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ウィリアム・ワイラー監督、ゲーリー・クーパー主演による西部劇。



<物語>1880年代のテキサスは、新天地を求めて移住してきた農民たちと、在来の牧畜業者たちとのイザコザが絶えない。土地の実力者ロイ・ビーン判事(ウォルター・ブレナン)は、酒場の経営者で、牧畜業者たちの後ろ盾として農民に迫害を加えていた。追いつめられた農民たちは、団結してロイをリンチにかけようとするが、流れ者コール(ゲーリー・クーパー)の仲裁でその場は一応の納まりを見せる。ロイは公正な裁きを訴えるコールに応えて、農地に放っていた牛を回収するも、間もなく訪れた感謝祭の日に農民たちへ焼き討ちをかけてしまう。ロイの横暴に怒ったコールは、保安官代理となって立ち上がる・・・


感想は・・・これはやはり傑作でした。堂々たる正統派西部劇です。


まず、男2人のやりとりが中心となる前半が面白かったですね。本作でアカデミー助演男優賞を獲得したウォルター・ブレナンの演技が何とも秀逸で、個人的には彼の代表作だと思います。彼が演じたロイ・ビーンは、悪徳判事でありながら、会ったこともないリリー・ラングトリーという女優にひたすら恋い焦れているという、西部劇では有名なキャラクターです。


対するクーパーは、流れ者のコールを好演しています。はじめ、彼には馬泥棒の容疑がかけられていて、危うく死刑にされそうになるのですが、リリー・ラングトリーと知り合いのふりをしてブレナンにとり入り、何とか助かります。以後、彼らの間には不思議な友情が芽生えるのですが、クーパーが、リリーの髪の毛を所持していると偽ってブレナンの歓心を買おうとするところなど、何とも可笑しかったです。


終盤、畑を焼き払われ、恋仲になりかけていた農家の娘の父親まで殺されたクーパーは、とうとうブレナンとの対決を決意することになります。実はこの決闘の舞台が少し変わっていて、リリーが公演を行う劇場の中なんですよね。全席を買い占め、部下たちを表に待たせたブレナンがただ一人座って開演を待っていると、幕が上がり、そこには美女・・・ではなくクーパーの姿が(^^;


「ウィリアム・ワイラーはクーパーの『西部の男』がいいですね。ウォルター・ブレナンのロイ・ビーン判事が実にうまい」(和田誠)
「ワイラーの映画のほうが(ジョン・ヒューストンの『ロイ・ビーン』よりも)面白かったな。いかにもウェスタンの感じが出たな」(淀川長治)



名匠ワイラーの演出はもちろん優れていますし、まさに正統派西部劇を代表する名作のひとつだと思います。この分野に興味のある方ならば必見でしょう。



        

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