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グレゴリー・ペック主演、ゴードン・ダグラス監督の西部劇です。



<物語>南北戦争直後のニューメキシコ。軍規に厳格なランス大尉(グレゴリー・ペック)は、部下を連れて前線の砦に出かけ、そこを襲ったアパッチ族の酋長ツーソンを捕虜にして本拠ウィンストン砦に帰った。しかし上官のドラム大佐(ハーバート・へイス)は、アパッチの襲撃を恐れて酋長をより堅固なグラント砦に移すことを決意、その護送をハロウェイ中尉(ギグ・ヤング)に命じる。ハロウェイとランスはキャシー(バーバラ・ペイトン)を巡って恋敵の関係にあったので、兵士たちはこの命令をランスの策略だと邪推する。ハロウェイはアパッチに攻撃され、殺害されてしまう・・・



感想は・・・秀作でした。いわゆる「砦攻防戦」ものとしてウェルメイドな作品で、サイレント期から活躍したベテラン、ゴードン・ダグラス監督の力量が感じられます。


恋敵を危険な任務に就かせ、死なせたと誤解されたグレゴリー・ペックが、小部隊を率いてインディアンと攻防戦を繰り広げます。ペックの部隊は8人の兵士たちで構成されていますが、その大半が彼に対して何らかの不満を抱いているという設定です。要するに、彼はインディアンと戦うだけではなく、クセの強い部下たちを纏めるための心理戦も同時にこなさなくてはならないんですよね。


出演者の質も高いです。特に隊長を演じたペックが良く、本作の大きな魅力の一つともなっています。『頭上の敵機』、『ナバロンの要塞』などでもそうでしたが、彼は意外とリーダー役がハマるんです。


その他、恋敵ハロウェイ役にギグ・ヤング(『ひとりぼっちの青春』)。酒飲みの荒くれ兵士役にワード・ボンド(『ヨーク軍曹』)。ヒロインにバーバラ・ペイトン(フランチョット・トーンとトム・ニールが、彼女を巡って殴り合いの大喧嘩をしたゴシップで有名)。さらにロン・チャニー・ジュニア、ネヴィル・ブランド(『胸に輝く星』、『歩道の終わる所』)、スティーブ・ブロディ(『鬼軍曹ザック』)など粒が揃っています。


最後は例によって騎兵隊が助けに来るわけですが、彼らがインディアン撃退に使用するのはあの「ガトリング砲」です。


「インディアンとの攻防戦を徹底的に描いた、騎兵隊西部劇。フォード騎兵隊よりこっちの方に興奮したもんである・・・誰がなんといおうと傑作」石上三登志
「発端から中盤への設定が、その後の西部劇と戦争映画に大きな影響を与えた」増淵健



夜闇に紛れたインディアンの襲撃など、アクション面での見せ場も結構ありました。ペック主演の隠れた秀作として一見をオススメします。



注)ガトリング銃(砲):南北戦争末期に発明された銃です。ドラム型または箱型の弾倉を持ち、5〜10本の銃身を円筒状に並べ、それを手動のクランクハンドルで回して連続発射させるもの。一分間に350発が連射でき、その威力は絶大でした(後のマカロニ・ウエスタンでお馴染みのあれです)。

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ゲーリー・クーパー主演、フレッド・ジンネマン監督の西部劇。18の時に見て以来ですから、15、6年ぶりの鑑賞です。



ストーリー、キャラクターなどは説明不要だと思います。ホワイトハウス最多上映映画としても知られる名作中の名作です。


しかし前回の記事にも書いたとおり、あまり深くは感心できませんでした。初鑑賞時には傑作だと思った記憶があるのですが・・・。


もちろん、「大名作」という先入観が強すぎたせいもあるでしょう(そもそも当の僕自身、「西部劇ベスト10」なるリストに何の疑問もなく本作をランクインさせていました)。


決して見所がないわけではありません。


個性的な脚本を書いたのはカール・フォアマン(『チャンピオン』)。いわゆる「ハリウッド・テン」の一員ではないものの、やはり赤狩りの標的になった脚本家です。この映画の暗さには、当時の彼の心境、そして時代の不安感が反映しているとされています。


主題歌『ハイ・ヌーン』はあまりにも有名ですし、「助けを求めつつも得られない保安官」という設定も出色です。アカデミー主演男優賞に輝いたゲーリー・クーパーの好演も一見の価値はあるでしょう。



確かに数々の美点を持った映画だとは思います。しかし演出といい、ストーリーといい、何ともキレがないんですよね。とにかく、全くといってよいほど画面に奥行きが感じられない。「深み」がない。登場人物にも魅力がない。物語の進行時間と実際の上映時間を一致させたのは有名ですが、それが特に映画的な効果をあげているわけでもない・・・。


正直、アンソニー・マンやデルマー・デイヴィスの西部劇と同時代に製作されたとはとても思えませんでした。マンやデイヴィスの西部劇は繰り返しの鑑賞に堪えられるが、本作は堪えられない、残念ながらそれが僕の結論です。



オマケ

冒頭、いきなりリー・ヴァン・クリーフが登場します。何と、この大名作で最初に画面に映し出されるのは彼なんですよね。これはちょっと意外でした。役柄としては端役で、クーパーと対決する悪役4人組の一人です(全くの偶然ですが、これで『ビッグ・コンボ』、『胸に輝く星』、そして本作と、なぜか3本も続けて彼の出演作をとりあげることになってしまいました)。

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「名作」とは何か?

皆さんは、いわゆる「名作」とはどういうものだとお考えでしょうか?


映画に限らず、古今東西「名作」と呼ばれる作品は枚挙にいとまがありません。しかし、この「名作」というのはいったい誰がどうやって決めているのでしょう。


マスコミで騒がれ、大ヒットすれば「名作」なのか。それとも、批評家、作家、映画監督といった、権威ある有識者によってお墨付きを与えられたものがそうなのか。あるいは、そもそも絶対的な「名作」などというものは一切存在せず、個々人が自分の価値観、思い入れ等で判断すべきものなのか・・・。


どの基準も正しいとも言えるし、間違っているとも言えると思います。



・・・なぜ突然こんなことを考え込んでしまったのかというと、(高校時代以来)ほぼ15年ぶりにある名画を見直したのがきっかけでした。映画ファンならば誰でも知っている超名作です(僕自身、ずっと傑作中の傑作だと思っていました)。しかし・・・。


確かに出来は悪くないのです。悪くはないのですが・・・正直なところ、その古色蒼然たる演出にちょっと面食らってしまいました。肝心のストーリーにも、初見の時ほどは感心できず・・・(この映画は次回とりあげるつもりです)。


再見によってそれまでの印象が覆される、そういう経験自体は誰にでもあることだと思います。問題は、その作品が一般的に大名作とされている場合です。



当たり前のことかもしれませんが、あまりもメジャーな名作というのはどうしても過大評価されてしまうんですよね。特に大ヒット作など、見ている人の数が非常に多いので、一般的なコンセンサスが成立する確率もかなり高くなります。


誤解しないでほしいのですが、僕は決して一般的に知名度の高い映画を嫌っているわけではありません。それどころか、少なくとも平均よりは遥かに質の高い作品ばかりだと思っています。しかし、それ「だけ」が特に他より優れているかとなれば話は別です。


「誰もが知る名作」というのはあくまでも氷山の一角なんですよね。最近つくづくそう感じることが多くなってきました。初めのうちは単に自分の好みが変わっているのかと思っていましたが(笑)、どうもそれだけではなさそうです。

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アンソニー・マン監督、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・パーキンス主演の西部劇。ブログ開始以来、初の英語版DVDによる鑑賞です。



<物語>西部のある町。保安官事務所に、ひげだらけの男モーグ・ヒックマン(ヘンリー・フォンダ)が馬の背に賞金首の死体を乗せてやってきた。若い保安官ベン・オーエンス(アンソニー・パーキンス)によれば、賞金は死体の身元が確かめられるまでは支払われない。モーグは町に留まることにしたが・・・


感想・・・これは傑作でしたね。正直、日本でDVD未発売なのが不思議なほど格調の高い作品でした。正統派西部劇を代表する名作のひとつだと思います。


アンソニー・マン監督の集大成とも呼べる映画ではないでしょうか。彼としては『ウィンチェスター銃’73』(1950)以来のモノクロ西部劇で、その点からも強いこだわりが感じられます。


アカデミー賞にもノミネートされたダドリー・ニコルズ(『肉弾鬼中隊』、『駅馬車』)の脚本、ロイヤル・グリッグス(『シェーン』)による撮影、巨匠エルマー・バーンスタインの音楽、そしてアンソニー・マン自身による的確な演出・・・全ての要素がハイレベルです。


キャストも1級でした。主役のヘンリー・フォンダは、妻子を亡くして以来、賞金稼ぎに身を落としている元保安官。これはまさに、彼の代表作の一つと言ってもよい名キャラクターだと思います。


もう一人の主役、フォンダに弟子入りする新米保安官に扮したアンソニー・パーキンスも好演していました。フォンダが彼に、保安官としての、そしてリーダーとしての数々の心得を教え込んでいくところは、本作の大きな見所の一つでしょう。


町中の人々に慕われる好々爺の老医師役にはジョン・マッキンタイア。数年前の『遠い国』(1954)では悪役だった彼ですが、本作では一転かなりの老け役に挑戦しています。


マッキンタイアを殺す混血のならず者役にリー・ヴァン・クリーフ。マカロニ以前の彼で、映画の最後まで(一応)生きている役を見たのはこれが初めてです(笑)。


フォンダが世話になる(そして最後、共に町を去っていく)母子を演じた、ベッツィー・パルマーとマイケル・レイ(未見ですが、『黒い牡牛』の少年役で有名)も良かったです。パルマーの死んだ夫は実はネイティブ・アメリカン、従って息子のレイは混血児なので、彼らは差別されてきた過去を持っています。悪役のネヴィル・ブランドが極端な人種差別主義者であることも含めて、本作には人種問題が扱われている映画という一面もあるんですね。


終盤は、群集を煽動してならず者たちをリンチにかけようとするブランドと、公正な裁判を主張するパーキンスの決闘となります。全体として、新米保安官が一人前になるまでの成長を描くと同時に、「無法の西部」から「法と秩序の西部」へと向かう歴史の流れをも感じさせる西部劇です。



個人的には、好きな西部劇ベスト5には入る作品になりました。



         

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ジョゼフ・H・ルイス監督、コーネル・ワイルド主演のフィルム・ノワール。1970年代以降のルイス再評価の流れの中で、『拳銃魔』と並びカルト的な人気を博するに至った作品です。



<物語>レナード・ダイアモンド刑事(コーネル・ワイルド)は、ギャング団のボス、ブラウン(リチャード・コンテ)とその一味を何年も追い続けている。警察の上司は、追跡の成果が一向に上がらないのと、レナードの執念の背景にはブラウンの情婦スーザンへの想いという私情があると考え、捜査中止を主張するが・・・


感想は・・・秀作でした。刑事VSギャングものの異色作です。


製作はシオドラ・プロダクションズとセキュリティ・ピクチャーズ(シオドラは本作に主演しているコーネル・ワイルド&ジーン・ウォレス夫妻の、セキュリティは脚本家フィリップ・ヨーダンの、それぞれ個人会社です)。


脚本のクレジットはフィリップ・ヨーダンですが、彼は(赤狩りの)ブラックリスト脚本家を雇って脚本を書かせ、自分の名義で発表し続けたことで有名な人物です。本作に関しても、ヨーダン自身が書いたものなのか、それとも他人に書かせたものなのか、詳細は現在に至るまで判明していません。いずれにせよ、捻りの利いたセリフといい、刑事がギャングの情婦に惚れているという特異な設定といい、なかなか個性的なシナリオだとは思います。


出演陣では、主演のワイルドも好演してはいますが、ギャングの親玉ブラウンを演じたリチャード・コンテが特に印象に残りました。早口なしゃべり方が特徴的で、一見ソフトな雰囲気なのですが、そこがまた独特な不気味さを感じさせるんです。


ギャング組織のナンバー2で、終盤コンテを裏切る男の役にはブライアン・ドンレヴィ。悪役の多い彼ですが、本作ではちょっと中途半端な役柄でした。


そして、コンテの忠実な部下で、常に2人組で行動するギャング(通説によれば、彼ら2人はホモセクシャルの関係だそうです・・・)の片方をあのリー・ヴァン・クリーフが演じています。マカロニ・ウエスタン以前の彼にしては出番の多い役柄です。


ハンガリー出身のカメラマン、ジョン・アルトンによる撮影の魅力も忘れてはいけません。ドイツ表現主義の流れを汲み、「照明の魔術師」「ノワールの最も偉大な名匠」とも呼ばれる彼の名前は、本作が語られるときには必ずといってよいほど言及されます。



当時の映画にしては少々クセの強い作品ですが、何はともあれ一見の価値はあると思います。

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