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映画『悪い男』に関する「カラカラ」さんとのやりとりを、2回に分けてそのまま掲載しました。なかなか興味深いやりとりができたので、自分のブログにも記録しておきたいと思ったのです。「カラカラ」さんがご迷惑ならすぐにでも削除しますので、いつでもおっしゃってください。ちなみに、色々と偉そうなことを言ってはいますが、実はギドク作品、いまだに『悪い男』しか見ていません(^^;



・「カラカラ」さん

この文章はキム・ギドク
『悪い男』についての

user tさんの記事へのコメントが長くなりすぎたため
記事にしたものです。

※また、カラカラはこの記事を書く前に
『悪い男』を見直していないことを白状します。
だから書くべきか悩んだのですが思った通り書きます。

user tさんへ

私はキム・ギドクの作品を初めて見たとき
人の中にある、心底、間違っても白日にさらしたくないような
おなかの中にあるねっとりとした妄想を切り開いて見せるような映画だと思い、

それを突き詰めてできるギドク監督の映画はなんて独特なのだ!
そしてその独特さ故に天才だと思いました。

斎藤綾子さんがギドクについて

「股間に疼痛が走るような、さんざんセックスした後で男の部屋から慌てて逃げ出すような(中略)・・もう勘弁してというのが正直な感想だった」
(『弓』パンフレットより)

というのもぴったりな感想でうまいなぁと思います。
そしてそこで好きか嫌いかが分かれてしまう映画だとも思います。

ただ、それでは少しもったいないとも思います。

なぜなら、私の初ギドクの感想とuser t さんの感想は映画体験
そのままの感想であり、映画が表現することの
核心には迫っていないと思うからです。



私は個人的にそれがどの様な形であれ、
気持を乱した作品であれば
その監督自身に興味を持ってしまうので
キム・ギドクの発言や本を調べはじめました。
そしてそうしているうちに
少し感じたのは

この映画の核心にあるのは
監督の育った背景からくる
既存の価値観への違和感とそこからの脱出
ではないかということです。(うまく言えてない。)

まず、キム・ギドクの育った環境というのは
とても短いのですが以下のようなものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%89%E3%82%AF

つまり、本人も本(『キム・ギドクの世界−野生もしくは贖罪の山羊−』)の中でも
言っていたのですが、学校だとかそういうものによってよりも
工場で働いたり、軍人としての生活の経験の中で、
自分で思考し価値観を築いてきた人と言えそうなのです。


そして映画の話に戻ると、
この映画で
ハンギはやくざで
ソナは女子大生です。

ハンギにソナのような学生時代があったとは思えませんし
この二人が一般的(とまで言えるか正直わかりませんが)に接し、
恋愛をすることはなかなかあり得ないことだと思います。
なぜならソナにとってやくざは「悪い」ものだからです。


しかし、そもそもソナが歩く人生というのは、先人達が試行錯誤し、
それが受け継がれ(もしくは受け継がれず)・・・
彼らが悩んだ結果が積み重ねられて作り上げられた道であり、
ソナ自身が自分で草を掻き分けて進んでいくように
経験により築いてきた価値観による選択ではないと思います。

そして、世の中で「一般的なもの」
であることによって善とされている道だと思うのです。


また、この映画は
思考し、その結果たどり着いたわけでもない場所にいる
ソナにハンギが侮蔑された瞬間から始まっていると思います。

ハンギが起こした誘拐という理不尽な行動は
今の社会の価値観によって魂を向き合わせることのできない不自由さから
ソナを今いる世界から遠ざけ、もしくは自分と同じ世界に住まわせることで
魂を愛することのために行われた極端な行動だと考えます。

つまり、やくざであるハンギと大学生であるソナを
ただの男と女の魂として向き合わせるという
ギドク監督の背景からくる今の社会における善悪の価値観に
乗らないという姿勢のあらわれではないかと思うのです。

そして、だからこそハンギとソナは交わることもしないし、
世の中から離れるという意味で
ギドク監督の作品はどこか
ファンタジックなのだとも思います。

『悪い男』をこうやって書いてみると、
風味や魅力が飛んでしまって「なんだかなぁ」と思ったのと
生理的に好きか嫌いかを書いてらっしゃった記事について
的外れなコメントかもなぁ、
とも思ったのですが記事を読んでいて

私はこう思いましたと伝えたくなって書きました。



「その2」へつづく

閉じる コメント(2)

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全く迷惑じゃないですよ〜。やりとりとても楽しかったです。
カラカラは今映画インポ(なんて下品な女なのだ)なので刺激を頂いて嬉しいです。

2009/5/12(火) 午後 7:53 [ 豆田 妙子 ]

顔アイコン

カラカラさん
インポですか(^^;
カラカラさんの記事をきっかけに、とても充実したやりとりができたので良かったです。たまにはこういうディープな議論がしたいですね。

2009/5/13(水) 午後 11:21 [ user t ]


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