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田中角栄を土井たか子や河野洋平らと同じ分類として扱っている言説をあるブログで拝見しました。戦後民主主義を見直そうとするのなら田中角栄をただの親中政治家として扱うのは甚だ如何わしい。彼ら(彼女ら)からしてみれば、親中=売国奴とでも思ってるんでしょう。戦略的互恵関係を理解してない方もおられる。嫌いならば付き合わない、人間関係では通用するかもしれませんが、それを国際関係にあてはめるなんてもっての外。国粋は愛国の体を成さず、とよく言われますが、その通りです。性愛関係のようなものです(笑)
話を元に戻します。田中角栄は吉田茂以降唯一、官僚を動かした政治家(首相)です。また角栄と吉田茂の共通点はもうひとつあります。それは、吉田茂の「親米」も角栄の「親中」も共に対米独立というスキームがあったのです。角栄を語る前に少しだけ吉田茂も触れておこうと思います。
時は1949年、ソ連の核実験成功で冷戦が深刻化し、アメリカは日本に対して防共のため占領政策を“封じ込め”から“復興支援”に180°転換し、再軍備要求をするようになりました。それに対して吉田茂は、傾斜生産方式に象徴される資金の不足もありましたが、「今後アジアの中で生きていく日本がアメリカのエゴに巻き込まれては国益を損なう」と考えサンフランシスコ講和と日米安保のカップリングを組み合わせました。
日本にとっての日米安保の目的は本来、軍備を放棄する代わりにアメリカに基地を提供し、その見返りとしてアメリカに本土防衛義務を負わせ、その間に素早く経済復興しようということでした。しかし60年安保以降、吉田茂が考えた戦略的思考が忘却され<左>も<右>も安保を単なる対米追従だと思い込み、親米愛国者なる<右>と、ソ連が楽園のように言う<左>という具合に、非常に不毛な二項対立に陥った。この不毛な二極化が私たちが戦略的思考をする上での基盤を奪った。そして現在、思考停止に陥って、今だに「親米愛国」という冷戦体制の終焉によりすでに破綻した論理を信じている輩が腐るほどいる。吉田茂がこの状況を見たら嘲笑するでしょうね(笑)
さて、角栄の話に戻りましょう。角栄は吉田茂以降の首相で官僚を操った唯一の政治家である、ということは前述の通りです。少し掘り下げてみましょう。
今の日本の議会は、立法権を官僚に簒奪されてしまっていると言っていいでしょう。戦後日本の民主主義における角栄の最大の遺産は何か?それは角栄だけが立法府たる議会を機能せしめたことにあります。実際に33の議員立法を行ったことでもわかります。現在の立法機能は官僚に奪われてしまった中、議員の本分たる「法律を作る」ことをやってのけたんです。
現在、ほとんどが政府立法で議員立法はほとんどありません。アメリカでは逆に頻繁に議員立法が行われています。必要に応じて議員がどんどん法律を作るんです。しかし既存の法律など考えずに作った法律だから当然矛盾が出てくる。そしてその矛盾を裁判所が調整する。が、、日本では省間で争ったとしても、省庁間の争いを裁判所に持ってくことはまずない。絶対ない。
とはいっても、仕事をする上で、法律間に矛盾があると困るので関係省庁の官僚が集まって徹底的に検討する。そして、矛盾がないという段階になって初めて法案になる。だから法案の作成に当たっては官僚の協力が不可欠なのです。
じゃあ何故角栄は法律を自由自在につくりえたのか?それは簡単なこと。官僚を自由自在に操れたからですね。
早坂茂三氏はこう言いました。
「法律なんて、人間が生活していくのみ役立つように作られたものです。法律が主人でなく、人間が法律を使いこなす主人であるべきだ。人間が法律に振り回されるなんて意味がない。」
まさにそのとおり!だから角栄も、官僚が「ご意見はごもっともですが、現行法があるのでできません」と言ったならば、角栄は「だったら法律を変えればいいじゃねーか。現行法をぶっ壊して新法作ったらいい。」と反論した。
法律があって始まる。法律こそ官僚の拠り所。だったら政治家はどうするのか。己の考えを法律にして、それを役人に示せばいい。だから角栄は法律を作ることから始めた。立法のための舞台もシナリオも作り、監督もやる。そこまでされたら官僚も命ぜられるままに働くしかない。
まあしかしロッキード事件でアメリカに鋭いナイフを見せつけられ、計画はオジャン。以降、現在に至るまで、官僚を動かす政治家は現れず、我々から戦略的思考する上でのベースを奪われてしまった。こうして対米独立なんてことは闇の中…。
官僚を動かせる能力を持った政治家…今の日本にいるのでしょうか?少なくとも安倍さんや福田さんにはありませんでした。今後の日本にそうした政治家が現れることを期待したいと思いますが……。
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菅直人大臣には 官僚たち 恐れおののいていたねぇ
全部書類を 洗わせたらしいです
傑作
2008/6/19(木) 午後 4:45
>ナオミさんへ
訪問・コメントありがとうございます^^
へ〜そんなエピソードがあるんですか!
正直僕は今の自民党の政治家にそれができるとは思わないんですよ(笑)
だから一度民主党に政権運営してもらったほうがいいと考えるようになりました。それでダメだっから戻せばいいわけだし(笑)
また来てくださいね^^
2008/6/19(木) 午後 5:33