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一部のサッカーファンと、一部の映画ファン
以外まったく無視されるような映画だろう。
案の定、観客10人しかいなかった。
(おしい!もう一人で1チームになったのに)
ボク自身、監督がクストリッツァじゃなかったら
行かなかっただろう。
しかし、「アンダーグラウンド」の監督が
マラドーナを描くとただの伝記映画に
なるはずがない、という予感は裏切られなかった!
暗い原色と荒れた画像の印象と、
「マラドーナ教」のドキュメント、
マラドーナの発する言葉の中に二、三度
「…サングレ」という言葉が聞こえたことから、
「サンタ・サングレ」を連想させられた。
それほどマラドーナという人物は
アバンギャルドで、アナーキーで、破天荒で…
そして大きな哀しみと喪失感の中で
絶対的な空洞を抱えて生きている…
ゲバラとカストロの入れ墨を肌に入れ
ブッシュやグローバリズムに噛み付く姿は
サッカー選手という枠を完全に超えている。
メキシコW杯での神の手ゴールと5人抜きは
フォークランド紛争のあだを討とうとした
彼の精神が生み出したものなのだ!
もちろんクストリッツァが
ピストルズの「God Save The Queen」にのせて
描いてみせたマラドーナが、本人そのものだとは
思わないし、偉大な人だとも思わない。
ただ、社会の枠がない男のエキセントリックな姿と
その空洞は凄まじかった。
アルゼンチン監督になった今も
「お前らマスコミはいつまでもしゃぶってろ!」と
テレビ中継で自らの股間を握り締めて絶叫して、
FIFAから制裁を受けた男マラドーナ。
来年のワールドカップでいかに闘うか?
クストリッツァには是非続編を作ってほしい!
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