Architecture Everyday!!+Fujiken

細々と続けて10周年。たぶん継続は力なり。コレを惰性ともいう。

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あぁ、気づいたら3連休も3日目にして21時をまわって…「明日からシゴトっすか…」と、ショボーン…
とはいえこの3連休、家事に在宅勤務に…という具合デス(汗)
ようやく折り返し地点に到達したのですが、常に常に授業・ジュギョー・JYUGYO…グルグルとその繰り返しというのは、どうにも精神衛生上よろしくないものです(汗)

ちょっとした息抜きに(鈍り防止のためでもある)ギターをやろうかと思えば、弦も切れるし…うぅ、最初の1年目はシカタナイ、コンナモンダ…なのだろう。

しかし、ブログの方がいつまでも「シカタナイ、コンナモンダ…」では困ってしまう。
正直に言えば「シカタナイ」で日々片づけているトコロも多いのはヤマヤマなのだけど、いつまでも「シカタナイ」じゃ、いつまでも「コンナモンダ…」も続いてしまうので

今日は決めた!!ちゃんと更新しよう。

…そうやって心をちゃんと固めないとまともにブログも更新できないとあるのは…んー、なんとも情けない限りですが(汗)

さて、記事を書こうと思って困るのは「何を題材にするか」
前にケンチクさんをショーカイしたときからもズイブン時間が経っていることもあって…なんともコッチは鈍り気味のようで…

アレコレ考えてみた末…決めた!!今日は「米子市公会堂」にしよう。
前々から考えることは考えていたのだ、このケンチクさんに関する講演が済んだ後にしようと。
ちょうど1週間が過ぎた後になって…思い出した次第です。
なんとも情けない限りではありませんか…(2度目)

イメージ 1

松江、安来から倉吉・鳥取にも通じる米子の中心部を通る国道9号線(京都‐下関間をつなぐらしい…初めて知った)、先ごろミステイクで2回目のショーカイをしてしまった「旧米子市庁舎(現米子市立山陰歴史館)」にもほど近いところにある「米子の文化の殿堂」と呼ばれている山陰地方を代表する文化ホールというのが…この「米子市公会堂」です。
設計は村野藤吾氏、1958年の完成でちょうど先頃御年50歳を迎えたケンチクさんです。

米子市政の30周年を記念して建設が計画され、その建設には「1世帯が毎日1円ずつ貯めて…」という市民の募金活動という協力の末、周囲の大いなる期待の下に完成したと聞いています。
…実のところ、まだまだ調べきれていないトコロが多く、こないだの講演でもこのあたりはゴニョゴニョと大いに濁してしまった点でして…地元の米子高専に勤めている身としては恥ずかしい限りです(うぉっ、3度目…)

こういうハナシは「群馬音楽センター」(A.レーモンド設計 http://blogs.yahoo.co.jp/t_marufuzy/34730586.html )でも聞いたことがある…今では「ハコモノ」とよく批判の対象になりがちですが、やはり時代というものなのでしょう。
そういう熱い思いを託され、設計を担った村野氏…米子市のとある有力者(名前を伏せているわけではなくて、知るところ実際にそう書かれている)が文化ホール建築の実績を買って白羽の矢を立てたと言われていて、その村野氏大変に気合を入れて設計したというように聞いています。

どう気合が入っているのか…それは村野氏自身が話した、書いたコトではなく、あくまでボクがこのケンチクさんに相接して感じとったコトの数々ですが…それはこの後にツラツラと…
ちなみに御覧いただいている写真はホールの正面出入口ですが…ん〜、実は第一印象はあんまりよくなかったんですよね。

村野氏にしては装飾的ともいえないし、なんかゴツゴツしていて…「らしくないナァ」

その「らしくない」。
このケンチクさんを見ていく上で重要なポイント、個人的にはそう解釈しています。

イメージ 2

交差点の角地から「米子市公会堂」を御覧いただいています。
右に見えるボリュームがホール部分…というか、ホール関連部分しか入ってなく、正面側へと伸びあがっていくあのボリュームの内部はそのままホール(客席)となっています。
つまり、ホール形状がそのまま外観の形状を採るに至っているワケです。

で、文化ホールといえば、もちろんホールだけで完結するわけではなく、事務所とか集会室とかギャラリーとかそういう諸施設も併せて必要になるのが通常で、多くの文化ホールはホールや諸施設を内包して一つの建物としてデザインするのが常套手段(だと思っています)。
で、この「米子市公会堂」の場合に、そういう部分を補っているのがホール左手側に伸びている直方体のボリューム、通称「管理棟」と呼ばれています。
ホール以外の諸施設を全て水平に伸びる「管理棟」に納め…実はココも何も知らない状態で「見学者」として見学した時は、造形的なボリュームに直方体のボリュームが刺さっている感じ、あまり見なれない…「なんかヘンテコな格好だナァ」。

しかし、この「管理棟」はそのまま街路へと延びていて出入口が設けれている。
つまり、交差点の角地を挟んでホール正面側に出入口、ホール出入口とは異なる観客の本来通らないトコロにもうひとつの出入口…要するに演者と観客の動線を完全に分断することが出来る。
「設計者の視点」に立った時、おぼろげながらそうしたことが見えてきて…実に合理的なよくできた動線計画だ…「ゴクリ」…と思ったものです。

イメージ 3

続いて御覧いただくのはホワイエです。
ホールの正面から入ると…という位置にあり、つまり正面側へ伸びあがっていくホール(客席)の真下にホワイエを納めてしまう格好を取っている。

「ウ、ウマい…」

本来こうした文化ホールでよくある設計はホールの手前に独立する格好でホワイエを設ける。
その結果ホワイエも内包してホールの外観が形成される(つまりホールの形状のままの外観にならない)。
実に合理的な設計されている。
確かにその分窮屈な面は否めないトコロもありますが、建物の配置計画といい、その設計は巧妙なのだ。
(ここに関して調べてみた限りでは「米子市公会堂」の前にはこうした設計になる文化ホールはないようで…ちなみにこないだ見学してきた「大崎市民会館(旧古川市民会館)/武基雄設計」も同様の手法を取っていました。)

また、正面側に伸びゆく梁、そしてそれを支える柱のダイナミックな架構も実に明快で心地よい。
…こうして考えてみると、この「米子市公会堂」で浮き彫りになってくるケンチクさんの魅力というのは、大体多くが合理的な設計とか巧みな動線計画とか、要するに純然たるモダニズム建築であることが見えてくる。

でも、コレがなかなかクセモノなのだ。
魅力が伝えづらい…建築関係者なら今挙げたコトを書き連ねるだけで「ナルホド、ナルホド」と理解いただけることも多いと思う。
そう、ケンチクさんをつくる側の心理で。

ただ、建築関係者以外にこの魅力を伝えるには…うぅ、実は結構ハードルが高いのだ。
一般にモダニズム建築は「イイヨ〜♪イイヨ〜♪」とよく聞くけど、その魅力がわかりにくい…実は度々耳にしてきた。
で、実際にボクも今回の講演ではその魅力を伝えなければならない、そのバトンが回ってきた。

結局、自分でも満足いくような説明はできなかったと思う。
カンタンなようでムズカシイ、モダニズム建築の魅力を伝えるその深淵を垣間見た気分だった。

イメージ 4

このケンチクさん、今まで御覧いただいてきたようにかなり特異な外観をしている。
ホール部分がそのまま外観へ結びついているというのがその理由ですが、そのモチーフとして長らく言われてきていることが「グランドピアノとブラジルのキリスト教会堂」のイメージなのだといいます(by村野藤吾)。

実はよ〜く見ると、建物後方の部分は外壁タイルの風合いが少々異なることがうかがえます。
これは、よりフレキシブルに舞台を活用していくために舞台上部を増設したことによるもので…古い「新建築」の写真を見ると、確かにあの部分がスッパリとカットされている。

想像してみてください…見えてきませんか?
グランドピアノのカタチに…

こうしてモチーフの「グランドピアノ」は解決したとして…ブラジルのキリスト教会堂は?
聞くところによれば、本作の設計を前にして南米に行き、そうした経験を踏まえてこのデザインを決めたと言われています。
ただ、気になっていたのは、どこがブラジルのキリスト教会堂?
ブラジルには、こんな感じのキリスト教会堂があるのだろうか…?
で、調べてみるもキリスト教会堂はキリスト教会堂。
ブラジルとはいえ、有名ドコロに限りますが、基本的には教会は教会。

色々考えた挙句、結局ケンチクさんの外形や造作の類から「教会」を見出すことは…できなかった。
ただ、気がかりなトコロはあって…それが先にもご覧いただいたホワイエ。
アソコには正面出入口上部に2階客席へのアプローチ用に通路が配されていて…研ぎ澄まされた合理的な設計空間は併せてストイックさの香る空間で…「はは〜ん、ここが教会か?教会なのか…?」

そんなことを講演でも同様に話しましたが…けど、ホントに教会との共通点は感じたんです。
ただし、文化ホールでは有り得ない人気の少ない状況に限るものでしょうから…ん〜、どうなんでしょう(汗)

(※全文が一度に掲載できなかったので久しぶりに前後編です)

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閉じる コメント(6)

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お久し振りです♪
竣工時のモノクロ写真(外観)を見ますと、やっぱRC打放しは力強いですね…内部も同じだったのかな?
「ピアノ・教会」と言われても、正直分かりませんね(^^ゞ
それより、客席部と舞台部の取り合いのデザイン処理(白っぽい二枚板のとこ)が粋でいいっすっ!(^^) 削除

2009/10/14(水) 午前 11:38 [ Kato ] 返信する

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コメントいつもありがとうございます!
内部(ホールは違うと察します)もおそらく打放しだったのではないでしょうか。

なお、1980年の増改修で最も手が加えられたのがホールでした。
そのためホールこそが新旧の「村野好み」が顕著に併存している空間で…もちろんそういう見方で見るということになりますが、興味深い空間になっているように思います。

米子にお越しの際はぜひ一見のほどを…

2009/10/15(木) 午後 10:56 [ まるふ ] 返信する

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「大崎市民会館」の設計が、それほど巧妙だったとは!!
外の三角形にばかり気を取られておりました… 削除

2009/10/17(土) 午前 2:12 [ 宮城県人 ] 返信する

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こちらでもコメントありがとうございます。
う〜ん、「大崎」の場合は巧妙かというと、あの造形に合わせるためにホールの足元にホワイエを突っ込んでいる印象があって、巧みさ…というよりやや強引な力技のような印象を受けています。
まぁ、外観も力強い外観ですはありますが…このケンチクさんもいずれはゴショーカイにあずかりたいですね(笑)

2009/10/18(日) 午後 11:37 [ まるふ ] 返信する

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こんにちは!トラックバックさせてもらいましたlancistaです。
詳しい講演資料をいただき、ネットでも検索をかけていたら、
コチラのブログに辿り着きました。
講演資料が表向きだとすれば このブログでは個人的思いも含めてあり
たいへん興味深く読ませていただきました。
引き続き 専門家の視点から 米子市公会堂の魅力を
広く市民&建築関係者に伝えていただきたいものです。 削除

2010/6/26(土) 午前 8:02 [ lancista ] 返信する

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コメントありがとうございます!!
コチラも見つけられてしまって…恐縮です。

公会堂については、いい方向に進んでくれれば…と思ってやまないのですが…
やれるだけのことは頑張りたいと思います!!ってことで(汗)

2010/6/29(火) 午前 1:23 [ まるふ ] 返信する

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