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それは今年の2月の2日の事であった。
毎度の定期健診から戻った主人、なにやら気落ちのご様子である。 さては血糖値の具合が悪かったのかと思ったら、その事ではないらしい。
主人は帰るなりPCを立ち上げ、インターネットでなにやら検索を始めた。
その御題は「心臓カテーテル」であった。
我輩はこんなもの聞いた事も食べた事も無いのであるが、主人が色々と調べているものを眺めていて何となく理解できた。 つまりは或る治療法のようだ。
なんでも血管に管を刺し、そこに細い針金の様な物を通していく。 くねくねと曲がった血管を器用に通していけるものなのかと思ったが、これが意外にも出来る様なのだ。
そんな物が我輩の体を巡っていくかと想像しただけであちこち痒くなる。 思わず無闇に毛か逆立つし、前足の爪が『にゅっ』と出てしまう。
その針金が何のまじないになるのかと言うと、詰まりかけた血管に風船を持っていくのだそうだ。 そして詰まった所で膨らませ、その跡に『ステント』と言う金属部品を置いていくらしい。 するとすぼまった血管が元通りの径になると言う寸法である。
なんだか随分と安易な発想に我輩には思える。 第一、血管に何かが詰まったのなら、それをまず掃除するが良かろう。 その上で補強の意味で何か施すと言うのならわかるが、何もせずに強引に押し広げたりして大丈夫なのだろうか。 血管が破裂するなどと言う事にならないものなのか。
まぁ、どうせ人間共が暇に任せて始めたものだろうからろくなものではあるまい。 どの道、我輩が関わる事になろうとは考えにくいので、血管が破裂しようがふん詰まりになろうが知った事ではない。
しかし、主人にとってはそうでもないらしく、やけに熱心に見ている。 解説のサイトだけでは足らないらしく、その体験記までいくつか読んだようだ。
そして大きなため息までついている。 これはちと尋常ではない。
実は主人、去年の12月にやった心エコー検査で、「心臓の動きが悪い」と言われてしまったのである。
この検査は毎年やっているもので、常々、この検査で『左心房が大きくなるようだったら治療の必要がある。』て言われているのである。
しかし、今まではずっとお咎め無しに済んでいた。 それが思わぬ事を言われて驚いたと訳である。
主人には不整脈と言うものがある。 詳しく言うと『心房細動による期外収縮』とか言うらしい。 つまり、鼓動のリズムが乱れるのである。
これは何もしなくても勝手に突然起きる。 起きるきっかけと言うものが存在しない。 あれをすればとか、これをやるととか言うものが有れば対処のしようもあるのだが、何もしていないのに起こってしまうので始末が悪い。
しかしだからと言って大概はなんともない。 ただそうなると言うだけで痛くも苦しくも無い。 ただ気色悪いだけである。
しかしこれが『動悸』となると話は別だ。 長く続くと『血栓』と言う血の塊が出来る。
これが脳に行ったりすると「脳梗塞」となり、ヘタをすれば一貫の終わりである。
ま、死に方とすれば楽な方だなと主人などは考えているようだが、やはり好ましくない事には違いは無い。 出来れば起きて欲しくないのである。
主人はこれに一度見舞われた事が有る。 それで今通っている病院に行く羽目になり、そこで糖尿病が発覚し、2ヶ月に一度の通院を余儀なくさせられていると言うわけである。
7年もの間通い続けている主人であるが、それまで薬をもらいに行くだけで、それ以外何も無かった。
70歳以上にもなれば色々問題が起きてくるだろうと言われてはいたのだが、それまではこのままだろうと思っていた主人である。
だから医者から言われた一言がとてもショックだったのである。 それは糖尿病を宣告された時のショックに近かった。 いや、もっと大きかったかも知れない。
主人、医者に「11月くらいに心筋梗塞を起こしたかも知れない。」と言われてしまったのだ。
それだけでも十分にショックだった主人に医者は更に追い討ちをかける。
「心臓カテーテルで検査しましょう。」と。
主人は医者のドラマが好きなので、この治療法について知ってはいた。
不整脈の治療法に、『カテーテル・アブレーション』と言うものがあるそうだ。 これはカテーテルで、悪い場所を焼いてしまうと言うものらしい。
しかし、主人の場合、その切迫性と手術の成功率や値段などのバランスを考えると、まだやる必要は無いだろうと言われていたのだ。
だから、カテーテルの事は良く知っていたし、それをやると言う事を想像してみたりもした。 しかし、まさか血管の拡張をやる事になるなどとは全く思っても見なかったのである。
医者はやる気十分で、「15日に予約入れときます。」と勝手にひとりで盛り上がっている。 後で知った事なのだが、この医者、専門がカテーテルなのだ。 どうりでやりたがるわけだ。
この病院はこの治療を随分とやっているそうで、ついには専門のチームを作ったのだそうだ。 症例は確かなようだ。
だからと言って、「はい、そうですか。」などとはとても言えない主人。 すっかり考え込んでしまっている。 うなだれて考えれば詰まった血管が開通するとでも言うのなら別だが、相手はそんな軟なものでは無さそうだ。
そんな主人を哀れと思ったのか、「ま、ご家族と相談してみてください。 いきなり心筋梗塞を起こしたなんて言ったら奥さんも驚くでしょうけど。」と助け舟を出す担当医。
「いや、私、独りなんで・・・。」と言う主人。
「あ、そうなんですか。 え・・・っと、ご家族は・・・?」
「えー、一応まだ両親は健在なんですが。」
担当医、ま、なんでもいいんだけどさ、と言う顔をしている。 所詮は他人事である。
「じゃ、ゆっくり相談してみてください。 で、来週決めましょう。」と、いう話で終わった次第である。
さて、医者の言う様にするか。 大変ビビリの主人がどうするか。
我輩、一応飼い猫としては気になるところである。
に、にゃあ〜
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随分とお久しぶりでございます。何を隠そう
私も昨年の夏、心筋梗塞で救急車&手術と
なりまして、ステント入の身体となりました。
運良く安静時でしたので間に合いましたが、
昼間の活動時期ですと危なかったです。
手術は意外と簡単で何とも無いのですが、
発作はトラウマになりそうな程、苦しかった
です。早めに手術される事をお薦めします。
2012/4/2(月) 午前 0:29 [ ZUMA ]
お久しぶりです。あれからギター作りは停滞してしまい、ここに書き込むことがなくなっていました。
楽しい話題ではないのですが、同じ境遇の方の少しでも参考になればと書く事にしました。
手術はしました。 なんとステントが4本も入ってしまいました。 しかしその甲斐あって、心臓が元気になりました。
後何年持つかわかりませんがとりあえずは・・・。
2012/4/3(火) 午前 0:42 [ たくあん ]
私も緊急に1本入れて頂き、仕事の関係で少し
間を空けてもう1本追加しました。カテーテル&
ステントのおかげで随分治療が簡単で手軽に
なった事に感謝ですね。今は私も元気にしていますが、
やはり精神的なダメージは意外と応えたようで
普段通りの生活に戻れたのは10ヶ月程した
最近になってからです。
2012/4/3(火) 午前 1:09