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石森「野田総理大臣。今月7日東京電力福島第一原発を訪れて最も多くの核燃料が保管されている、4号機の原子炉建屋を、去年9月の就任以来、初めて視察しました。野田総理は原発や除染作業と、それから仮置き場を視察したあとに、復興再生の全ては除染だ。スピードアップしないといけない、と。言うんですが。今さら何をという感じがしてしまうんですけどもね」
小出「マンガの様な話ですね」
石森「本当ですよね。震災から1年半が過ぎても、復興予算も被災地以外で使われているという状況ですから、復興に政府が真剣に取り組んでいるとは思えないんですし、また、復興再生の全ては除染という総理の言葉にも引っかかります。小出先生は、総理の視察と、それからこの総理の言葉を、どのような思いで受け止められたんでしょうか」
小出「私は、元から政治にはまったく期待をしないというふうに、公言してきましたし、今度の野田さんの行為ということも、単なるパフォーマンスにしか見えませんし。全く、問題の深刻さというんでしょうか、何をしなければいけないということが、はじめから全くわかっていないという、そういう人だということが、私に改めてわかりました。」 石森「この復興再生の全ては除染だというふうに総理は言っておりましたけれども。小出先生は除染については、あの、否定的な見方をされてましたよね」
小出「そうです。除染というのは出来ないのです。除染というのは汚れを除くという意味ですけれども。放射性物質を除くことなんて出来ない、消すことは出来ないのです。ある場所にある放射性物質を別の場所に移すということは、できます。ですから、どうしてもその、この場所にあっては困るというものを移すという作業は、それなりに必要ですけれども。いずれにしても放射性物質、消すこと出来ませんので。除染、除染といったところで、結局は大した効果にならないのです。もともと。それがだから何か唯一1番大切なものというふうに言うのであれば、はじめから間違った考え方です」 石森「では先生、政府が、この問題に対して取り組むのに、1番大切なことは除染ではなければ何なのでしょうか。」
小出「まずはこれ以上の放射性物質の拡散を防がなければいけませんので。そのために4号機の中では現在も、沢山の労働者が被曝をしながら苦闘している、のです。野田さんが何分間か視察したそうですけれども」
吉田「5分でしょ、あれね」
石森「5分ですね」
吉田「すごい重装備で、で、あの方は収束宣言も撤回してないですよね、酷いですよね」
小出「はい。もう、日夜、今の時間だって、労働者たちが被曝をしながら、働いているわけで。もうすでに1年半以上、そういう苦闘が続いているのですね。その作業も、一体、放射性物質の本体、つまり溶けた炉心がどこにあるのかわからないという、そういう状態のもとで作業をしている、わけで。野田さんがあえて4号機の使用済み燃料プールに行ったということは、4号機の使用済み燃料プールの中にもまだ危機が残っていて、それをどうするのかということが、ま、東京電力、あるいは政府としても、問題があるということを認識しているから行ってるわけで。事故は収束など全くしていないのですね。そのことをまずは言わなくてはいけないと」 石森「ホントですよね。あの状況をみて、収束宣言を撤回しないっていうのはよくわかりませんけどもね。それから、政府の姿勢なんですけれども。それに関連しまして福島第一原発の事故を受けて建設を中止していたJ-POWER、電源開発の青森県にある大間原発をめぐっては、北村社長、J-POWERの北村社長が、今月1日に建設を再開したことを明らかにしました。まずこの大間原発なんですけども、これ国内で初めてとなるフルMOX燃料の原子力発電所ということですが、これは、ウラン燃料よりも不安定で危険だとも聞きました。」
小出「はい。もちろんそうですね」
石森「どうしてなんでしょう」
小出「これまでは、ウランという物質を、燃やして原子力発電に使ってきたわけです。ところが、そのウランという燃料を使って原子炉を運転してしまうと、どうしてもプルトニウムという物質ができてしまうのですね。不可避的にできてしまう。それを日本はこれまで、できてしまったプルトニウムを、高速増殖炉という原子炉で燃やすと、言って、日本の全体の原子力計画を進めてきました。ところがその高速増殖炉のまあ、実験炉というか、まだまだちいちゃな段階の、もんじゅという原子炉が、一向に動かない、のです。ですから、もんじゅ、高速増殖炉で使うといってきたプルトニウムが、使い道が無くなってしまって、大量に日本中に溜まってしまったという状況になりました。そしてそのプルトニウムというのは、長崎原爆の材料になった物質で。今現在日本が懐に入れているプルトニウムで、長崎型の原爆を作ろうとすると4000発もできてしまうと。そういう状況にまですでになってしまい、ました。そんな状況が国際的に許される道理もないので、日本としてはなんとしてもそのプルトニウムを燃やさなければいけないと。消してしまわなければいけないという、そういう状況になってしまいました。そのためにまあ、プルサーマルというバカげた計画もやらざるを得なくなって、きました。そのプルサーマルというのは、現在の原子力発電所、つまりウランを燃やすために設計された原子炉で、ウランではないプルトニウムという物質を燃やそうとしてしまう計画ですので、石油ストーブでガソリンを燃やすという、それに等しいような、無謀な計画なのです。それは余りにもまずいということで。プルトニウムを燃やすために設計した原子炉として、できたのが大間、です。ただしプルトニウムという物質は、ウランに比べると、数万倍、数十万倍も、生物毒性が高いという、そういう物質ですので、それを使うことはますます原子力発電所を危険なものにしてしまいます」 石森「はい。そもそも政府のエネルギー環境戦略では、原発の新増設はしない、という原則を明記していますよね。しかし、枝野経済産業大臣は、この大間原発など着工済みの2基については、建設続行を容認しています。これ、原発の危険性回避のための、その、まあ、エネルギー環境戦略なのに。一部を容認するというのはどう考えてもおかしいと思うんですが、先生はこれどうお考えになりますでしょうか」
小出「民主党のその原子力政策というものが、基本からきちっとしてないのですね。土台がないまま、あっちがこういった、こっちがこういったということで。グラグラぐらぐらあっちへ行ったりこっちへ行ったりしてきた。最終的には2030年『代』にゼロを目指すと言った、そのこと自身、私はずいぶん詐欺だと思うのですけれどもパブリックコメントを求めたときは2030年に、ゼロか15か25とか、訊いたのに。2030年『代』という1つの「代」という言葉をつけたことによって、2030年(※2039年)12月31日まで、というそういう期限にすり替えてしまったのですね。あっという間に10年間も鯖を読むというようなことにインチキなやり方をする」 吉田「むしろ詐欺だらけですね、ほんとにね」
小出「そのインチキな決定というのでしょうか、こうしますといった発表自身も、米国からの横槍が入ったら、ただちにもう、閣議決定すらできないということになってしまうという。民主党という政権の、基本の無さというのが露呈したのだと思います」
石森「今、民主党政権に関しまして、痛烈に批判なされましたけども。じゃあ、自民党ならどうなのかということなんですが。自民党の安倍総裁ら党幹部と経団連の米倉会長が、今月9日に懇談会を開きましたね。今おっしゃってた2030年代に原発ゼロを目指すという野田政権の方針について、これ無責任じゃないかという認識で一致したっていうんですね。安倍総裁は、野田政権の方針をこれ否定する形で、原発の比率は下げるが、30年代にゼロにする考え方はとらないと強調してるんです。一方昨日のニュースなんですけども。元・原発事故担当大臣で、今民主党の政調会長である細野さんは、次の衆議院選挙のマニフェストに、2030年代の原発ゼロ方針を明記すると。小出さんが今、詐欺だとおっしゃった。考えを強調しました。これもし自民党が政権を奪回したら、この30年代ゼロ、というのは撤回される可能性があると思うのですね」
小出「もちろんですね、はい」
石森「で、まあ、どっちなんだろうっていう話なんですけども」
吉田「どっちもダメだ」
石森「小出先生はですね、長いこと原子力の研究をされてきましたから、長期政権だった自民党の、原子力政策についてもご存知だと思うんですけども、もし自民党が政権を奪回したら、日本の原子力政策はどうなるとお考えでしょうか」
小出「もちろん2030年代にゼロにもならないで、どんどんどんどん続いていく事になると思います。」
石森「その一言。これをだから他に選択肢を、どうすればいいのかっていうことになってくると思うんですけど。民主も自民もあてにならないとすると、我々はどうすればいいんでしょうか」
小出「申し訳ないけどよくわかりません。なんか今は2大政党制とか言われてですね、自民にするのか民主にするのかという、そういう選択しか」
吉田「その2択じゃないよね、でもねー」
小出「はい。もう、あまりにもひどい選択で。」
吉田「でも一応言ってることは『国民の生活が第一』はそっちのあたりは、一応やるんであれば、民主党よりも程度がいいんじゃないですかね」
小出「ああ、もちろんそうですね」
吉田「小沢さんのとこのほうがね」
小出「はい。あの、どこまで本気かということは私にはわかりませんが」
吉田「はっきり。そりゃあ本気でやればね」
小出「はい」
石森「あのー、まあ、総理が苦心した収束宣言、これ、頭から信じるかた、多くはないと思うんですね。で、メディアは本来権力の監視役でなければいけないと、思うんで。この番組なんかはね、その…」
吉田「監視役でなきゃいけないんだけど。おかしいのは第3党である『国民の生活が第一』の情報を全く出さないという、今の新聞・テレビのありようは非常におかしいと思うよ」
小出「はい。そう思います」
石森「で、たしかにそのメディアのスタンスに差があると。で、じゃあ我々はどうしたらいいのかってことなんですが、一方でそのSNSとかツイッター上では色んな主義・主張が溢れてんですが。誰をフォローするかフォローの仕方で入ってくる情報も変わってきてしまうと思うんですね。おそらく人々は迷ったまま決めかねていて、怖いのは、人々が迷ったままよくわからなくなって、次第に関心を失っていく事だと思うんですが。小出先生、各地で講演を続けられていますけども震災発生以来、人々その、原発に対する受け止め方とか、関心の持ち方に変化というのは感じていますか」 小出「もちろんその、3.11があったということで、かなりの大きな変化が、起きたと私は思いますし。首相官邸前に」
吉田「そうですね、『金官デモ』(※毎週金曜日の官邸前デモ)なんていうのもね起こるようになったわけですし」
小出「はい、人々が自発的に集まってくる、というようなことも、ああ、こういう日本になったんだなあと私は大変感慨深く受け止めました。それでもやはり、持続するということは大変なことなので政治も全く変わらない。事故も収束しないでこのまま行くしかないということになると。もうこれを受け止めるしかないというふうな、雰囲気と言うんでしょうか。諦めと言うんでしょうか。そういうものが出てきてしまって、いると、みえますし、それもまた、やはり今の状況ではしかたのないことなんだろうなと、私は思います。残念ですけれども」 石森「そうするとやっぱり。関心だけはやっぱり持ち続けなければいけない。問題意識をこうやって持ち続けなければいけないってことでしょうね」小出「そう思います。」
内容文字おこし ざまあみやがれい!さん |
福島原発他 小出助教
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