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フランスの巨匠として知られるクルーゾー監督の初期作品。



<物語>ある日、田舎町の産婦人科医ジェルマン(ピエール・フレネー)のもとへ、彼の不倫を中傷する手紙が舞い込む。手紙には「カラス」という署名があった。これを皮切りに同じ署名の入った手紙が他の人々にも配られはじめ、内容もジェルマンに対する中傷のみならず、人々の秘密の暴露など多岐にわたっていく。ついには、手紙でガンを知らされた入院患者が自殺するという事件まで起きてしまう・・・。


ドイツ占領下、「フランス国民の腐敗」の喧伝を求められて生まれた作品なのですが、ナチス批判が込められているとされ上映禁止に。そして戦後、今度は監督が対独協力者として糾弾されるという、何ともややこしいいわく付きの作品です。


感想は・・・これはたいへん重苦しい映画です。平和に暮らしていたはずの人々が、次々と送られてくる怪文書に翻弄され疑心暗鬼に陥っていく姿には、見ていてゾッとさせられました。暗に、当時のゲシュタポによって作り出された密告社会を摘発しているのでしょうが、同時にネットにおける誹謗中傷行為など、現代の問題をも思い起こさせるような普遍性も感じます。


ただ、ストレートに犯人探しのミステリー、あるいはサスペンスものとして見てしまうと、ちょっと微妙かもしれません。確かにクルーゾーの演出は優れていますし、見応えもある映画なのですが、個人的にはスッキリと腑に落ちるような結論ではなかったです。犯人の動機もイマイチ良く分からないですし・・・。


主演は、『大いなる幻影』でフランス貴族出身の大尉を演じたピエール・フレネー。ヒロインの一人を演じたミシェリーヌ・フランセーの美しさも印象的でした。



ちなみに本作、あのフランソワ・トリュフォーが弱冠11歳のときに熱中した作品としても知られているようですが、これにはさすがに驚きましたね。とても子供が夢中になるような映画とは思えなかったので(^^;

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