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2009年04月

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ヘクト=ランカスター・プロ製作、トニー・カーティス、バート・ランカスター主演、ショービジネス界の裏側を描いた社会派フィルム・ノワールの名作です。



<物語>成功を夢見る若きプレス・エージェントのシドニー・ファルコ(トニー・カーティス)は、ニューヨークのショービジネス界に絶大な権力を振るう新聞コラムニスト、J.J.ハンセッカー(バート・ランカスター)のために口八丁手八丁で記事のネタを集めていた。ある日ハンセッカーから彼の妹スージーとジャズギタリストの仲を裂くよう依頼されたファルコは、策略をめぐらしてギタリストのスキャンダルを捏造するが・・・


感想は・・・これはかなりの傑作だと思います。いわゆる業界内幕ものですが、トニー・カーティスとバート・ランカスターが2人揃って悪役というのがまず珍しいですし、『マダムと泥棒』で知られるアレクサンダー・マッケンドリックの演出、ジェームズ・ウォン・ハウの撮影、そしてエルマー・バーンスタインの音楽と、全てが1級品でした。


原作は、後に『北北西に進路を取れ』、『ウエスト・サイド物語』、『サウンド・オブ・ミュージック』などの脚本で有名になるアーネスト・レーマン。脚本は、米左翼演劇の名作『ウェイティング・フォー・レフティ』の作者でありながら、赤狩り時には友好的証人となってしまったクリフォード・オデッツ。


映画の実質的な主役はプレス・エージェントのトニー・カーティスで、ストーリーは主に彼の行動を追うことによって進んでいきます。彼はランカスター扮するコラム二ストの走狗であり、実に小賢しい人物なのですが、演じたカーティスがこの役にハマッていて、何とも上手いんです。彼の演技が、この映画に説得力を持たせることに大きく貢献していると思います。


コラム二ストのバート・ランカスターもなかなかの存在感でした。彼のメガネ姿というのも珍しいですね。


コラムニストは、政治家や財界首脳と高級レストランなどで食事をしながら情報を入手し、それを記事に書くことによって業界の動向を左右するという、アメリカ・ジャーナリズムに特有の存在です。その中でも悪名高い一人が、まさに本作におけるランカスターのモデルであり、ブロードウェイのゴシップ・コラム二ストとして有名だったウォルター・ウィンチェルなんですね。それにしても、本作や『ローラ殺人事件』で描かれたコラム二ストたちの強大な権力には本当に驚かされます。


「ジャーナリズムもので、コラム二ストとプレス・エージェントをこれほど客観的にとらえた作品はなかった。・・・ニューヨークを描いた映画のなかでも屈指の一篇である」(双葉十三郎)
「まず、トニー・カーティスがすばらしい。そして、エルマー・バーンスタインとチコ・ハミルトンのジャズに乗せ、ジェームズ・ウォン・ハウのカメラがとらえたマンハッタンはミッドタウンの闇、赤狩りの犠牲となった脚本家クリフォード・オデッツの歯切れのよい台詞、そしてなによりもうれしくなるくらいに傲慢なバート・ランカスター、すべてが夜の闇と悪の魅力にあふれ、すばらしい」(藤原帰一)

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大プロデューサー、セルズニックが、第二の『風と共に去りぬ』として作り上げた叙事詩的大作。監督には、キング・ヴィダー以外にも、ジョゼフ・フォン・スタンバーグら6人がクレジットなしで参加しているとのことです。



<物語>南北戦争後のテキサス。父親を失った白人とインディアンの混血児パール(ジェニファー・ジョーンズ)は、大牧場主マカレンスのもとに引き取られる。マカレンス家には、理性的で温和な長男ジェシー(ジョセフ・コットン)と粗野で乱暴な次男ルート(グレゴリー・ぺック)という2人の息子がおり、ともにパールを愛してしまう。自分の土地を守ることに固執する主人のジャクソン(ライオネル・バリモア)は、鉄道の敷設を阻止しようとして進歩的な考えを持つ息子ジェシーと対立、彼を勘当する。パールとルートは結婚の約束をするが・・・


感想は・・・見応え十分の大作でした。あの淀川さんが、「これはむしろ『風と共に去りぬ』よりもずっと粋な映画」と絶賛しただけのことはあります。


まず、何といってもキャストが豪華です。主演は当時セルズニックの愛人だった(のちに結婚)ジェニファー・ジョーンズ。やや流されやすく、男たちの間を揺れ動いてしまう主人公を熱演しています。マカレンス家の長男ジョセフ・コットンもハマリ役。


意外だったのは次男役のグレゴリー・ペックで、これがかなりの悪党なんですよね。ジョーンズを翻弄し続けた挙句、彼女と婚約した牧場主を撃ち殺したり、父親のために列車を転覆させたりとやりたい放題。彼とジョーンズの愛憎相半ばする関係が本作のドラマの中心となります。


他にも、マカレンス家の母親リリアン・ギッシュをはじめ、ライオネル・バリモア、ウォルター・ヒューストン、チャールズ・ピックフォード、ハーバート・マーシャル、ハリー・ケリーなど、名優が大挙出演していました。


この映画の背景となるアメリカの東部と西部の対立、そして徐々に東部的価値観へとシフトしていく時代の流れを感じさせるような展開は、十数年後の『大いなる西部』を彷彿とさせるものがあります。『大いなる西部』では東部のインテリだったペックが、本作では西部の荒くれ男と、全く逆の立場を演じているのも興味深いところです。


鉄道敷設を阻止するために召集された何百人ものカウボーイたちが馬に乗って結集するシーンの迫力、『モロッコ』のリー・ガームスらトップカメラマン3人による美しい撮影、そしてあまりにも壮絶なラストシーンなど、映画的な見所も多いと思います。



以下ネタバレ


『白昼の決闘(DUEL IN THE SUN)』というタイトル、これ実は男と女の決闘のことなんですよね。最後にジェニファー・ジョーンズとグレゴリー・ペックが対決することになるのですが、結局は心中のようになり、2人で抱き合ったまま死んでしまいます。この有名なラストは当時の「女性観客の涙を誘った」そうです。



        

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田中登監督

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『映画監督・田中登の世界』シンコーミュージック・エンタテイメント(2007)


少し前にとりあげた『映画監督ベスト101 日本篇』になぜか掲載されていなかった映画監督のひとり、田中登氏についての書籍です。


彼自身へのインタビューを中心に、全監督作品紹介、風間杜夫、宮下順子、中川梨絵、鹿沼えり、高橋明ら出演者へのインタビューなどで構成されています。


この人のことを一言で紹介するとすれば、やはり「ロマンポルノの巨匠」ということになるでしょうか。同じくロマンポルノで活躍した神代辰巳、小沼勝らと並んで、1970〜80年代に瞠目すべき作品を次々と発表しました。



学生時代、アルバイトで『用心棒』の現場に参加していた時の話などもあります。
「一番ついたのが黒澤さんの『用心棒』。『用心棒』でセットから、壁塗りから、お茶汲みから一通り全部やって」「あと飛ばす血ね。美術からなにから全部やったんですよ」「現場を見て、非常に役立ちましたね」


他にも、『実録阿部定』の少し後に製作された(大島渚の)『愛のコリーダ』を見て、スタッフに「俺たち、勝ったな」と言ったという話など、色々と興味深いエピソードが掲載されていました。



田中登

1937年、長野県白馬村に生まれる。

1961年、明治大学文学部仏文科卒業後、日活に第7期助監督として入社。同期に小沼勝、小原宏裕。日活がロマンポルノに転向後に監督に昇進。

1972年、監督第1作『花弁のしずく』公開。

1973年、第7作目の『(秘)女郎責め地獄』で日本映画監督協会新人奨励賞を受賞。

1974〜78年、『(秘)色情めす市場』、『実録阿部定』、『発禁本「美人乱舞」より 責める!』、『女教師』、『人妻集団暴行致死事件』など、歴史的傑作を次々と発表。

2006年、急性動脈瘤乖離のため急逝。享年69歳。


(個人的ベスト・スリーは『(秘)色情めす市場』、『人妻集団暴行致死事件』、『女教師』)

7ヶ月経過

ブログ開始後7ヶ月が経過いたしました。


これまでファンの皆様と充実したやりとりを続けてくることができ、本当に良かったと思っております。


esupaiさん、ヒッチさん、Jackさん、ひろちゃんさん、fpdさんには、特にたくさんのコメントを寄せていただきました。どうもありがとうございました(^^)


今後もコツコツと更新していきますので、よろしくお願いいたします!

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いわゆる「ボニーとクライド」ものを代表する作品のひとつ。後の『勝手にしやがれ』や『俺たちに明日はない』などに決定的な影響を及ぼした、フィルム・ノワールの伝説的名作です。


製作はキング兄弟。知る人ぞ知る元ギャングの独立プロデューサーで、本作は彼らの代表作としても知られています。脚本は、マッキンレイ・カンターの短篇小説(「Gun Crazy」)をもとに、当時「赤狩り」のブラックリストに載せられていたダルトン・トランボが偽名を使って書いたものです。



<物語>子供の頃から銃器に異常な興味を抱いていたバート(ジョン・ドール)は、射撃の腕前は誰にも負けなかったが、殺生だけはするまいと誓う青年だった。第二次大戦に従軍後、故郷に帰った彼は、遊びに行ったカーニバルで射撃の女王アニー(ペギー・カミンズ)と腕を競い、彼女を負かしてしまう。これが縁で2人は恋仲になり結婚。が、贅沢な生活に憧れるアニーはバートをそそのかし、やがて2人は強盗を繰り返しながら西部の町を渡り歩くようになる・・・


感想は・・・これはやはり傑作だと思います。あらすじ自体は、運命的に出会った一組の男女が破滅への道をたどるという、よくあるものです。しかし、トランボによる引き締まった脚本、そしてB級映画の巨匠ジョゼフ・H・ルイス監督による巧みな演出が冴えわたり、本作を並の映画とは一味も二味も違ったものにしています。


少年時代の主人公が、雨の中ショーウィンドーを割って拳銃を盗み出す冒頭のシーンからグッと引き込まれますし、「映画史を震撼させた」とも言われる、有名なワンシーン・ワンカットを用いた銀行強盗場面をはじめ、見応えのあるシーンが全編にわたって数多くちりばめられていました。


当初、主演男優にはグレゴリー・ぺック、ダナ・アンドリュースなどの名が、主演女優にはスーザン・ヘイワードなどの名が挙がっていたそうですが、こうしたA級俳優がキング兄弟の映画への出演に二の足を踏んだため、結局ジョン・ドールとペギー・カミンズという、ネーム・バリューのない2人を起用せざるを得なくなったようです(ジョン・ドールの方は、過去にアカデミー助演男優賞にノミネートされたり、ヒッチコックの『ロープ』などに出演した経験がありますが)。しかし、結果的にはともになかなかの好演で、映画に独特なリアリティを与えることに成功していると思います。


「これを見てなきゃ映画などを志してはいけないという重要な作品」(蓮實重彦)
「ルイス監督ならではの大胆極まりない演出が至るところで観客を不意撃ちする傑作活劇」(桑野仁)
「映画史上最高のワンシーン・ワンカット・・・車の後部座席にすえられたキャメラは二人が町はずれから町なかの銀行に入ってゆき、跳び出して来て町を出るまでの数分間を息もつかせずに撮り切ってしまう。このシーンはジョゼフ・H・ルイスのとんでもない才能を証明している」(筒井武文)



        

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