では、長期勾留を禁止するなど、日の本の司法の民主化実現を求めている。
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好評発売中の「南瓜大玉の日の本國憲法私案」は書店に注文をしてくだされば購入できます。直売希望の方は、下記の振替番号に2100円を送金してください。
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また、「狭山事件 50年目の心理分析」(定価3200円)は直売しておりませんので、書店に注文してください。
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4月1日はエイプリルフールだからか、朝からマスコミは、よく分からないニュースを流していた。こんなニュースで大騒ぎしている國はおそらく、世界で日の本だけだろう。それに便乗しようという、商売熱心な人もいて、金属製のぐい飲みだとか、タオルだ、まんじゅうだと忙しい話もある。
ふと、ベランダから外を見ると、ビワの実が少し大きくなり、その向こうに見える晴海の公園では、ソメイヨシノが満開になった。このところ、小雨混じりの天気なので、まだ花見に行っていない。頼まれている本の編集もあるので、ことしはどこへも行けないうちに、散ってしまうかもしれない。
◎ 俳句 「朝からずっと流れてるのは冷たい雨音だけなのだ(駿星)」
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◆このコラムは写真付きで2つのブログに転載しています。
「コラム・ゆりかもめ」 http://blogs.yahoo.co.jp/syunsei777/
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