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214、結局ドラマなのです
 
演劇:長い墓標の列
 
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 昨年と比較すると演劇と少し距離をおきはじめた
 それでも新国立劇場での上演作品は必ずチェックしている。
 今月は福田善之作『長い墓標の列』である。
 初演は1957年で早大・大隈講堂での上演で、5時間半の長き作品であったそうだ。
 今回はその一年後に大きく改訂されたもので休憩を含めて3時間10分。
 それでも会話の洪水だけで攻めまくるこの戯曲の5時間バージョンはかなりの苦痛であったと想像できる。
 物語は東京大学・河合栄次郎事件がモデルとなっている。
 この事件、わたしは全く頭になかったので、念のためネットで調べて観劇してみた。
 事件についての詳細な説明は会話の中で語られていくが、大筋は戦前から戦中にかけて大学を追放され、国家権力に言動を封印された主人公の苦悩と終焉が描かれる
 主人公の大学教授を演じたのが村田雄浩。
 この男優さん、ある時はおなべの役だったり、映画ではモスラと格闘したりと幅広い演技で何でもこなすという感じ。
 今回もこの悲劇の大学教授を見事に演じ切っていた。
 さて、この3時間のドラマ。
 台詞にはマルクス主義やなんたら主義とか難しい言葉が羅列されるが、ドラマ的には娘の恋愛だったり、弟子の裏切りとか、妻の献身的な姿や結構日常的な面白さで覆い尽くされている。
 大島渚の映画『日本の夜と霧』を思い出したくらいだ。あれも学生運動だけの映画ではなくかなりドラマチックなものだった。
 難しい言葉や聞きなれない言葉を耳にすると、それだけで嫌になってくるときもあるが、この演劇はその欠点はあまり感じなかった。
 結局ドラマなのです。
 福田作品は初めて観たが、遠い昔NHKの大河ドラマ『風と雲と虹と』のシナリオを手掛けている
 あのドラマは好きだった。加藤剛演じる平将門の一生であった。結構ヒューマニズム性の高い作品だった覚えがある。
 舞台美術で奥に大きなスロープがあり、上手から下手へ作られていた
 これが大学教授宅に通じる道を表しており、なぜか遠近を感じる見事なセットだったと思う。
 ステージの一番高いところまである巨大な本棚が4本で構成されたセットも印象深いものだった
 
『 長い墓標の列 』
作:福田善之
演出:宮田慶子
出演;村田雄浩
新国立劇場・小劇場
2013年3月15日金曜日 18:30開演
1幕:65分 休憩:15分 2幕:110分

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