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オーソン・ウェルズが監督・出演し、脚本にも参加した作品です。日本未公開ですが、「ナチス追跡」という邦題でテレビ放映されています。



<物語>絶滅収容所を考案したとされる、悪名高いナチ党員フランツ・キンドラ(オーソン・ウェルズ)。ナチの残党狩りに血眼の戦犯調査会は、戦後、姿をくらました彼の潜伏先を求めて、強制収容所の所長であったマイネックの逃亡を画策した。捜査官ウィルソン(エドワード・G・ロビンソン)は、目論見どおりフランツの元へと向ったマイネックを追い、アメリカのコネチカットへとやって来る。折しもその日は、チャールズ・ランキンと名前を変え、教授として周囲の目を欺いているフランツが、判事の娘メアリ(ロレッタ・ヤング)と結婚する日であった・・・


感想は・・・ウェルズのフィルモグラフィの中では知名度の低い本作ですが、これが意外にも秀作でした。


終戦直後に、早くもこのような題材の映画が製作されていたことにも驚かされましたが、とにかく純粋にサスペンスものとして良く出来ているんですよね。


緊張感を盛り上げるウェルズの演出は極めて巧みですし、出演者の演技も1級品だと思います。特にウェルズ自身がその巨体を活かして演じたキンドラの不気味な怖さ、例えば、やってきたマイネックを首を絞めて殺害し、さらにその埋めた死体を嗅ぎ付けた妻の飼い犬をも殺すあたりなど、見ていてゾッとさせられました。もちろん、捜査官ウィルソンを演じたロビンソンや、キンドラの妻メアリを演じたヤングの演技もなかなか見応えあります。


ただ、終盤に向けて徐々に展開がステレオタイプになっていくのは少し残念でした。脚本にはジョン・ヒューストンなども参加しているのですが・・・。優れた作品ではありますが、名作と呼ぶには何かが足りない、そんな気もします。


また本作は、ナチの強制収容所がらみの実写フィルムを作中で使用した初の映画でもあります(のちの『夜と霧』でも使用されたあれです)。

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