☆螺旋の階段☆

またまたリニューアル中です。

全体表示

[ リスト ]

〜たとえ彼女の妹が社会主義者と結婚していようとも、
 彼女の儚く、美しく、そして可憐な姿は、
 彼にとって、自分の任務のつらさを忘れられるかけがえのない存在であった。〜

彼女の最後の一言。
「私は、あなたの背中をいつも拝見しておりました。」
この言葉は、彼女の控えめな気持ちを語っていた。
こんな時代でなければ、堂々と「私もあなたのことが好きです。」と言えるだろう。
しかし、彼女からその言葉は言ってはならないもの。
彼の胸の勲章が嫌でも目に入る場所にあるから。

それからというもの、お互いの気持ちはわかっているのに、
口には出せない、もどかしい関係が続いた。

そして、3ヶ月が経とうとしていたある日、彼は上官に呼ばれた。
「あの女性は、止めなさい。」
ただ、その一言。
彼は、逆らえるはずがなかった。
「はっ!!」
ただ敬礼の姿勢を取ることしかできない彼。
気持ちは抑えることができないものの、口は動かない。
  彼女を愛している
どんなに心で叫んでも、口は動かない。
彼は、敬礼をしたまま、硬直した。

「なにか、あったのか!?」
立場の割には、軽い空気を匂わせ、東条英機が現れた。
「実は…」
上官が東条に言いにくそうに説明する。
東条のお気に入りの部下である彼の失態、東条の耳には入れたくなかったのだろう。

「私もだいたいの噂は聞いていたんだがね…。
 ところで、君は、どう思っているんだね?」
おおよその報告を受けた後、東条は彼に問いかけた。
この数十年後に伝えられている厳しい顔ではなく、にっこり笑って。


.
tiffa
tiffa
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事