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「冤罪」がテーマの異色西部劇。日本未公開です。



<物語>ネヴァダ州1885年。流れ者カーター(ヘンリー・フォンダ)とアートはある小さな町にやってきた。そこへ地元の牧場主キンケイドが殺害され、牛が連れ去られたという知らせが。保安官が留守だったので、犯人にリンチを加えようとする暴徒たちは、やがて牛を連れていた3人の男たちを発見する。カーターをはじめ一部の男たちは彼らを犯人だと決め付けることに反対したが、多数決で死刑が決定し、3人組はその場で殺害されてしまう。だが処刑後、実はキンケイドは死んでおらず、真犯人も捕まっていたことが判明し・・・。


感想は・・・やはり良かったです。ウィリアム・A・ウェルマンの映画は今回が初鑑賞ですが、程良く抑制された演出には感心させられました。


内容的には、抗いがたい群集心理の恐ろしさが的確に描かれていると思います。主演がヘンリー・フォンダであり、しかもリンチとはいえ多数決による裁判が登場することなどから、後の『十二人の怒れる男』(1957年)を連想する人も多いのではないでしょうか。


出演陣も皆好演しています。リンチの犠牲者役に、ダナ・アンドリュース(リーダーの妻子持ちの男)、アンソニー・クイン(メキシコ人の流れ者)、ジョン・フォードの兄、フランシス・フォード(老人)の3人が扮しているのも見所です。


わずか75分ほどの上映時間でありながら登場人物が多く、しかもそれぞれが巧みに描き分けられているので、見応えがあります。ただ、キンケイドがなぜ予告に反して3人組に牛を売ってしまったのか、そしてアンソニー・クイン演じる男がキンケイドの銃を所持していた理由(本人は「拾った」と言うのですが)など、最後まで良く分からない点がいくつかあり、ややこじつけ感が残ってしまうところが残念でした。


「わたしの大好きな映画だった」「アメリカ映画協会の芸術プログラムの60周年記念のときにワシントンに行ったとき、『牛泥棒』の紹介を頼まれた。わたしが大好きな映画であることを協会の人が知っていたんだ」(クリント・イーストウッド)
「西部劇映画史上、重要な作品。・・・この映画は、法の遵守がいかに大切かを力強く訴える」(エドワード・バスコンブ)



テーマには確かな普遍性が感じられますし、完成度も高いので、間違いなく一見の価値はあると思います。ウェルマン監督の他作品にも興味が湧きました。


        

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