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殺人カップルが主役の犯罪もの。
<物語>ひょんなことから人を殺してしまったユリとケン。彼らは、その時の異常な興奮が忘れられず、殺人を伴わなければセックスの快楽を味わえなくなってしまう・・・。
かなり際どい題材の映画ですが、同じく殺人カップルを扱った『ナチュラル・ボーン・キラーズ』などよりも遥かに傑作だと思います。
「亜麻色の髪の乙女」などで知られるヴィレッジ・シンガーズのドラマー、林ゆたか(奈美悦子の元旦那です)が、気弱なケーキ職人から切り裂きジャック的殺人鬼に変貌してしまう主人公を好演。キツイ性格のウェイトレスから殺人鬼の女房役に転じる女を演じた桂たまきは、間違いなく本作が代表作だと思います。
長谷部監督の演出力も上々。ラスト付近の展開は『犯された白衣』(若松考二監督)へのオマージュでしょうか。
男を殺すシーンが一切ないことからも分かるように、本作における殺人鬼というものは、プレイボーイ的な男(いわゆる女殺し)のメタファーとして捉えた方が分かりやすいですね。そう考えれば全てが腑に落ちますし、この映画のストーリーが、本質的には『好色一代男』(増村保造監督)などと同様のものであることにも気付けると思います。『好色・・・』でも、主人公と関わる女達が次々と死んでいったことを思い出していただきたいです。僕にはラストシーンの主人公が、女護が島へと船出する市川雷蔵とモロにダブッて見えました。
脚本は桂千穂で、この作品は彼自身の一番のお気に入りだそうです。
ちなみに、トラックバックが同じところに4件も繋がってしまうのは、僕の操作ミスでして(笑)。どなたか消す方法をご存知の方は、教えていただけたら嬉しいです。
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長谷部安春さんは「暴行切り裂きジャック」、「犯す!」を撮った後、石原プロの刑事ドラマ「大都会PARTII」に参加、かつての日活仲間だった村川透と再会。第38話「凶器が走る」では長谷部自身が手がけた「暴行切り裂きジャック」と「犯す!」の経験を上手く生かした演出がここでも生かされた(もちろん八城夏子もこの大都会PARTII第38話でも出演していた)。八城夏子がゲスト出演している回ではかならず長谷部監督が担当している。
2013/7/2(火) 午後 6:51 [ マイケルたかお ]