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デルマー・デイヴィス監督、ジェームズ・スチュアート主演の西部劇です。 <物語>1870年代。白人とアパッチ族との間に流血の惨事が絶えなかったアリゾナ。この地方に金を探しに来たトム・ジェファド(ジェームズ・スチュアート)は、傷ついたアパッチ少年を助けたことから彼らもまた公正を重んずることを知り、暴力をもってしては2者の確執は解けぬことを確信する。彼はアパッチ族を統率する大酋長コチーズ(ジェフ・チャンドラー)を訪ね、和睦を申し込むが・・・ 感想は・・・傑作でした。実は本作、インディアンの立場を尊重した初めての西部劇としても知られています。 もともと西部劇の中のインディアンといえば、基本的には無知で野蛮な悪役でしかなかったわけです。しかしデイヴィス監督はこの映画で、アパッチ族の酋長コチーズを知性と威厳を有する一個の人間として描き、それまでのインディアン観をものの見事に覆しました。 脚本はマイケル・ブランクフォートとなっていますが、彼はいわゆる「フロント」にすぎず、実際に執筆したのは赤狩りの犠牲になったことで知られるハリウッド・テンの一人、アルバート・マルツ(『裸の町』など)です。 出演陣も良かったです。特に主演のスチュアートはハマリ役で、インディアンと白人との間で板ばさみになりながらも平和を保とうとするトムを熱演しています。彼と恋に落ちる純朴なアパッチ娘ソンシアレイ役のデブラ・パジェットも印象的でした。 そして、貫禄ある存在感で酋長コチーズを演じたジェフ・チャンドラー。彼は本作の演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。惜しくも受賞は逃しましたが、そもそも当時はインディアン役で賞の候補にあがること自体が珍しかったのです。彼の最後のセリフには強く心を動かされました。 「インディアンを新しく同情的に描写したのが『折れた矢』である。この作品は古色蒼然たるステレオ・タイプを打ち破り、インディアンに新しい光をあてた。『折れた矢』は、今後ともインディアン問題を正しく理解するよすがとなろう」ラルフ&ナターシャ・フライアー 「彼(ジェフ・チャンドラー)は、『折れた矢』の酋長がいちばんです」川本三郎 ともあれ、白人とインディアンの和平という重いテーマを描きながら、同時に映画としてもかなり上出来な作品だと思います。
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