明治〜大正時代に書かれた初期短編集。全ての物語は面白く、綺麗なイヤらしさが心地好い。…美は強、醜は弱。谷崎潤一郎の美意識全開である。…「刺青」〜江戸一番の刺青師、清吉。針を刺されて身悶えする姿に愉悦を感じる清吉の宿願は己の魂を彫り込むこと。それにふさわしい肌と容姿を持った女性を探し続けて16、7歳ぐらいだろう、探し求めた器量を持った娘と遂に出会う。一心不乱に女郎蜘蛛を彫り込むが!?…そんな物語。サドとマソヒズム、フェティシズム、エロティシズム。今はエロ、フェチ、S,Mなど簡略化されて会話に頻繁に使われるけれど、当時としてはかなりのアングラで下品な印象を持たれたんじゃないでしょうか?実際、かなり過激な様子を書いている。綺麗な文章と物語の面白さが、そのグロさを希薄にして耽美な世界へ昇華している感じ。…刺青、今はタトゥー。言葉によって随分印象が異なる。刺青の歴史に興味はない。町奉行の「遠山の金さん」はこれ見よがしの正義の刺青「桜吹雪」(カッコいい!?)ヤクザな人達の「覚悟の刺青」(怖い?入店お断り。これ見よがしのもたまにいる)現代のファッションとしてのタトゥー(ファッション?決意?自傷?)色々ある。…蝶を身に纏った女性がいた。…【続】
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