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評判のいい作品だったので、興味で見てみた。
監督の廣木隆一は、ピンク映画時代も含めるとかなりのベテランで、一般映画に移行してからもすでに数多くの作品を世に送り出している。僕はその内の数本しかまだ見ていないが、少なくとも『800 TWO LAP RUNNERS』は、クリシェだらけの脚本ではあるものの、ただ走ることに焦点を当てた演出や、ヤクザの息子を演じた野村佑人の演技が光る佳作だった。
というわけで『ヴァイブレータ』なんだけど、傑作とまでは言い難かった。確かに男と女の出会い方なんかは悪くなかったと思う。奇しくも同じ荒井晴彦脚本の名作『赫い髪の女』を彷彿とさせるシチュエーション。
ただ今回の女は、アルコール依存性かつ食べ吐きを繰り返す女。それだけならまだしも、男の方は男の方で、ヤクの運び屋、シンナー、女ストーカー、違法無線、ヤクザ、ホテトルのマネージャーなどの経験談を終始女に対してまくしたて続ける・・・ちょっとやりすぎじゃないのかい。流石にうんざりしてしまった。
まあそれでも終盤はちゃんと映画的に収斂してくれるので、見ていて安心感はある。個人的には、五十嵐食堂とやらで二人が食事をするシーンなんかは結構好きだったりもする。
あと、『殺し屋1』での彼とは似ても似つかない役柄を好演した大森南朋だが、どうしても本作ではところどころくりぃむしちゅーの上田に似て見えてしまう(『殺し屋1』では安住紳一郎みたいだったのに)。どうでもいいか。
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