うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080220-00000139-san-soci
3500万円で麻酔科医を募集 市立泉佐野病院
2月20日16時46分配信 産経新聞

 大阪府泉佐野市立泉佐野病院が、公立病院では異例の高額となる
最高3500万円の年間報酬を条件に麻酔科医3人を募集していることが20日、分かった。

 最近の医師不足に加え、現在の常勤麻酔科医4人が3月末で辞職することが確実になっていた。

 病院は「救急対応を含む手術には麻酔科医は不可欠。拠点病院としての機能を維持したい」
と説明している。

 病院によると、年間報酬は勤務日数に応じて2500万〜3500万円。
経営トップで特別職の病院事業管理者の2倍以上となる。
病院の常勤医師は平均1350万円程度という。

報酬年3500万円、麻酔科医を募集 大阪・泉佐野市
2008年02月20日10時03分 朝日新聞

 関西空港の対岸にある大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院で、
激務などを理由に麻酔科の常勤医が一斉退職する見通しとなり、後任の医師を確保するため、
病院側が最高で年3500万円の報酬を雇用条件に提示していることがわかった。
麻酔科医が不在になれば、救急対応を含む大半の手術ができなくなる。
拠点病院としての機能低下を防ぐ窮余の一策としている。

 同病院の麻酔科には現在、4人の常勤医師がいるが、いずれも3月末で辞職する可能性が高い。
一部の医師が昨年末に辞職を願い出たのを機に、残る医師も「補充なしで手術室を支えられない」
と退職を決めたという。

 年収3500万円は病院事業管理者(特別職)の約2倍。厚生労働省の調査(昨年6月時点)では、
自治体病院勤務医の平均年収は1427万円で、これと比べても突出している。
同病院は所属先のない「フリー」の麻酔科医に1日約12万円の報酬を支払っているといい、
この水準をもとに年収をはじき出した。今月1日から大学などに要請する形で募集を始めたところ、
これまでに数件の引き合いがあるという。

 同病院は全国に3カ所しかない「特定感染症指定医療機関」の一つ。
今夏をめどに、産科医療の中核施設「地域周産期母子医療センター」となる予定で、
緊急手術に即応できる常勤麻酔科医の確保が急務だった。
市幹部は「ほかの医師の給与に比べて高すぎる、との指摘が内部にあったが、
手術ができない事態は避けねばならない」と話す。

手術減、経営痛手 麻酔医確保に苦渋の厚遇 泉佐野病院
2008年02月20日 朝日新聞

 3500万円は正当な報酬なのか。大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院が
麻酔科の常勤医確保のために掲げた厚遇は、
現状の労働環境では地域医療が守れなくなっている実態を浮かび上がらせた。
ただ、全国最悪レベルの財政難にあえぐ市で、異例の高額報酬が論議を呼びそうだ。

 同病院には従来、奈良県立医科大が麻酔科医を派遣していたが、医局員の減少を理由に撤退。
病院側は昨年度、国立循環器病センター(大阪府吹田市)から副院長を招き、
その人脈で常勤医を確保していたが、以前より医師が1人減り、
年間2千件前後の手術を担う麻酔科の過酷な労働が深刻になっていたという。

 運転資金の不足を示す同病院の不良債務は06年度末で約10億円。
今年度はさらに数億円増える見込みで、1540億円もの借金を抱え、
財政再生団体転落の危機にある市にとって、同病院の赤字減らしは喫緊の課題だ。

 同病院では現在、麻酔科医の負担を少なくするため、手術件数を大幅に減らしており、
多くの救急搬送などに対応できない状況が続く。同病院事務局は「手術を減らせば収益悪化に直結する。
麻酔科医が不在になり、さらに手術が少なくなれば病院経営に大きな痛手となる」と説明する。

 勤務医の報酬をめぐっては、三重県尾鷲市が05年、産科医を年5520万円で確保した例がある。
林行雄・大阪大医学部付属病院教授(麻酔)は「激務や待遇面で大学でも麻酔科医が去っており、
高額報酬で募集せざるを得ない事情は理解できる。
だが、手術はチームで行うもので、麻酔科医だけの厚遇は感情的しこりが残りかねない。
あくまで一時的対策と考えるべきだ」と話す。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802190074.html

この

3500万円の年間報酬

はインパクトがありますね。

もちろん、労働に見合った正当な報酬をわれわれは求めていますが、
お金だけで職場を決めている訳ではありません。

いくら報酬を貰おうとも、激務で身体を壊しては意味がありません。

われわれは、給与より労働条件の改善を求めているのです。

本来は泉佐野市や市立泉佐野病院はこういった高額の募集を出すより前に、

いま働いている先生方の待遇を改善するべきなのです。

(今から間に合うかは不明ですが…)
今まで4人でやっていて、

以前より医師が1人減り、年間2千件前後の手術を担う麻酔科の過酷な労働が深刻になっていた

のですから、

多くても3人では、就職した麻酔科医の先生方が過労死しないか心配です。

まともな労働環境を形成するためには、6人いや8人は必要ではないでしょうか?

『異例の高額報酬』を貰っていることはバレているのですから、
外科系の先生方は遠慮なく手術を増やすことでしょう。
恐ろしい雰囲気でしょうね…

もちろん、こんな『異例の高額報酬』を払われるのは
麻酔科医の先生方が悪いのではなく

麻酔科医が『レアメタル』並みの希少な存在になってしまったことが問題なのです。

その原因はもちろん、

あくまでも『医師は偏在している』と強弁し、医師不足を認めなかった、政府・厚生労働省の政策が原因です。


泉佐野市などの地方自治体は、国の失政の尻拭いをさせられているだけです。

しかし、役人は本気で病院を立て直す気があるのでしょうか?
最後の記事中にある『尾鷲市の産科医』のケースもそうでしたが、

なぜ、給料をマスコミに話す必要があるのでしょうか?

転職会社や、お願いしたい大学医局にのみ伝えればいいだけのことなのです。

この高額給与のリークは、
医師に対する敵意を増幅させる狙いがあるのかもしれません。
マスコミはあくまでも医者嫌いですから、喜んで飛びつくでしょうし
就職した麻酔科医もやりにくいこと、この上ないでしょう。

全国最悪レベルの財政難にあえぐ市で、異例の高額報酬が論議を呼びそうだ

手術はチームで行うもので、麻酔科医だけの厚遇は感情的しこりが残りかねない

といった雰囲気の中で働くのは私には不可能です。

『尾鷲の産科医』のように短命に終わるか、応募が無いかのどちらかでしょう

そして病院を潰す…というのが
狡猾な役人と医療費を削減したい厚労省の狙いかもしれませんが…

閉じる コメント(18)

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まさに、進むも地獄退くも地獄の状態ですね…応募すれば金に目が眩んだ強欲医師のレッテルを貼り付けるのでしょうし、応募がなければ一体どれだけの金額を要求するつもりなんだ…とどちらに転んでも、得意の世論誘導で一斉攻撃をかけるつもりでしょうから。
私が、麻酔科医であったとしても勤務するつもりは全くありません。一斉退職する勤務状況がどのようなものであるかは、簡単に想像出来ますから…
私が勤務先に求めるものは、多額の給与よりも「時間外勤務と当直は別物とする」「当直は何でも受け入れますとは決して表明しない」「後出しジャンケンをしかけられてもキチンとバックアップしてくれて、後ろから矢を放つ様な事はしない」病院ですが、この条件ですら満たして頂ける所は現状では無いでしょうから…

2008/2/21(木) 午後 6:11 [ 内科医研究中 ]

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第2の尾鷲ですかね。
他のブログでの受け売りですが、これは努力しているポーズで、
あえて年収をマスコミに垂れ流し、「泉佐野市としてはここまで努力しました、来ないのは医師が悪い」と言わんばかりですね。
年収・労働条件を公表なんてせず、ちゃんと医師を集めている病院もあるみたいですから、病院によって差が出てきているみたいですね。

2008/2/21(木) 午後 9:22 [ bei**252*25 ]

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最近はフリーの医師が増えているらしく、1日12万円支払っているそうです。
それをもとに算出すると3500万円になったと。。(日経新聞による)

だから「大阪の医師は、この年収でガップリと稼ぎに行くんだあー。」と思いましたが、、皆様のコメントを読むと、全然そうではないみたいですね。。

地獄。。ですか。。

2008/2/21(木) 午後 9:44 [ yoc*_c*n*er ]

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現在進行中の割り箸事件の一件や、大野病院の一件が良い方向に転ばない事には、いくら金をつぎ込んでも厳しい気がします…。

いくら給料が増えても、司法のトンデモ判決1発で人生アウト…じゃ、なり手がいなくなるのも当然だと思う訳で…。

司法が「医療の限界」と「医療ミス」の区別が出来てない現状から変わらない限り、小児科・産科・麻酔科はもちろん、他の科の医師も、安心して医療行為が出来るとは思えないです…。

2008/2/21(木) 午後 10:09 [ KRTさん ]

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先生、おはようございます。年俸3500万円の麻酔医。高いのか安いのかは私にはわかりません。しかし、プロ野球の二流どころの選手よりは世の中に貢献しているはず。しかも、人が少ないんだから、年俸が上がるのは普通のような気がします。もっとも、この条件でほんとに人が来るのかどうかは知りませんが。
でも、この「3500万円」のインパクトは結構あったと思います。昨日(木曜日)の朝のテレビニュースで取り上げられていましたから。と言うわけで、マスコミに「3500万円」を打ち明けたのは、思わぬ「宣伝効果」があったと思います。少なくとも、「医療現場はえらいことになっている」というのを世間の人に広めるのに一役買ったと思います。もっとも、泉佐野市がそんなことを考えて給与をマスコミに言ったのかどうかはわかりませんが。

2008/2/22(金) 午前 3:04 [ 3番目の落書き ]

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麻酔医は本当に激務だと思います。朝8時から手術が始まり、数件の手術が終わって午後6時ごろに仕事が終わったと思ったら、術後縫合不全の緊急手術が午後8時ごろから始まり、これが午前0時ごろに終わったら、脳外科の急性硬膜下血腫の緊急手術が午前1時から始まり、午前4時にやっと終わって、3時間ほど仮眠を取ったら、また翌朝8時からの定時手術が始まるみたいな状態が365日休日もほとんどなく(定員3名なら3日に1日は当直)、病院を退職するまで永遠と続くわけですから。これはお金の問題ではなく、ちゃんとした休息と睡眠時間があるか否かの問題です。フリーの麻酔科医を10名ほど雇って、交代で勤務させた方が良いのではないでしょうか。

2008/2/22(金) 午前 7:34 [ 素人2 ]

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内科医研究中先生、コメント有難うございます。
数件の引き合いはあるそうですが、
実際に決まるかは別問題ですよね。
どうなる事でしょうか?生温かく見守っていきます。

>「時間外勤務と当直は別物とする」
>「当直は何でも受け入れますとは決して表明しない」
>「後出しジャンケンをしかけられてもキチンとバックアップしてくれて、後ろから矢を放つ様な事はしない」病院…
真ん中はともかく、一番目は満たしている病院は殆どないですよね。
最後はそういう目に逢わないことを祈るしか…(笑)

2008/2/22(金) 午後 3:12 さすらい泌尿器科医

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beiow先生、コメント有難うございます。
仰る通りで、努力しているポーズでしょうね。
年収など、公表されないほうが働き易いに決まってますから…

2008/2/22(金) 午後 3:15 さすらい泌尿器科医

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yoco_cancerさん、コメント有難うございます。
>この年収でガップリと稼ぎに行くんだあー
確かにこれだけ貰えれば、不足があろうハズがありません。

ただ、身体は壊しそうですし、
周囲の冷たい視線に耐えられる根性も必要です。

2008/2/22(金) 午後 3:22 さすらい泌尿器科医

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都築てんがさん、コメント有難うございます。
>いくら給料が増えても、司法のトンデモ判決1発で人生アウト…
>じゃ、なり手がいなくなるのも当然だと思う訳で…。
麻酔科はそれほど訴えられるリスクは高くはないですが、
激務で過労状態では、どんなミスをしてもおかしくはないですよね。

それで人生終わりですからね…

2008/2/22(金) 午後 3:26 さすらい泌尿器科医

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3番目の落書きさん、コメント、トラックバック(別の記事ですが)
有難うございます。
やっぱりこちらからは上手くいきません。すいません。
>少なくとも、「医療現場はえらいことになっている」というのを
>世間の人に広めるのに一役買ったと思います。
なるほど、妬まれるだけかと思っていましたが、
そういう見方もありますね。

小手先の診療報酬改定などで、医療が改善しないことに
多くの国民は何時になったら気付くのでしょうか…

2008/2/22(金) 午後 3:37 さすらい泌尿器科医

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素人2さん、コメント有難うございます。
>これはお金の問題ではなく、
>ちゃんとした休息と睡眠時間があるか否かの問題です。
その通りだと思います。
人間的な生活を送れないと辛いものがあります。

>フリーの麻酔科医を10名ほど雇って、
>交代で勤務させた方が良いのではないでしょうか。
それは一見、良い方法に思われますが、
フリーの麻酔科医を、休日・夜間の緊急手術に呼び出すことは基本的に不可能です。
また、ICUの管理をさせる訳にもいきません。

病院や外科系の医師にとっては、
「気軽に呼べる」常勤の麻酔科医が居るととても便利なのです。

その負担を嫌って、麻酔科の先生方はフリーに転進するのです。
圧倒的に人出不足ですから、職には全く困りません。

2008/2/22(金) 午後 3:47 さすらい泌尿器科医

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麻酔医は昔から人手不足ですから、それくらいの額は普通かもしれないですね。僕の公立病院時代、婦人科はいくらお願いしても、自科麻でした。昔はそれでもなんとか回してましたが、婦人科も人がいないので、麻酔に人をさけないでしょう。そうなると、術中はレスピレーター君!それが許される時代でもないです。それで、麻酔医の不足に加速がつくでしょうね。

2008/2/22(金) 午後 6:17 [ obg**e191 ]

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お医者様の会話に踏み込んで、あつかましい限りですが、世の中の先生方皆さん、そのくらい収入あって、当たり前だと思ってましたから、あまりにお仕事にふさわしくない収入に驚きました。と言うと失礼でしょうが、麻酔科に限らず医師の相場はそれくらいないと、やってられないと思います。麻酔科だけ,なんてひどいですね。確かに麻酔科は大切だし、多ければ多いほどいいですよね。私たち患者も執刀の先生たちと麻酔科の先生のおかげで安心して手術受けられます。
でも医療は麻酔科だけでなりたっているわけではないでしょう。
医師に多くを期待し、命をあづけたいと思うならば、その位の額で多くはないと思います。ひどいですね。 政府の医療費の財源はほんとにひっ迫しているんですかね・? 今後の対策も焼け石に水状態でしょう?其の場しのぎの議論で通り過ぎないでほしいです。主旨とちがってごめんなさい。

2008/2/23(土) 午前 4:37 [ love_daigo98 ]

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上記コメントにコメントしますが、問題は給与額ではないということです。人間の生理を無視した過酷な勤務時間ではたとえ1億円を提示されてもこの病院へは誰も行かないのではないでしょうか。睡眠不足でもうろうとして体は鉛のように重く胃がむかむかして吐き気がする。やっと数時間寝れたと思ったら、もう翌朝の仕事が始まる。この地獄のような状態が病院を辞めない限り永遠に続くのです。48時間ほとんど寝られない勤務は本当に地獄です。退職した麻酔医も決して給与額が問題なのではなく、体力・気力が限界だったからです。

2008/2/23(土) 午前 7:55 [ 素人2 ]

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obgyne先生、コメント有難うございます。
自家麻酔…、特に産科の先生方は多いと聞きます。
(夜中の緊急カイザーに麻酔科の先生が来てくれる病院の方が少数ですよね)
嫌なものですよね。
このご時勢、もし麻酔でトラブったら
「麻酔科専門医が麻酔を担当していなかった」
というだけで賠償額は跳ね上がります。

それも産科崩壊の大きな理由ですよね。

2008/2/23(土) 午後 1:51 さすらい泌尿器科医

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love_daigoさん、コメント有難うございます。
>医師に多くを期待し、命をあづけたいと思うならば、
>その位の額で多くはないと思います。

>今後の対策も焼け石に水状態でしょう?
>其の場しのぎの議論で通り過ぎないでほしいです。
そう言って頂いて有難うございます。
そのような声がどんどん大きくなれば、
今、必死に前線を支えている先生方の心の支えとなります。

何とかして、医療費を含めた社会保障費を大幅に増額させたいですね。
道路と人の命とどっちが大事ですかね。

2008/2/23(土) 午後 2:01 さすらい泌尿器科医

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素人2さん、重ねてコメント有難うございます。
>退職した麻酔医も決して給与額が問題なのではなく、
>体力・気力が限界だったからです。
その通りですね。
お金の問題だけでしたら、
泉佐野市が「給料を3,500に上げる」と言ってるのですから、
残留しますよね。

その条件でも一斉退職するほどの、酷い勤務状況だということですね。
労働条件の改善には、先立つものも必要ですけどね…

2008/2/23(土) 午後 2:06 さすらい泌尿器科医


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