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ジョゼフ・H・ルイス監督、コーネル・ワイルド主演のフィルム・ノワール。1970年代以降のルイス再評価の流れの中で、『拳銃魔』と並びカルト的な人気を博するに至った作品です。 <物語>レナード・ダイアモンド刑事(コーネル・ワイルド)は、ギャング団のボス、ブラウン(リチャード・コンテ)とその一味を何年も追い続けている。警察の上司は、追跡の成果が一向に上がらないのと、レナードの執念の背景にはブラウンの情婦スーザンへの想いという私情があると考え、捜査中止を主張するが・・・ 感想は・・・秀作でした。刑事VSギャングものの異色作です。 製作はシオドラ・プロダクションズとセキュリティ・ピクチャーズ(シオドラは本作に主演しているコーネル・ワイルド&ジーン・ウォレス夫妻の、セキュリティは脚本家フィリップ・ヨーダンの、それぞれ個人会社です)。 脚本のクレジットはフィリップ・ヨーダンですが、彼は(赤狩りの)ブラックリスト脚本家を雇って脚本を書かせ、自分の名義で発表し続けたことで有名な人物です。本作に関しても、ヨーダン自身が書いたものなのか、それとも他人に書かせたものなのか、詳細は現在に至るまで判明していません。いずれにせよ、捻りの利いたセリフといい、刑事がギャングの情婦に惚れているという特異な設定といい、なかなか個性的なシナリオだとは思います。 出演陣では、主演のワイルドも好演してはいますが、ギャングの親玉ブラウンを演じたリチャード・コンテが特に印象に残りました。早口なしゃべり方が特徴的で、一見ソフトな雰囲気なのですが、そこがまた独特な不気味さを感じさせるんです。 ギャング組織のナンバー2で、終盤コンテを裏切る男の役にはブライアン・ドンレヴィ。悪役の多い彼ですが、本作ではちょっと中途半端な役柄でした。 そして、コンテの忠実な部下で、常に2人組で行動するギャング(通説によれば、彼ら2人はホモセクシャルの関係だそうです・・・)の片方をあのリー・ヴァン・クリーフが演じています。マカロニ・ウエスタン以前の彼にしては出番の多い役柄です。 ハンガリー出身のカメラマン、ジョン・アルトンによる撮影の魅力も忘れてはいけません。ドイツ表現主義の流れを汲み、「照明の魔術師」「ノワールの最も偉大な名匠」とも呼ばれる彼の名前は、本作が語られるときには必ずといってよいほど言及されます。 当時の映画にしては少々クセの強い作品ですが、何はともあれ一見の価値はあると思います。
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未見ですが 記事を読んでるともの凄く興味がわいてきました
リー・ヴァン出てるんですね フィルム・ノワールの彼にも
関心ありです
2009/6/1(月) 午後 11:36
ジュリアンさん
この映画、実はフィルム・ノワールの世界ではかなり有名なカルト作なんです。
リー・ヴァン・クリーフに関しては、意外なほどマカロニ以前の出演作が多いので驚いています。もちろん大半はほんのチョイ役なのですが、本作では珍しく出番が多かったです。常に2人組で行動する、ちょっと変わったギャングの役でした。
2009/6/3(水) 午後 6:36 [ user t ]