或るだいちゃんのブログ

読んだ本や行ったところ/思ったことの備忘録です。

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今週月曜日(10月15日)にノーベル経済学賞が発表されて、今年のノーベル賞受賞者がすべて明らかになりました。

さて、『アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす』(ジョージ・A・アカロフ、ロバート・J・シラー著、東洋経済新報社)の読後感想です。

著者の一人、アカロフ氏は2001年に「マーケットにおける情報の非対称性の分析」でノーベル賞を受賞した人です。

この本は、元の副題が"How Human Psychology Drives the Economy, and Why It matters for Global Capitalism"となっているとおり、通説的なマクロ経済学理論だけでは、現実の経済を説明しきれないとして、人々の心理的・精神的要因を考慮せよ、というものです。

具体的には、考慮すべき要因として安心、公正さ、腐敗、貨幣価値の錯覚などを指摘した上で、「なぜ不況が起こるのか」「なぜ失業が生じるのか」などの問題について、これら心理的要因を用いて説明しています。

一つ一つの話はなるほどと思わせるのですが、私のように古典的な経済学が分かっていない者よりは、ある程度経済学が頭に入っている人が読んだほうが、『目からウロコ!』ということになると思います。
私にはハードルの高い本でした。

「大発見」の思考法

 
山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
テレビでのインタビューなどの御様子を拝見すると、とても謙虚なコメントをなさっていますが、この数年間、有力候補としてリストに上がっていましたので、漸くこの時が来たかという感じがしました。

益川敏英教授(2009年ノーベル物理学賞受賞)と山中教授の対談本『「大発見」の思考法 iPS細胞 vs. 素粒子』(山中伸弥・益川敏英著、文春新書)を読みました。

私は、自然科学系の勉強は高校2年生の時でやめてしまいましたので、話の内容についていけるか心配でしたが、両教授がこの対談の中で語っている研究の「極意」は、我々普通のサラリーマンの世界でも適用できる話ばかりでとても興味深いものでした。
個人的備忘用として、本書から引用させていただきます。(表題は、私が勝手に付けました。)

【ネーミングは重要】
・「名前はとても大事ですね。これまでになかった新しい多能性幹細胞ですから、覚えやすく印象に残る名前にしないとだめだと思いました。(中略)「iPS細胞」と命名してから半年ほどあとに、アメリカの研究グループが、ほぼ同じことに成功して科学雑誌『Nature』に論文を発表したのですが、彼らはその論文の中で「iPS cell」という名前を使ってくれました。それで、この名前が定着したのです。」(山中教授)

【諦めることが重要】
・「僕は家で風呂につかりながら、「カッコ悪いけど、クォークが四種類あってもうまい理論は組み立てられません、という論文を書くことにしよう」と、心に決めたんです。(中略)そう決めて湯船から立ち上がった瞬間、「あっ!」と閃いた。「四つにこだわっていたからダメだったんだ。六つにしたらうまくいくじゃないか!」と。(中略)でも、それは偶然の閃きじゃないんだと思う。それまでに小林君と二人で、4元クォークモデルについてさんざん議論し、考え尽くしたから生まれた発想だと思う。」(益川教授)

【お風呂の効用】
・「机に向かっている時は、非常に細かい議論を積み重ねるような思考にはいいけれど、自由に枠を越えていくような発想がなかなか出来ない。お風呂やトイレなんかは、外から雑音が入ってこない状況の中に自分だけの世界があって、そこで自由に遊べるからインスピレーションが湧きやすいんじゃないかな。」(益川教授)

【科学疎外】
・「今のテレビは、外側のことはわかるけれど、中にどんな装置が入っていて、どういうしくみで動くのか、ほとんどの人にはわからない。ブラックボックス化しているわけです。皮肉なことに、科学が発展すればするほど、科学的な事柄が人々の生活から乖離していく、よそよそしくなっていくんですね。僕はこのことを「科学疎外」と呼んでいるんだけど。」(益川教授)

【基本は国語力】
・「科学の基本は国語ですよ。何にしてもすべて文章の言葉から入ってくる。読んでその世界が頭に思い浮かべられるかどうか。その力があれば、理解していける。そのあとは、吸収した知識を頭の中で思い描いて発展させていけるかどうか。数学は「計算するもの」というイメージがあるかもしれないけど、数式は基本的には言葉なんです。数式とは「かくかく、しかじかの関係がある」とか、「○○という事実を表している」ということを語っていて、そういうことを組み合わせて発展させていけば、答えになる。だから言葉が大事なんです。」(益川教授)

【仲間との自由闊達な議論が大切】
・「何か疑問が生じたとき、先生に質問すれば、すぐに正しい答えが返ってくるけれど、そこで議論は終わってしまう。でも、仲間同士でディスカッションすれば、答えが縦横に広がっていく。その過程で、それまで気づかなかった新しい発見をすることもある。」(益川教授)

【一歩踏み出す】
・「益川先生は(中略)進路などへの迷いを「フラフラ」と表現され、いろいろなことに憧れを持つのは良いことだと「迷い」を肯定していらっしゃる。」(山中教授)
・「だって、憧れを見つけなければ何も始まらないもの。(中略)憧れを見つけたら、ドン・キホーテのように一歩を踏み出すことが大事。じっとしていてもロマンは絶対にやってこない。迷ったり、壁にぶつかったりしながらも、実際に動きだしてしまえば憧れはロマンに変わる。」(益川教授)

【偶然を運命に変える】
・「自分の中では、その時々の研究結果から興味の対象がどんどん変わっていき、それに従って行動しているのですが、フラフラしているようにしか見えなかったかもしれませんね。研究結果は予測できませんし、偶然に左右されたところも大きいです。」(山中教授)
・「(前略)偶然から始めたことが、「ああ、俺はこのテーマに出会う運命だったのかもしれない」と、必然のように思える時が、人間にはあるんですよ。偶然の出会いを運命に変えられるかどうか、それは本人次第。」(益川教授)

【世界を相手にする】
・「基礎研究を始めて何より新鮮だったのは、先輩の先生方から、「世界が相手だと考えろ」と言われたことです。「我々のやっていることは、小さいことかもしれない。だが、世界の誰かが同じようなことをやっている。だから我々は、世界を相手に競争しているんだよ」と。」(山中教授)

【予想は外れる】
・「自分が予想していないことが起こったほうが、科学者としては当然、面白い。そこで大事なのは、「この予想外の結果は、いったい何なのだろう」と考えることです。そこから全てが始まる。ガッカリ落ち込んでいたらそこでおしまい。」(益川教授)

【自然は奥深い】
・「人間というのは、常に既成概念の中でものごとを考えている。人間の考えることなんかより、ずっと自然のほうが奥深いんです。」(益川教授)

【一人ではできない】
・「京大のiPS細胞研究所は、人数的にはまだ目は行き届くのですが、データの量という点では(中略)すでにまったく目が行き届かなくなっています。「何もかも一人ではできないんだ」ということを、早く悟ることが重要だ、という気がしています。」(山中教授)

【若い人のアイデアを大事にする】
・「私が常に心がけているのは、いかに若い人達のアイデアの邪魔をしないか、ということです。若い人達が出してきたアイデアに対して、「そんなの面白くないよ」とか、「本当にできるの?」とか言ってしまったら、そこでおしまいですから。」(山中教授)

【単なる勝ち負けではない】
・「アメリカは(中略)お金も人材も桁違いに豊富です。われわれは、アイデアと創意工夫で対抗していくしかありません。でも、これは単なる勝ち負けの問題ではないと思っています。全体の研究が進む中で日本もしっかり貢献する。それで全体がハッピーになることが大切です。(中略)大事なのは、少しでも多くの知的財産を生み出すことで、欧米に対する競争意識を保ち、その競争意識を研究の促進につなげていくことです。」(山中教授)

【プレゼン力が重要】
・「科学者が成功するためには、良い実験をすることだけでなく、いかにしてその実験データをきちんと伝えるかという「プレゼンテーション力」にかかっている、というのが私の持論です。自分の持っているデータや研究成果を、いかにして発信するかということが大切なのです。」(山中教授)

【目標は高く、行動は着実に】
・「「眼高手低」。この言葉は本来、「評論はうまいけど実作はヘタだ」という意味なんだけど、学生時代にある数学の先生が、「科学者として目標は高く置きなさい。しかし、着実にできることから一つ一つ積み上げていきなさい」と解釈されていたんです。僕はこの言葉が好きでね。」(益川教授)

【目標を常に検証】
・「「自分の目標はこれだ」と設定したら、それを常に意識し、自分がその目標に少しでも近づいているのかチェックしなければいけない。また、そもそもその目標は正しいものなのかも、常に検証していかなければいけません。間違いに気付いた時は、どの時点から間違ったのかということをきちんと検証し、それを常に反芻する必要があります。」(益川教授)
 
 
イメージ 1
(写真は、ノーベル賞受賞者が授賞式の際に宿泊するグランドホテルを数年前に撮影したものです。)


新聞報道について ケータイ投稿記事

新しい仕事の関係で、毎朝、朝刊数紙に目を通してから出勤するようになりました。

改めて、どの新聞もある意味では「金太郎飴」のような記事が多いことに気付きました。せいぜい、たまに、褒めるか貶すかの違いがあるぐらいです。

偶然読んだ書評にひかれて、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(マーティン・ファクラー著、双葉新書)を読みました。

著者は、アメリカ人ジャーナリストで、米紙ニューヨーク・タイムズの記者として東日本大震災を報じました。
そういう彼(私と同世代でもあります)が、日本での長い取材経験をもとに、日本の新聞報道のあり方を論じたのが、本書です。

ファクラー氏が指摘する日本の新聞の問題点としては、次のようなものがあります。

1.記者クラブ制度。情報源である官僚やスポンサーである大企業等に対する批判精神を失い、プレスリリースを「大本営発表」するだけ。しかも、外国メディア等に対しては排他的。

2.オンレコ・オフレコの基準が不適切。情報源を匿名にすることが多すぎて、読者は記事の真否を判断できない。

3.報道は、本来、記者の主観の産物。日本の「客観報道」は神話。誤報を出したときの訂正記事も、日本は不十分。

4.日本の記者はサラリーマン。有名大卒のエリートばかりで、権力側と似たような価値観を持っている。

5.日本の新聞は正社員の記事ばかり掲載している。契約記者、フリーランス記者を活用しておらず、多様性に乏しい。

6.日本の新聞は、新しいインターネットメディアの活用が不十分。新聞は、「紙からネット」「無料から有料」というのが世界の潮流。

こうした問題意識に基づき、ファクラー氏は、馴れ合いから脱却して権力に対する監視機能を果たすこと、地方紙の特色ある記事を活かすこと、インターネット(ソーシャルメディア)の活用、踏み込んだ取材をしてオリジナルの記事を発表するようなオンリーワンメディアへの転換などを提言しています。

本書は、私がぼんやりと感じていた日本の新聞に対する疑問について、アメリカの報道現場との対比で裏付けていただいたような気がしました。

続 地方自治を学ぶ ケータイ投稿記事

涼しくなりました。
仕事が変わって、①帰宅時間が早まり早寝早起きになった、②勤務時間中はほとんど座りっぱなし、③忙しくないけれどずっと緊張続き、などの変化がありました。
マイペースをつかむまではもう少し時間がかかりそうな気がします。

『暴走する地方自治』(田村秀著、ちくま新書)の読後感想です。
内容は、題名のとおりなのですが、各地の「改革派」首長と「地域主権」批判の書です。
批判の的となっているのは、
・橋下徹大阪市長の大阪都構想
・河村たかし名古屋市長と大村秀章愛知県知事の中京都構想
・泉田裕彦新潟県知事と篠田昭新潟市長の新潟州構想
・都市博中止以外に実績が乏しかった青島幸男東京都知事
・新銀行東京、築地市場移転問題等で迷走する石原慎太郎東京都知事
・強制わいせつで辞職をした横山ノック大阪府知事
・非核港湾条例で国に反旗を翻した橋本大二郎高知県知事
・不祥事で辞任した土屋義彦埼玉県知事
・県議会と対立した田中康夫長野県知事
・宮崎県を政治的野心の踏み台にした東国原英夫宮崎県知事
・唐突に辞任した中田宏横浜市長
・市議会と対立、住民からリコールされた竹原信一阿久根市長
・市政と無関係な個人の主張(自衛隊のイラク撤退等)を市HPで宣伝する小池清彦加茂市長
など、数々の具体例が挙げられています。

また、著者は、細川護煕首相以降、政府が進めてきた地方分権・地域主権改革に対しても、
・非現実的な内容があること
・国と地方の対立、都市と地方の対立を煽るなど、国のあり方として問題なしとしないこと
・国政混迷のあだ花という面があること
・住民の声を活かす(住民自治)という視点に欠ける面があること
などを指摘し、かなり懐疑的です。

そのうえで、地方自治の暴走を止めるため、①首長の任期制限、②地方議会のあり方(権限拡充、情報公開など)、③地方自治体での議院内閣制導入(憲法改正)、④住民のチェック強化(リコール要件緩和)、⑤マスコミのあり方(首長の「改革」をしっかり検証すべき)、⑥参議院改革(国政を安定化)、などを提言しています。

東京生まれ東京育ちの私ですが、東京一極集中と地方の疲弊・衰退は、日本の暮らしにくさ・生きにくさを招く大きな原因の一つだと思います。
橋下市長がもてはやされるのも、大阪ないしは関西の地盤地下に対する危機感が根っこにあるような気がします。逆に、東京のほうだって、決して住みやすい街にはなっていないのです。

本書が指摘する地方自治の暴走は確かに問題なのですが、逆に、暴走でもしなければ衰退する一方という地方をいかに活性化するのかということを考えなければならないと思いますし、多分、そのほうが「いじめ」とか、「虐待」とか、「自殺」とか、この国に広まっている嫌なことを減らす方向に向かわせるのではないかと考えます。


地方自治を学ぶ ケータイ投稿記事

新しい職場に来て2週間が過ぎましたが、いまだに緊張の毎日です。仕事量が多いわけではないので、早く環境に慣れて、自分なりのペースを掴みたいものです。

『都知事 権力と都政』(佐々木信夫著、中公新書)を読みました。

最近、大阪維新の会の国政進出が騒がれたり、愛知県知事と名古屋市長の確執が報じられたりするなど、地方自治体の首長が頻繁にニュースに登場するのを見て、なぜだろうと疑問に思ったのがきっかけです。
考えてみると、自分に最も身近な東京都庁のことすら、あまりよく知らないということに今さらながら気付き、まずは入門書としてこの本を読むことにしました。

戦後都政の歴史や、都の財政・人事制度など、コンパクトに整理されていて、広く浅く全体像を知るにはちょうど良い本でした。

私が生まれてから、都知事って5人しかいなかったんですね(東、美濃部、鈴木、青島、石原)。これだけでも驚きました。因みに、首相は、佐藤栄作から野田佳彦まで24人もいます。

これから少し地方問題関係の本を読んでいこうと思います。

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