次に、図2のように、形状と巻き数がともに同じ二つのコイルA,Bを用意し、これらを斜面の裏側に同じように取り付けた。磁石を斜面の上端で静かに離し、これら二つのコイルの真上を通過させるときにコイルに生じる電圧をオシロスコープで測定した。このとき、コイルA,Bのそれぞれの両端に生じる電圧の時間的変化を表すグラフとして最も適当なものを、下の1〜4のうちから一つ選べ。ただし、図2の矢印の向きに電流が流れたときの測定電圧を正とする。また、グラフにおいて、電圧と時間の一目盛りあたりの値および原点の時刻は、A,Bの場合で同じとする。

1 A 2目盛りで電圧正 B 5目盛りで電圧急に正
2 A 2目盛りで電圧正 B 5目盛りで電圧小さく正
3 A 2目盛りで電圧正負 B 5目盛りで電圧急に正負
4 A 2目盛りで電圧正負 B 5目盛りで電圧小さく正負

正解は3
(i)磁石がコイルAに近づくとき、コイルを貫く上向きの磁力線の数が増加するので、その変化を妨げる下向きの磁力線をつくる電流を流そうとする向きに誘導起電力(電圧)が生じる。その向きは、右ねじの法則より、正の向きである。その後、磁石がコイルA上を通過して遠ざかるとき、コイルを貫く上向きの磁力線の数が減少するので、その変化を妨げる上向きの磁力線をつくる電流を流そうとする向きに誘導起電力(電圧)が生じる。その向きは、負の向きである。
よって、磁石がコイルA上を通過するときの電圧は正負である。

(ii)さらに、磁石は斜面を滑って速度が増加する。
磁石がコイルBに近づくとき、コイルAに近づくときに比べて、単位時間あたりのコイルを貫く磁力線の数の変化が大きくなるので、コイルBに生じる誘導起電力の大きさは大きくなる。その向きは、コイルAに近づくときと同じで、正の向きである。
その後、磁石がコイルBから遠ざかるときもコイルAから遠ざかるときに比べてコイルBに生じる誘導起電力の大きさは大きくなる。その向きはコイルAから遠ざかるときと同じで、負の向きである。
また、これらの変化に要する時間は、磁石の速度が速くなっているので、コイルAのときに比べて短くなる。よって、磁石がコイルB上を通過するときの電圧は急に正負である。
したがってグラフとして最も適当なものは3である。

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A 図1(a)(b)のように、薄いプラスチック板でできた斜面の裏に、図1(C)で示したようなエナメル線を巻いて作った円形コイルを取り付けた。この斜面の上端で磁石を静かに離すと、磁石は図1(a)に示した破線に沿って斜面をすべり、コイルの真上を通った。ただし、斜面と磁石の間の摩擦は無視できるとする。また、磁石の上面はN極、下面はS極であり、磁石は斜面上で常に等加速度運動をするものとする。
磁石NS 円形コイル プラスチック板 図1(a)

問1 コイルの両端の端子に検流計を接続した。最初、磁石を斜面の上端で静かに離すと、磁石はコイルの真上を通過して検流計の針が振れた。次に下のアまたはイのいずれかの操作のみを行って、それぞれ磁石を同じように斜面の上端からコイルの真上を通過させた。このときに検流計の針の振れの大きさは、ア・イのいずれの操作も行っていない最初の場合と比べてそれぞれどのようになるか。語句の組合せとして最も適当なものを、下の1〜9のうちから一つ選べ。ただしコイルのエナメル線の抵抗は無視できるものとする。
ア 磁石を、より強い磁石と取り替える。
イ コイルの巻き数を半分にする。

1ア大きくなる イ大きくなる 2ア大きくなる イ小さくなる 3ア大きくなる イ変わらない
4ア小さくなる イ大きくなる 5ア小さくなる イ小さくなる 6ア小さくなる イ変わらない
7ア変わらない イ大きくなる 8ア変わらない イ小さくなる 9ア変わらない イ変わらない
正解は2
コイルを貫く磁力線の数が変化するとコイルには誘導起電力が生じ、コイルの両端に接続した検流計には電流が流れる。コイルに生じる誘導起電力の大きさは、単位時間あたりのコイルを貫く磁力線の数の変化、およびコイルの巻き数に比例する。アでは磁石をより強い磁石にしたとき、磁場が強くなり、磁力線の数の変化が大きくなる。このとき誘導起電力の大きさが大きくなって検流計に流れる電流が大きくなるので検流計の針の振れは大きくなる。
イでは、コイルの巻き数を少なくしたとき、コイルに生じる誘導起電力の大きさが小さくなって、検流計に流れる電流が小さくなるので、検流計の針の振れは小さくなる。
したがって語句の組合せとして最も適当なものは2である。

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2013年
全23問
第1問 総合題 配点30点
標準 1〜6 

第2問 生活と電気 配点20
A 標準 7〜8 電磁誘導 
B 標準 9〜11 直流回路、消費電力

第3問 波動 配点18
A 標準 12〜13 凸レンズによる像 
B 標準 14〜15 音波の干渉

第4問 運動とエネルギー 配点32
A やや難 16〜18 斜面上でばねにつながれた物体の運動
B やや難 19〜21 摩擦のある水平面上での物体の運動
C やや難 22〜23 気体の状態変化

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軽い棒の両端に二つのおもりを軽くて細い糸でつなぎ、両方のおもりを密度ρの液体中に沈めた。図5のように、棒を点Oでつるしたところ、すべての糸はたるむことなく、棒は水平になって静止した。左右のおもりの質量はともにmであり、体積はそれぞれ2V,Vである。点Oから棒の左端までの距離aと、点Oから棒の右端までの距離bの比a/bを表す式として正しいものを一つ選べ。a/b=??

答え 

a  O  b
↓  ↓
Ta   Tb
↑  ↑
Ta   Tb
↑  ↑
2ρVg ρVg
○  ○
↓  ↓
mg   mg

棒の左側の糸の張力の大きさをTa,右側の糸の張力の大きさをTbとする。
点Oのまわりの力のモーメントのつりあいの式より
Ta・a=Tb・b
左右それぞれのおもりにはたらく力のつりあいの式より
左のおもり Ta+2ρVg=mg
右のおもり Tb+ρVg=mg
したがって
(a/b)=(Tb/Ta)=(mg-ρVg)/(mg-2ρVg)=(m-ρV)/(m-2ρV)
答えは4

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水の入った水槽に、すきまのある薄いついたてを上部が水面から出るように置く。ついたてに平行な波面を持つ水面波を送ると、波がすきまを通り抜け、ついたての背後に回りこむ様子が観察された。図4は回り込んだ波のある時刻での波面を模式的に表したものである。ただし、図は真上から見た様子であり、図中の矢印は入射する水面波の進行方向を示している。
この波の代わりについたてに平行な波面を持つ振動数が半分の水面波を送った。このとき観察される波面を模式的に表したものとして最も適当な図を一つ選べ。
1 波長が長いが回折がない
2 波長が長くついたてまで回折している
3 波長が短いが回折がない
4 波長が短くついたてまで回折している

答え 波は障害物の後方に回り込み回折する。波の速さをv,振動数をf,波長をλとすると、波の式より
v=fλ
振動数fが半分になると波長λは2倍になる。よって波長が2倍で回折している図を選ぶと、答えは2

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