うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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混合診療訴訟 全額自己負担は違法 東京地裁で国側敗訴
11月8日9時53分配信 毎日新聞

 保険診療と保険外診療(自由診療)を併用する「混合診療」を実施すると、
本来は健康保険が適用される診療も含めて治療費全額が自己負担となる厚生労働省の運用が
妥当かどうかが争われた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。
定塚誠裁判長は「厚労省の法(健康保険法)解釈は誤り」と指摘し、
原告患者に保険給付を受けられる権利を認めた。
混合診療を原則として禁止する国の政策を違法とする司法判断は初めて。
 訴えていたのは、神奈川県藤沢市の団体職員、清郷伸人さん(60)。
腎臓がんを患い、01年2月から保険対象のインターフェロン療法を受け、
同9月からは保険適用外の療法を併用した。このため治療費全額を自己負担すべきだとされ、
国を相手に保険適用の確認を求めて提訴していた。
 厚労省は(1)一つの病気で保険診療と自由診療が行われる場合、
全体を一体の医療行為とみて保険給付を検討すべきだ
(2)特定の高度先進医療など例外的に認められた混合診療以外に保険は給付されない
−−という健康保険法の解釈を示し、保険給付の対象外とするよう主張した。
 判決は「保険診療と自由診療を一体として判断すべき法的根拠は見いだせない」と
厚労省の法解釈を否定。その上で「個別の診療行為ごとに、保険給付対象かどうか判断すべきだ」
と述べ、合診療を事実上容認した。
 これまで厚労省は、所得のある人とない人の間で医療格差が生じる恐れがあることや、
安全性を確保する観点から混合診療を原則として認めず、保険を適用しなかった
判決は国の姿勢を根本から否定しており、現行制度に大きな影響を与えそうだ。【北村和巳】
 ▽水田邦雄・厚生労働省保険局長の話 極めて厳しい判決。
今後の対応は判決内容を検討し関係機関と協議の上、速やかに決定したい。
 ◇「制度改めてもらいたい」原告が会見
 判決後、会見した清郷さんは「全国の重病患者に影響する判決だ。
一刻を争う患者が望む治療を合理的な費用負担で受けられるように、国は制度を改めてもらいたい」
と感極まった表情で語った。
 清郷さんは「保険医療を受けている患者が、効果があると言われて保険対象外の薬を使おうとしても、
全額自己負担になれば踏み切る人はいない。それで、命を落とすこともある。
混合診療は弊害よりメリットが大きい」と訴えた。
 清郷さんの場合、保険外診療を併用すると、保険対象のインターフェロン療法の負担額が
月6万〜7万円から、約20万円に膨れ上がるという。
清郷さんは「判決は、国の制度に根拠がないことを明確にした。
日本の医療が大きく変わることを期待している」と話した。【北村和巳】

「望む医療受けたい」 混合診療で地裁判決 原告、厚労省に憤り
11月8日8時1分配信 産経新聞

 「混合診療」への保険適用を認める初判断を示した7日の東京地裁判決は関係者らに波紋を呼んだ。
原告の清郷(きよさと)伸人さん(60)は「厚生労働省は全面解禁すべきだ」と語ったが、
厚労省は「解禁の予定はない」と反発。一方で、混合診療解禁を求めている患者支援団体からは
「無原則に認めるのは問題」との声もあり、問題は複雑な様相を呈している。

 混合診療は、保険診療に自己負担で未承認の診療や薬を上乗せするもの。
医療費は全額が自己負担になる。厚労省は昭和32年の省令に基づき混合診療を原則禁止し、
違反した場合は病院に保険を給付しないなどの罰則もある。

 「全額自己負担になることで、望む医療を受けられず、命を落とすこともある。
生存権の侵害に当たるのではないか」。清郷さんは判決後、
混合診療を禁止する厚労省への憤りを隠さなかった。

 一方、厚労省は「有効性、安全性が確認されていない未承認の治療で
患者が不利益を受けることを防ぐため」と混合診療禁止の理由を説明。解禁の予定はないという。

 日本医師会も混合診療には反対の立場。「お金のある人はより高度な医療を受けられるようになるが、
貧しい人は限られた医療しか受けられなくなる」と主張している。

 患者側からは、特にがん治療で混合診療解禁を求める声が強い。
がん患者支援団体「NPO法人キャンサーネットジャパン」事務局長の柳沢昭浩さんは、
「国際的に有効性が確認されながら国内では未承認の抗がん剤を使ったら、
医療費が全額自己負担になるのはおかしい」と訴える。

 ただ、柳沢さんは「無原則に混合診療を認めるのには慎重にならざるを得ない」とクギを刺す。
有効性がまったく不明な民間療法のような診療にまで混合診療を認めることは、
患者を危険にさらす恐れがあるためだ。

 柳沢さんは「混合診療解禁には何らかのガイドラインが必要だろう」と、
部分的解禁の立場を取っている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000101-san-soci

この判決も、『司法による医療破壊』の1例として、後世に語り次がれるかもしれません。
確かに、『難治性のがんにおかされた患者さん』などにとっては、この判決は福音ですが、
『多くの患者さん、ご家族』にとっては、悪夢でしかありません。

記事にもあるように、

厚労省は「有効性、安全性が確認されていない未承認の治療で患者が不利益を受けることを防ぐため」と混合診療禁止の理由を説明。解禁の予定はないという。

とあります。
確かに新薬の認可は遅いですが、慎重を期すことは悪いことではありません。

しかし、

混合診療解禁はアメリカの要望であり、(混合診療解禁→医療保険市場の拡大)

財務省官僚などは、『金のない高齢者が早く死ねば、自分たちの汚点である年金問題も解決する』

と本気で考えていますから、
わざと控訴せず→混合診療解禁へ、と考えるのではないでしょうか。

以前取り上げた、自見庄三郎先生の記事です。
どんどん現実に近づいてきています…

アメリカに「右に倣え」の医療制度改革
『月刊/保険診療』07年1月号  特集「医療制度改革の真相」 より
http://www.jimisun.com/sinsou.htm
アメリカは1%の人間が国全体の資産の30%くらいをもっていて,
実に400家族が1兆円以上の資産をもっているんです。
その裏で,医療も受けられない無保険者が4700万人もいる。
アメリカの倒産理由で一番多いのはクレジットによる倒産で,2番目は医療によるものです。
4700万人は医療保険にも入れないから,病気になったら倒産してしまうのです。

アメリカの医療費はさぞや安上がりだろうと思うかもしれませんが,実態はまったく逆です。
総医療費は世界でダントツの190兆円です。日本は30兆円。
人口比で按分しても日本の医療費よりはるかに多い計算です。
アメリカは世界一の190兆円もの医療費をかけて平均寿命が世界で24番目ですよ。
一方,日本は世界一の長寿国です。その日本が,なぜアメリカの医療制度を
見習う必要があるんですか。
 確かにアラブの王様などにとってはアメリカの質の高い医療はいい医療なのです。
1日に100万円の治療費を払える人にとってはね。
日本の今の医療制度改革を進める人々は,国民の健康や命を考えてやっているのではなく,
ビジネスチャンスを作ろうと思ってやっているのです。
かつて,知り合いの大蔵官僚が言っていました,「どうして医療の混合診療に賛成しないんですか?
ものすごくビジネスチャンスが広がりますよ。今30兆の医療費がたちまち50兆くらいになりますよ」と。
また,厚労省の局長たちに話を聞いたときは,
「今30兆の公的医療を20兆に縮小して,あとの30兆は金持ちだけでどうぞやってくださいということ。
そこにものすごい落とし穴がありますよ」と言っていました。
混合診療とは要するに公的責任を放棄するということであり,
その穴を民間保険がビジネスチャンスとして利用するということなのです。

──混合診療が拡大して患者負担が増えると,民間医療保険に頼らざるを得なくなりますね。
自見 そこがアメリカの狙いだから。94年に日米包括経済協議によって、
外資系のみに保険の第三分野,すなわち医療保険や障害保険の販売が認められることになり,
自国市場でありながら,2001年まで国内の保険会社は参入が認められていなかったのです。
そして今,この医療保険が一番儲かるんです。
アメリカにとっては,自分たちが儲かるなら,日本人がのたれ死のうとどうでもいい。
自分たちが儲けるには,公的医療保険を崩さないといけない。
日本の公的医療保険があまりにもうまくいきすぎているから。
それが,一連の医療制度改革の隠れた動機です。
そのアメリカの意を受けて小泉以下,経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議が
公的医療保険を崩壊させるべく厚労省に圧力をかけ,マスコミを誘導しているのです。

「全額自己負担になることで、望む医療を受けられず、命を落とすこともある。生存権の侵害に当たるのではないか」。

多くの善良な国民が、医療費削減、民間保険参入により危機に晒されようとしています。
混合診療とは、日本医師会のコメントのとおりで、

「お金のある人はより高度な医療を受けられるようになるが、貧しい人は限られた医療しか受けられなくなる」

ということです。

このままでは、もうすぐそこです…
日本の皆保険制度は崩壊寸前です…

閉じる コメント(12)

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だからといって、混合診療がすべて駄目というのもおかしな話です。
事例が多すぎて簡単に認められないとは思いますが、患者さんにとって不利益なケースは一個ずつ解決していくべきです。
すべてが駄目と括る方法は、厚労省がしていることと同じではないでしょうか?
私は、患者さんに都合の良い混合診療は認めるべきだと思います。むしろ、悪用するのは医療側の配慮で随分防げると思います。
このままだと、どっちみちお金のない弱者はまともな医療は受けられません。

2007/11/8(木) 午後 7:59 瑞山

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私もこの判決は悪夢のはじまりのように思います。
医療を米国化して、民間保険会社を儲けさせたい経済財政諮問会議のメンバー、経済紙、経済界等は大喜びでしょう。先進諸国の中で、医療の米国化を目指しているのは日本だけですが、そのことを国民はあまりにも知らされていません。危険です。

この裁判を起こされた方も、患者団体も、無制限な解禁は危ないといっていることが大事ですが、このことはおそらく経済紙を中心としたマスコミにはあまり重点をおいて報道されないでしょう。

この問題は、構造が難しく、一般の国民にはなかなかわからないようです。見識のある方々が情報発信することを望みます。医療過誤の第三者機関のほうが進みつつある中で、今度は裁判所ですか、とやや辟易としてきます。

ちなみに私は医療従事者ではないですが、一国民として危惧を抱くことをここに表明いたします。

2007/11/8(木) 午後 8:59 [ 危惧 ]

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そもそも新薬等の保険への適用が適正で“迅速に”行われていれば、あまり議論にならないことだと思うのですが・・・。国家運営にとって医療はお荷物と、誰も口に出してはいわないけれど最近の風潮ってそういうことですよね。

2007/11/8(木) 午後 11:43 ひで

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瑞山さん、コメント有難うございます。
本当はこの判決は喜ばしいことなのですが…

われわれは、財務省や経済財政諮問会議の推し進める、
規制緩和、保険診療の縮小化を警戒していますので、
混合診療には好意的にはなれないのです。

混合診療が進んで
「あなたの保険ならこの程度しかダメだよ。あとは自費でね」
となってしまったら、
病気で倒れてしまう前に、破産で倒れる国民が続出します。

患者さんにとっても、そして批判の矢面に立たされる医療者にとっても
悪夢だとは思いませんか?

2007/11/9(金) 午前 10:50 さすらい泌尿器科医

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現場に接している医師が、患者の側に立って
混合医療に反対しているのに、
医師=既得権益にしがみつく抵抗勢力
と位置づけようとしていますね。

逆に、アメリカは
次期大統領が日本の医療を目指しているようなんですけど、
そのあたりは、役人どもは無視のようです。

2007/11/9(金) 午前 11:48 gra*en*120*1

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アメリカが日本の医療制度を目指しているのは、国民の負担が少なくて済むという大統領選に向けてのポーズだと思います。
今のアメリカで日本流の制度を持ってくれば、膨大な費用を国が負担することになり、防衛費を削ってまでするような国ではないと思います。(未だに、人種差別のある国です、一票は大事ですが、人命はそれ程に思っていないと私は感じます)

混合診療を一括りに考えないということが大事だと思います。

2007/11/9(金) 午後 0:01 瑞山

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危惧さん、はじめまして
ご指摘の通りで、11月8日の日本経済新聞で、
八代尚宏国際基督教大学教授は、「画期的判決」と評価して、
「公的な保険診療は財政的制約もあって急拡大できないが、
個人負担で受ける自由診療が増えれば技術の進歩につながる」
とコメントし、規制緩和路線がより進むことを期待しています。
(web見つかりません…)

医療の米国化はどんどん加速していきそうです。
マスコミ報道も、C型肝炎一色ですしね…

2007/11/9(金) 午後 1:11 さすらい泌尿器科医

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hideharu先生、コメント有難うございます。
仰る通りで、新薬等の保険への適用が適正で迅速に行われていれば
こんな問題は少なくなりますよね。

>国家運営にとって医療はお荷物
それでいいのでしょうかね…

2007/11/9(金) 午後 1:15 さすらい泌尿器科医

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grace先生、コメント有難うございます。
>次期大統領が日本の医療を目指しているようなんですけど
ヒラリー氏は以前、日本の皆保険制度が、
医療従事者の聖職者のような努力に支えられている事を知って、
導入を諦めましたよね。
それをまた言い出したのは、瑞山さんの仰るように選挙対策でしょうね。

医療保険業者から献金を受けているそうですし…
本気でアメリカに『日本型の国民皆保険制度』を導入する気は、無いでしょうね。

2007/11/9(金) 午後 1:38 さすらい泌尿器科医

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瑞山さん、重ねてのコメント有難うございます。
仰るように、アメリカが防衛費を削ってまで、
『日本型の国民皆保険制度』を導入する事は無いでしょうね。

多くの国民にとっては、国民皆保険制度を守り、
保険診療の縮小化を防ぐことの方が
今後とも、より良い治療を受け続けられると思います。

2007/11/9(金) 午後 1:46 さすらい泌尿器科医

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はじめまして。転載させてくださいm(__)m。

2007/11/10(土) 午前 8:56 ほさな

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ほさなさん、こちらこそはじめまして
転載有難うございます。
>経済的環境で、受けられる治療も“格差”が出るなんて
>この時代 オカシイよ(-"-)。
本当にそうですよね。
これからも宜しくお願いしますm(__)m

2007/11/10(土) 午前 10:57 さすらい泌尿器科医


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