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「あ、そう・・・」 その映画は外で吹き荒れる「台風」の荒々しさとは異なった空間を作った 台風が近づくというのに銀座まで映画を観にいった。 東京地区では銀座シネパトスでのみの上映となった映画「太陽」 このまま日本では公開されないのかと思ったが、やっと公開の運びとなった。 そして、銀座シネパトスの前にはご覧の行列。 この隠れた映画を知らない方も多いと思う よって珍しく作品紹介をしておこう この映画は「昭和天皇・ヒロヒト」の昭和20年を描いた作品である 日本映画ではない。ロシア・イタリア・フランス・スイスの合作である 2004年に製作されている 監督はアレクサンドロ・ソクーロフ。ロシア人である 出演はイッセー尾形(天皇)、桃井かおり(皇后)、佐野史郎(侍従長) ロバート・ドーソン(マッカーサー) 1時間55分・カラー作品である 映画は敗戦間近から「人間宣言」を行うまでの昭和天皇の非公式の姿を描いている その姿は想像できる姿でもあるし、滑稽な場面となって場内に失笑が起こる場面も多い しかし、そこには「神」と崇められた人間の悲しみがものの見事に描かれる 戦争責任のこと、犠牲になった国民に対する思いを自らの心に問いただし 疎開して長く会えない皇后や皇太子への家族愛が、感情豊かに語られるのである 「神」と崇められても「人」「人間」であることは間違いないのだ。 これらの表現にソクーロフ監督は閉ざされた空間の中でも、微妙な雑音や鶴の声で あえて違和感を形成し、その違和感が「人間」=「神」というアンバランスな世界を 演出しているようにも感じた 昭和天皇は園遊会等で招待客と話していると「あ、そう・・・」とよく 言っていた。その口癖がこの映画でも何度も出てくる。戦争を始めたときも 終わらせたときも「あ、そう・・・」だったことが事実であるかはわからない しかし、その軽々しい表現がこの映画では重みを出していた気がする。 ラストシーン。 皇后を演じた桃井かおりの素晴らしい目の演技でこの映画は終結する その目の中に「平和」への熱い情熱を垣間見たようだった。 桃井かおりの出演するシーンはわずかだが、最高の彼女を見た気がする 久し振りに武者震いする映画だった。 1年に2,3作品しか出会わない秀作であることは間違いない。 帰路、銀座でランチ 「海ごはん・銀座店」は松坂屋の裏(銀座5丁目)に位置する 「にぎりすし・うどん定食」¥1000は安くてうまかった うどんのだしも関西系で、小生の舌になじんだものであった |

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