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手術の翌日。 8時の朝食はベッドでだった。
看護師さんにベッドを起こしてもらい、何とか飯を食う主人。
 
ちなみにこの看護師さんには大変お世話になった主人である。
手術直後に一回、夜中に2回ほど尿瓶の世話になる主人。 その度に主人のナニはこの看護師さんに摘んでもらったのである。
 
ここは公共の場なので、主人のそっち方面に関しての言及は避けるが、こんなに若いメスにナニを触られるなど、この十数年なかった事である。 少なくとも我輩は見た事がない。
我輩のあずかり知らぬところでの話は知らないが・・・。
 
だからこの看護師さんには特別な感情を抱いた主人であったが、午後に交代に来た看護師さんははっきり言ってもっと可愛かったので、苦も無く心変わりする主人であった。
 
 
時にこの病院の看護師はいったい何人いるのか、随分沢山居るようだ。
二交代制で主人が居た5日半の間に、述べ6人は来たのではなかろうか。
主人のナニを世話した看護師も一番のお気に入りの看護師も2回ずつ来たと思う。
 
 
 
10時頃、その可愛い娘ちゃんが来たのと同時に主人に歩行の許可が出た。
早速点滴を引きずりながらトイレに行く主人。 やはり尿瓶というものは快適とは言えないようだ。 
 
暫くしてその点滴も外れた。 担当医がやって来て傷の具合を見て問題無いと太鼓判を押された。
午後には主人、殆ど何の問題も無い生活が出来る様になった。
 
 
 
全く医学の進歩は大したものである。
カテーテルがなかった頃はバイパス手術しかなかったわけで、その前はと言うと何にも無かったわけだ。
開胸手術となれば、数週間の入院が必要になる。 ベッドから起き上がるだけで数日かかるのだろう。
それがカテーテルなら翌日にはなんとも無い生活が出来る。 なんとも凄い話である。
 
 
事前に大体一週間の入院と聞いていたので、退院は恐らく日曜日だろうと考えていた主人。
従って、木曜、金曜、土曜と、如何にして快適に過ごすかが問題であった。
 
 
手術からのストレスから開放されたからか、主人、腹が減って困るのである。
だからと言って何か買ってきて食うわけにも行かない。 何しろ運動がまだ出来ないので血糖値が心配である。 なんか食っていいかと聞いたら、ダメって言われるに決まってるし・・・。
 
 
 
それともうひとつ大きな問題が有った。 木曜日の夜から、安眠が出来ないのである。
なぜかと言うと、木曜日に隣に入ってきた親父のいびきが物凄いのである。
しかも決まって主人より早く寝てしまうのだ。
 
主人、HDDプレーヤーで音楽を聴きながら寝る事にした。 これでいびきは聞こえないが、だからと言って熟睡も出来ない。
しかも、窓際のベッドの窓の外は隣の建物の窓がある。 ほんの数メートルしか離れていないのだ。 
これが何の建物なのかわからないが、どうやらこの病院の施設らしい。 少なくとも入院病棟ではないようだ。
この窓、普段は使っているのかもわからないくらいなのだが、どう言う訳か夜中に突然電気が点くのである。
最初、一体何が起きたのかと驚いた主人である。 我輩も驚いた。
いきなり真っ暗な部屋の中がぼんやりと明るくなった。 自分の目がどうにかなったのか。 はたまた脳がいかれたのかと思ったほどである。
そんな具合なので、木曜の夜から三日間、殆ど夜に寝られなかった主人であった。
 
 
更に木曜の夜、不思議な出来事があった。
寝る間際。 主人は本を持って食堂に居た。 10時が消灯時間なので、そろそろ帰ろうかと思った時、ふと両腕の前腕部の内側あたりに痛みを感じた。 ちょっと筋肉痛のような感じであった。
こんな所の筋肉使ったっけかなぁ・・・と思いつつも気にせず寝ようとする主人。
隣の親父のいびきが凄い。 寝られない。 しかも腕の痛みが段々酷くなり、これが激痛へと変化していった。
 
主人、いつもの様に痛みを分析する。 主人は若い頃、ちょっと運動医学の様なものをかじった事があるので、痛みには結構詳しいのである。
これは明らかに神経ではなく筋肉の痛みだ。 関節でもない。 しかし不思議なのは腕の角度によって痛み方が劇的に変化する事だった。
仰向けになって両腕を腹の上に置くと段々痛くなってくる。 我慢できなくなる。
かと言って下に下ろすともっと痛い。 上に上げても痛い。 
手の平を上にして腕を伸ばす。 そして手首を外側に返すと物凄く痛い。
つまり前腕の内側の筋肉を伸ばすと痛いのだ。
 
この痛みが次第に尋常でなくなってきた。 こいつはまさか何か別の病気だろうか。
筋膜炎とかだったらどうしようなどと考える主人。
我輩、ここは何しろ病院なのだから、具合が悪いのならさっさと言えば良かろうと思うのだが、気の弱い主人は思わず内緒にしてしまうのだった。
大事にしたくない。 もう少し我慢していれば治まるかも知れない。 ついそんな風に考えてしまう気の弱い主人であった。
 
しかし4時頃、とうとう主人は我慢出来なくなったらしい。
ナース・ステーションに行き、そこにいた看護師に事情を話す。 
「どうしたんてしょうねぇ。」と主人の腕を見る看護師。 お前にわかるのかと我輩などは思ったが、主人はいたって正直に頼っている。
「特になんともなっていないみたいですけど、取りあえず湿布でもしてみますか?」
と言われた。
確かに見た目では全く変わったところも無いのだ。
 
肌色の紙の様なものを両腕に2枚ずつ貼られる主人。 そんなまじないで何の効果が有るのだろうかと我輩疑ったが、これが意外にも効果が合ったようで、それから主人は程なく眠りにつくことが出来た。 ヘッドフォンをしたままであったが。
 
しかし、実際に寝たのは2時間も無かった。 看護師が見回りに来る6時にはもう起きてしまった主人である。 今夜は2時間も寝ていないだろう。
 
翌日、腕の痛みは何故か治まっていた。 筋肉痛の様に手首を返すと痛いし、前腕の内側を押すと痛いのだが、大した事は無かった。
余計な病気でなくて良かったと胸をなでおろす主人であった。
 
 
金曜日、担当医が心拍のテストをした。 ランニング・マシンの様な物で歩いて、心拍数がどう変化するかを見るのである。
幸い、時速4キロほどで歩いても主人の心臓はびくともしなかった。
 
「大丈夫そうですね。 じゃあ、明日退院しましょうか。」
 
主人、一瞬絶句している。 「え? いいんですか?」と思わず聞き返す主人。
まさか土曜日に退院出来るとは思っても見なかった主人である。
 
「何時頃にしましょうか。」 「いや、そりゃもう、早ければ早い方が・・・。」
 
主人の顔が一気に明るくなった。
 
 
と言うわけで翌日の10時に主人は退院の運びとなった。
また寝られなかった主人であったが、幸い、隣の親父に襲い掛かると言った醜態も晒さずに済んだ様だ。 
もっとも、もう一日長かったら我輩の方が必殺の三本線をお見舞いしていたに違いない。 隣のおやじは命拾いしたようだ。
 
 
8時に最後の飯を食い、荷物をまとめて、10時になるまでのなんと長い事か。
主人、落ち着かずにウロウロしていた。
 
 
外は雨が降っていた。 だから帰りはタクシーに乗る事にした主人。
まだ体調は万全とは言えない。 何となくおっかなびっくりである。
何しろ心臓の血管にケーブルが通り、金属の部品が入ったのである。
ある意味主人、『サイボーグ』である。
 
 
 
 
こうして主人の『心臓カテーテル体験』が終わった。
こんな事ならもっと早く、最初に言われた時にやってしまえば良かったと、今となれば思える主人であった。
 
しかし、何しろ初めての経験である。 入院自体が小学校4年の時に扁桃腺の除去手術で入院して以来なのである。
 
やって良かったとは思えるものの、決してやりたくは無い経験である。
 
 
 
 
世の中には恐らく主人と同様の方もおられよう。
不整脈だと思っていたら、「狭心症」を併発しているかも知れない。
「カテーテル検査」は確かに入院が必要だし、高額医療である。 だからおいそれとは出来ないが、もし、『ちょっと怖いから』と言う理由でためらっている方がおられたなら、それは杞憂であると我輩言える。 
確かに快適ではないが、さほどの苦痛は無い。 下半身を裸にされてしまい、小便がちょっと不自由になるだけの事である。
それも48時間以内に解決するのである。
 
どんどんやれとまでは言わないが、怖がる事は無いと我輩申し上げておこう。
 
 
 
だからと言って我輩はそんな事真っ平ごめんであるが・・・。
 
 
 
に、にゃあ〜
 
 

閉じる コメント(2)

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ホントに医学の進歩に感謝ですね。私も親よりも
先に死ぬ罪だけは犯さずに済みました。現在は
そんな手術をした事さえ忘れてしまうほどです。

2012/4/6(金) 午後 9:23 ZUMA

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しかし最初にカテーテルなんてと言うのを考え出した人はすごいですね。
まさか足の付け根から心臓まで通すなんて、「んな、アホな」って感じですもの。
傷跡も殆ど残らないのですから余計にすごいですよ。

2012/4/7(土) 午前 0:30 [ たくあん ]


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