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或る日、玄関先にツバメの子が落ちていた。
「ああ、また落下か」。
よく見かける光景である。大概、一瞬分からないくらい変わり果てた死体なのである。
しかし、どうもぴくぴくしている。
「ああ、まだ生きているのか。いっそのこと、引導を渡そうか
いやだなあ」などと思っているが。
首などを動かしていて、いや結構動いている。
また、更によく見るともがいているようにも見える。
「どうかなあ」ちょっと近づくと、結構動く。
案外元気である。3mの高さからコンクリートタタキに落ちたにしては元気である。
どうやら、大部育っていたので、羽でバタバタやったのかもしれない。
とにかく、巣にもどそう。
手では触れないので、移植ゴテを使う。
脚立を持ってきて、セット完了。
なんとか、すくうが、浅いので落ちそう。
巣に近づけて流し込もうとするが、相手が入る気がないので
バタバタやっている。
挙げ句の果てに、コテからはみ出して、片足がぶらぶらしている。
このままでは第二の落下である。
私は「えいやっ」とわしづかむと、
ちょうど、脇の下に手が入り、バタバタしている。
「もうダメ元だ」。前向きのまま、巣に押し込む。
奴は何があったのか、分からないまま、巣から尻を出し動かない。
でも落ちそうにないので、あとは運に任せる。
「人の臭いは付いただろなあ」。
こういう時の、親の底意地が気になる。
「もし、巣から突き落とされたりしても、運命と諦めてね。」
などと思いつつ、翌日。
巣から三つの頭が並んで出ている。足下には落下した死体はない。
どうやら、生還成功らしい。
いや、巣自体を親が放棄したのか。余談は許されないが。
(かといって、なすすべもない)
なんとか、うろちょろと親も飛んでいる。
なんとも運の良い話である。
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初めまして。そんなこともあるのですね。
2012/6/23(土) 午前 9:56
どうもです。確かに生還は奇跡でしょうね。
2012/6/23(土) 午前 10:10