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襲撃者に立ちはだかったのは、血まみれの斧を振りかざして、 仁王立ちとなっているキム・ユンソク! 武器がなければ、その辺に転がっているものを手に取り 襲い掛かるものに容赦なく、その物で脳天から打ち砕いていく。 薄暗い明かりの中で。ギラリと光る目が凄まじい。 韓国映画「哀しき獣」のバイオレンスシーンのヒトコマだ。 原題「黄海」(中国大陸と朝鮮半島に挟まれた海)からは 前述した場面は想像できない。まだ、邦題のほうが「獣」と つくだけにその連想を可能とする。 しかし、黄海を渡ってきた主人公は、中国と北朝鮮との国境に近い、 中国・延辺朝鮮自治州からやってきた朝鮮族。 借金のかたに韓国・ソウルでの殺人を依頼されたハ・ジュンウ。 依頼をしたのはキム・ヨンソク この二人の俳優が演じる登場人物と監督ナ・ホンジンが 快作「チェイサー」に続くコラボレーションで製作された映画が 「哀しき獣」だ。 ラグビー観戦で冷え切った体にムチ打って、東京では 唯一の上映館である新宿シネマートで、この映画を楽しんだ。 というか、体が冷え切っていて、温かい映画館に入ると、 どうしても睡魔が襲ってくる。この映画も起承転結で言えば、 「起」にあたる部分は御多分に洩れない。 更にちょっとわかりにくい人間関係。ふと気を失う瞬間が やってくる。しかしながら、主人公が殺人を犯す寸前から つまり「承」に入るところから、この映画はとてつもないジェット コースター感覚で観ている者を、猛スピードで追従させ始める。 とあるところで「映画が動き出した」という表現があったが まさにその通り。この動き出しが、たまらなくスリリング。 そこからはラストまで約1時間半の富士急ハイランド ジェットコースタの梯子をしたようなもの。 CGをどこまで用いているか不明だが、ドンチャン騒ぎの カーアクション。そのカーアクションを引き起こすのは 走って逃走するハ・ジュンウ。パトカーを巻き込み、 細い路地を巧みに利用し、とにかく走って走って逃げる。 追いまくるキム・ヨンソクも手加減無し、エンジン全開で 画面一杯にエネルギーを噴出させる。 アクションだけではない。キム・ヨンソクのキャラクター 設定がうますぎる。パパイヤ鈴木かと思わせる風貌だが、 銃を使わずに、体を張っての体当たりアクション。 この映画で勉強させてもらったが、朝鮮族と呼ばれる 中国籍の朝鮮人というのも視点がいい。 朝鮮族と韓国の関係をしっかり表現し、韓国の街の姿が あらゆるところで、小生のハートを震わせた。 いやいや、久し振りに映画を思いっきり「楽しむ」ことが 出来た。 これだけのドンチャン騒ぎ。落としどころはどうするのかと ラストまで小生を狂わせてくれた。 そして、このドラマの起因は痴情のもつれが生んだもので 殺人を請け負うハ・ジュンウも、出稼ぎで韓国へ渡った行方不明 の妻を捜すというシチュエーションが、むなしい黄海でのラスト シーンを生むことになる。 あっぱれ、韓国映画・・・日本映画も見習いたいものだ・・・ |

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私はまだ韓国の映画を1本も見ていないんですよ。上の映画、とても興味ありますが、果たして私は最後までこの映画の画面を見ていられるかしら、と思ってしまいます。
かといって、韓国映画の恋物語は見たくないですし・・・
2012/1/24(火) 午後 7:42 [ afuro_tomato ]
afuro tomatoさま
最後まで観れないと予想しました。観たいものを観ればよいと思います!
2012/1/25(水) 午前 11:01