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時は平成22年12月21日。 千葉県某簡易裁判所第4号法廷。 
開廷時間は午後2時。
 
 
まず最初に裁判官殿から少額訴訟の確認が行われた。 この時点で「はい」と答えると、この話題で通常裁判は出来なくなる。 
異議申し立てと言うのは出来るのだそうだが、同じ裁判官が同じ証拠でやるので、実際には書き間違いなどの不備を訂正してもらえる機会に過ぎないらしい。 
このときの裁判官殿の説明は、いかにも何度もやっていて面倒くさいといわんばかりで、何かゴニョゴニョ言っていて我輩には余り良く理解出来なかった。
実は主人もひとつ誤解していた事があった。 裁判の終盤と言うか、判決が出る段になって通常裁判への移行が出来ると思っていたのだ。
しかし、この段階で主人も原告も了承してしまったので、もう通常裁判は出来なくなったのだが、それを主人が認識したのは随分と後の事だったのである。 
お生憎様と言うしかない。 我輩もわかっていなかったので、主人にアドバイスも出来なかった。
 
 
 
後に判明するのだが、少額裁判は通常裁判の小型版と言うよりは単に『裁判みたいなもん』と言う感じであった。 
しかも、話題が敷金問題と来ればもう何度も行われているはずで、結果も最初から裁判所側にはある程度は見えているのだろう。 
だから、良く有る話と違う点は無いかどうかを確認するだけで、特に問題が無ければすぐに和解と言う形を取らせるようだ。 

裁判官殿はなんだか早く切り上げてしまおうと言う態度に我輩には見えた。 
なぜかと言うと、度々「まぁ、それは良いですが・・・ 」と言って話を終わらせてしまうのだ。 主人の思惑に沿った話になってきて、「よしっ、そこをもっと責めろ」と思うような展開になっても、裁判官殿はすぐに話しを終わらせてしまうのである。
なにやら、思わず突っ込みを入れてしまって、あわてて元に戻しているかのようだった。 
こんな調子なので、白黒はっきりさせたかったら通常裁判に移行した方が良さそうだと吾輩は猫ながら思った。 
 
しかしそんな事、裁判初体験の主人にはわからないので、「はい」と答えてしまったのである。 


ネット上での体験記を読むと、裁判官が訴状を読み上げると言うのが有るが、この裁判ではそんな事は全然やらずにいきなり証拠の確認に入った。 
裁判官が原告の用意した証拠を一つ一つ見て、その説明をさせたり質問したりするわけである。 
その順番は原告が用意した証拠の順番なので、必ずしも適切な順番であるとは限らない。 話があっち行ったりこっち行ったりする。 
 
まず裁判官殿が確認したのは、「契約書の説明は誰がしたのか」と言う点であった。
そこで初めてわかったのだが、契約の時に主人に説明した御仁、なんと社員ではなかった。 この会社が使っている内装会社の社員だったのだ。 
宅地建物取引主任者だからだと言っていたが、まさか社員じゃないとは思わなかったと驚きやらあきれるやらの主人であった。 
なんとなく名刺もらった気がする主人であった。 そこには課長だか部長だかと書いてあった気もする。 随分お偉いさんが出てきたなと思った記憶が有る主人であったが、どうやら定かではないようだ。 
 
裁判官はそれを確認しただけで何も言わないところを見ると、別に違法ではないのだろうか。 
 
次に確約書と言うやつに判を押したか。 説明は受けたか。 納得したのかと主人は聞かれていた。 
確かに判も押したし説明も受けた。 と言うか、書類を読んで聞かされただけであっ
て、当時は主人、ほとんど知識が無いから、それに関して適当なのかどうか、なんとも言いようが無かったと言うのが実情である。
大概そんなものではないだろうか。 それこそ、敷金などの問題に関してトラブルを起こした事のある者でなければわざわざ調べもしないだろう。
  
アパート借りるのは20年ぶりだったのだが、今はこんなしちめんどくさい事しなきゃならないのかと思った主人であった。 
その時は、「よっぽど色々トラブルが起きて大変なんだろうな。」と同情すらした主人であった。 
 
嗚呼、恐ろしきは無知なるかなである。

納得したかと言われると答えに窮する主人である。 納得なんかするはずが無い。
しかし納得した振りをしなければ貸してもらえないのだから仕方なくだと、主人は言おうとしたのだが、「大体言いたい事はわかります。」と裁判官に遮られてしまった。皆、言う事は同じなのだろうか。 
 
次に裁判官殿は原告にタイル・カーペットの構造について質問した。 
それがどんな意味を持つのかは主人にも我輩にも不明である。 
これは我輩の想像であるが、土台の上に貼り付けて有る様な構造で、破損したのがそのカーペット部分だけなら賃貸人の負担。 
土台部分にまで及んでいるのなら賃借人の負担となるのではなかろうか。
 
次に裁判官殿は、契約書にカーペットと言う記述がないと言う事を指摘した。 
契約書にないのに訴状にいきなり出てくると。 
社長、しどろもどろで返答できない。 さっきから何かと言うと後ろに座っているメスが口を出す。 弁護士か何かかと思ったら、単に会社の事務員なのだそうだ。
要するに原告は社長なのだが、細かい事が全然わからないのである。
 
裁判官殿、たまらず横に座るように指示。
席を移った事務員、さきほどの質問に対して「〜等に入ると思います。」と答えた。 
裁判官殿、「それはそちらの勝手な解釈ですよぉ。」と一蹴した。 
 
次に第2の請求書に添付されている見積書について。 
ここで主人は答弁書に日付の違いについて記述したのだが、裁判官殿は全くそれについては聞きもしなかった。 
気がついているのかどうかすらもわからない。 どうでも良い事なのだろうか。 
裁判官殿は、そこに書かれている内容が部屋全体に対してのものかを確認した。 
原告はそうだと答え、トイレが一番ひどかったと言った。 
そこで裁判官殿から主人は、「トイレで吸ってたんですか?」と聞かれたので、「吸った事は有りません。 別にそんなところで隠れて吸う必要が無いので。」と答えた。 
 
これについては全く原告の意図が不明である。 トイレも洗面台も風呂も台所も、主人はピッカピカに磨き上げたのだからそんなに汚いはずが無い。 
本当にトイレにヤニ汚れが着いていたとは我輩にも思えない。
 
 
また裁判が始まる際、追加の証拠として部屋の見取り図が渡されたのだが、そこにベランダが無いと言う話が出た。 
なにかの話の中で裁判官殿が、「だってベランダ無いんでしょ?」と言った。 
喫煙者が部屋の中でタバコを吸うのは当たり前。 ベランダに出て吸うくらいなら良いが、『台所の換気扇の下で吸え』等と言うのは無理が有ると言う判断があるのかと我輩は思った。 
 
しかし、話しはすぐに次に行ってしまうのだ。 その辺もっと突っ込んで欲しいのだが、この訴訟の本題がそこに有る訳ではないからか、すぐに話を止めてしまうのだ。 
 
 
次に『特殊清掃費』とその人件費についての話に移行した。 
主人、勘違いしていたのだが、この「特殊清掃」と修繕とは全然別物らしい。 
裁判官殿が内容を質問し、原告の社長が説明してようやくわかった。 
社長の息子と請負の人が二人で清掃したらしい。 壁紙などを張り替えろと言ったのはこの息子である。

タバコの汚れがひどいので、サッシの汚れを落とすのに一週間かかったのだそうだ。 薬品を使うと色が変わるので水でやったのだとか。 
『馬鹿言うな。 あんなもん、クレンザーでこすれば落ちるよ。 わかってたけど時間が無くてやらなかったんだ。』と心の中で思う主人。
 
 
その人件費の説明を受けて我輩も主人も驚いた。 裁判官殿も驚いた。
 
そもそも、その書類の書き方がが意味不明だったのだが、社長の息子の時給が15000円で5時間。 請負が自給800円で12時間。 計159600円と言う計算。 
何ゆえ息子の時給がそんなに高いのかと裁判官殿が尋ねる。 するとバカ社長、
 
「年収が2千万くらいなんですよ。 そこから計算したんです。」
 
と答えた。
 
思わず裁判官殿、「そんな高給取りにやらせなくても・・・」と言うが、それ以上の突っ込みはなかった。 
あきれてものが言えない。 どっちの態度にも。 
 
 
バカ社長は盛んと汚れを落とすのが大変だ大変だと言うが、その程度を示す証拠は何も無い。 
裁判官殿、
「あのねぇ、少なくとも裁判起こすからには写真くらい用意してくれなきゃ・・・」と言う。 
失笑である。
 
 
さて主人に対しての質問であるが、その中で予想外だったのだが、喫煙の本数と部屋に居る時間を聞かれた事であった。 
それで頻度を見て汚れ具合を計ろうと言うのだろうか。 
主人は一日一箱以下で、大体6時過ぎから2時くらいまでと答えた。 
それで裁判官殿がどう思ったのかも不明である。 何がどうなったのか、今のところ全て不明である。
 
 
更に壁と天井の汚れに関して、主人は見取り図を見ながら説明させられた。 
主人が汚してしまったのは確かだと言っているからだ。 
主人は部屋の角に本棚を置いていて、その上にタバコ用の空気清浄機を置いていたのだ。 ところがヤニを取りきれていなかったものだから、排気があたり続けていた部分が黒くなってしまったのである。 
それを説明する主人。 
 
部屋の汚れに関しての話をすると原告の社長は、臭いがひどかったと何度も強調していた。 その度に裁判官殿からその話はしてないと怒られていた。 
しかしついに、「臭いに関してはどこにも触れてないじゃないですか。」と言われていた。 
 
ここは喫煙者にとって重要な部分であろうと我輩思う。 原告の失敗でも有る訳だが、契約書にもどこにも出てこない臭いに関して言っても裁判では通らないらしい。 
 
それでも何度も食い下がる原告。 裁判官、ついに
「ここにも書いてあるけど、だったら禁煙にすれば良いじゃないですか。 わかってるんでしょ?」
と言った。 
裁判官が主人の書いた答弁書について触れたのは後にも先にもここだけだった。


さて、次の話が実は今回最も重要な部分であった。 これは主人自身、気がつかなかった事で、最初から知っていれば事態は大きく変わっていたに違いないのである。 
ひょっとすると、最初から相手にぐうの音も出ない様な返答が出来たかも知れないのだ。 
 
まさに無知は罪なりである。 
 

訴状にも答弁書にも立会いの事は出てこない。 主人にも知識が無かったし、向こうにも無かったのかあるいは意識的に避けたのか。 
 
裁判官殿が立会いについて原告に尋ねた。 すると原告は意外な事を言い始めたのである。 
 
「汚れに関してはそれほどでもないと思ったと言う。 それよりなにより臭いがひどかった。 カーペットに一部破損があったが、そんなものは別にどうでも良いと思った。」 
 
ここで裁判官殿がなんて言ったのか、我輩ちょっと記憶が無いのだが、立会いの仕方についてたずねたと思う。 すると原告は、「いや・・・、チェック・リスト持って・・・」とゴニョゴニョ。

『そんなもん持って無かっただろがっ!』と心の中で突っ込む主人。 
 
なんと立会いの時、あの社長は大して問題があるとは思ってなかったらしいのだ。 張替えの必要ありとしたのは息子だったのである! 
清掃時の作業日報にその書き込みがある。 その所為で全面張替えになったらしいのだ。
 
 
嗚呼、なんと言う事であろうか。 ここでもっとちゃんとやっていれば良かったのである。 まさかこんなに争う事になろうとは思わなかったものだから・・・と嘆く主人であった。

しかし、敷金問題に詳しいと言う行政書士、司法書士会が開く無料相談、市が開いている無料法律相談、その他メールでの無料相談と色々やった主人であったが、誰ひとりこの事を指摘した者は居なかった。 
誰か一言言ってくれれば、答弁書に立会いの際に何も言われなかったと書けたのに・・・とまたまた嘆く主人。 
 
これこそまさに「後の祭」である。 
 



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