うろうろドクター

日本の医療現場は、訴訟リスクにおびえ、過重労働で疲弊しています。少しでも良くなることを願ってブログを書いています。

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〜 ウソをつく官僚は、クビを切るしかない 〜
川口恭 2008年06月28日

昨日、舛添要一厚生労働大臣のインタビューを行いました。
ロハス・メディカル8月号で『ビジョン』の特集を行うのに併せたものです。
あまりにも内容が面白いので先行して公開いたします。

――『安心と希望の医療確保ビジョン』のセールスポイントを教えてください。

一番、国民が心配しているお医者さんの不足、
奈良で妊婦さんがたらい回しされて大阪へ連れて行かれて死産したとか、
そういう話がいっぱいありますでしょ。小児科が足りないとかね。
そういう問題に対して、基本的に厚生労働省担当相として
どう対応するか考えましたということです。

国民みんなが足りない足りないと思っているのに、
平成9年の閣議決定以来、歴代の厚生労働大臣は役人にそそのかされたのか、
医師は十分にいると答弁し続けてきた、偏在しているだけだ、と
そんなの普通の人から見たら違うんじゃないのということで、国会答弁から変えた。
まず一つはお医者さん増やすよ、医学部定員削減の閣議決定を見直すよ、それが第一。
それからもう一つは地域、現場中心主義だということ。
霞が関に座っていて医療の現場が分かるわけないんで。
現場中心で現場の地域のネットワークをいかに構築するかっていうことで。
周産期医療センターなんてのやっているけれど、それがない宮崎の方が
むしろうまくいっているというのは、ハコモノなんか作ったって人がいなければダメなのね。
ハコモノなんかなくったってちゃんとやっている所はある。
たとえば江戸川区の医師会とか、見に行ったけれどそうだった。
で、26日に行った日野市立病院のように立派なNICUのハコモノなんか作ったって、
お医者さんがいなかったら閉鎖されて生きてない、と。
だからやっぱり、現場を見て地域のイニシアチブを大事にしてやりますよ、ということ。
それから3番目の柱は、やっぱり国民も協力してくださいということ。
兵庫の県立柏原病院に来週行きますけれど、あそこのお母さんたちの
『小児科を守る会』があるでしょ、ああいう実質的な活動で
1円もかからないで小児科の負担を減らすことができている。
だから日野市に行った時に、市長と地元の国会議員に日野市で同じことしなさいよと言いました。
何度も言っているんだけれど、現場が第一であって、
霞が関で紙と鉛筆でやってる財務官僚も厚生労働官僚もダメだってことなんですね。

それからもう一つは、ただ予算を増やして人を増やせばいいのかといえばそうじゃない、と。
改革はやっぱりやらなきゃいけないんで、ムダを排し効率的な医療体制を築く、と。
じゃあどうやってムダを省くんですかっていう時に、自分たちの権限は縮小しない形で、
天下り先は確保したまま、規制権限を強化したまま、そうじゃないだろう、と。
私が言っているムダを省けというのは、官僚たちがやっている規制のせいで
金がかかってるんじゃないのということ。だったら規制外せばいいじゃない。
たとえば医療機器だって規制でがんじがらめにしているからアメリカの何倍の価格にもなる。
それから、何枚も何枚もお医者さんが紙を出さなきゃいけないから、
それだけでお医者さんの時間がなくなっちゃう。その書類作成の時間がなくなるだけでも、
コスト的に相当のはず。要するに規制緩和をちゃんとやる。
国民の安全にかかわるところを何だ、みたいな議論にすぐするけれど、
そういうすり替えはダメですよ、とそういうことですね。だから改革はちゃんとやるんですよ。

それで例えば数字的に言うとですね、2500億円かかるとしたなら、
それを全部国民にツケるんじゃなくて、今言ったような改革をやって
半分の1250億円は改革でムダなやつを潰して産み出していく、と。
俺なんかでもそうだけれど、薬なんかでも何種類ももらって残している薬があるじゃないかと。
あんなものを効率よくするにはどうしたらよいか、そういうことを考えないといけない。
レセプトの無料開示で良くなっている面もある。それで半分の1250億円を国民の税金でいく、と。
2500億円というと、国民1人あたり2000円だから、
千円札2枚は要求しませんから1枚は出してください、と。
これが姿勢なんですね。ビジョンの最初に改革と言ったのはそういうことです。

――医師数をどこまで増やすか、具体的な数を挙げることは可能ですか。

『骨太の方針08』では過去最大限のところまで行くというのが注釈で書いてあります。
それを上限とするニュアンスがないようにしましたから、
とりあえずそこまで増やすと8360ですね。今から500ぐらい増えるのかな。
色々なシミュレーションをやって、やっぱり年間400ぐらいずつ増やしていくってのは
解消策として妥当なところだと思うけれど、それはまた多すぎるのか少なすぎるのか色々議論して。
その議論の前提は、週に80時間、90時間働いているという人は
本来1人じゃなくて2人いれば40時間から50時間で済むはずなんで。
人として当たり前の働きをする前提です。生身の体で自分が病気になっちゃったら仕方ないんで。
今、医者が足りているからいいじゃないかと言うんじゃなくて、違うんですよ、
この人は80時間働いているんですよ、もし40時間にするんだったら倍いるでしょう。
そういう論理できちんと計算していくということです。

もう一つは、介護士、看護師、助産師といったコメディカル、
メディカルクラークも含めてですけれど、それをもっと活用する、
スキルミックスをやっていくと、これをもっとやっていく。
その時にも、お金がなくてスキルミックスができるわけがなくて、
だから看護師の数をガっと増やす、質を上げる、こういうことをやらないといけないと思います。
それも一つの大きな改革の目玉だと思います。
――患者・国民がビジョンに対して協力できることは何でしょう。

たとえば柏原病院の例のように、コンビニ診療をやめてください、ということですね。
『柏原病院の小児科を守る会』のパンフレットを見て、ウチにも小さな子がいるから、
いいなと思って家に置いているんです。この子の顔色がこうだったらすぐ救急車呼びなさい、
こうだったら熱冷ましてから呼びなさい、こうだったらこの薬を飲ませなさいと
フローチャートで書いてある。あれは、小児科を守る会が自らトリアージの仕方を
住民に教えたんですね。それからもう一つは赤ちゃんが調子悪かったら昼間診せなさいと。
昼間子供を放ったらかしておいて、夜中にパニくって救急車呼んで、
そうするとそんなのが1人で当直しているお医者さんのところへどんどん来る。
診ても大したことないのに、その間に本当に緊急の子供が来た時にもう診られない。
だからトリアージを国民にもやってもらう。
乱診乱療じゃないけど、コンビニ診療をやめる、こういうこと。

つまり、あなた命守りたいんでしょ、お医者さんいなかったら困るでしょ
看護師さんいなかったら困るでしょ、なのに逃げて行ってますよ。
くだらない負担をかけるからですよ。無駄な負担をかけないようにしましょう
ということですね。

厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、
あなたが頑張ってくれないとダメ、オールジャパンでやる話なんですよと。
やはり患者側の協力がなければ。病気を治すんでもそうですよね。
お医者さんの言うこと聴かないで勝手やってたらダメで、
やっぱり養生しなさいと言った時にちゃんとやってくれるかどうか、非常に大きいと思いますね。

――予算を取るために患者・国民が協力できることはありませんか。

それは、いかに地域医療が疲弊しているか、最低の安心である、
セーフティネットである医療がここまでヒドイ状況になっているとちゃんと訴えることが必要
だと思います。最終的には選挙で判断すればいいんでね。
いずれにしても、国民がきちんとやるかどうか。
やはり大変な状況であることをきちんと知らしめる。
それでこっちも協力するから、政府もやってください、と。
道路も必要だけれど、目の前で失われかけている命を救うのかどうするのかというのは
真剣に考える必要があると思うんですね。
(続く)
http://lohasmedical.jp/blog/2008/06/post_1263.php#more

私も、かつては『なにが「家庭だんらん法」だなどと非難していましたが、

最近の「医学部の定員削減見直し」などでの活躍は認めます。
このインタビューもいい内容です。

週に80時間、90時間働いているという人は本来1人じゃなくて2人いれば40時間から50時間で済むはず

まったくその通りです。
医師の過重労働を改善する事は、患者さんの安全の向上に繋がります。
是非ともお願いしたいものです。(予算もちゃんとつけてね)

あなた命守りたいんでしょ、お医者さんいなかったら困るでしょ、看護師さんいなかったら困るでしょ、なのに逃げて行ってますよ。

くだらない負担をかけるからですよ。無駄な負担をかけないようにしましょう

その通りですが、厚生労働大臣の口からこの言葉が出たことに意義があります。

厚生労働大臣が頑張るとか、お医者が頑張るとか、看護師が頑張るだけで救われる問題ではなくて、あなたが頑張ってくれないとダメ、オールジャパンでやる話なんですよ

道路も必要だけれど、目の前で失われかけている命を救うのかどうするのかというのは真剣に考える必要があると思うんですね。

その通りです。
国民全体で頑張って、知恵を出し合って解決しなければいけない話です。

閉じる コメント(10)

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なんだか胸のつかえが取れますね。
これをもっと多くの国民に知ってもらいたいし、実行してもらいたいです。霞が関の机の上の論議ではなく、現場の実態を見てくださっていることが大きな意味があると思います。

2008/6/30(月) 午後 6:36 かいつま(開 妻)

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やっと〜お日様が〜

チラ見ですみません。

しつれいします・・・

2008/6/30(月) 午後 6:38 [ ☆みーちゃん☆ ]

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開妻さん、コメント有難うございます。
現場を見ずに対策をしても無駄ですからね。
それだけでも、大臣は官僚に勝りますよね。

医療崩壊は国民全体で何とかしないといけない課題ですよね。

2008/6/30(月) 午後 7:37 さすらい泌尿器科医

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おジャマします。イイ記事を紹介、ありがとうございます。

ここまで現状をしっかりと認識しているとは正直思いませんでした。期待できますね。

2008/6/30(月) 午後 8:13 [ mosriteowner ]

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素晴らしいブログありがとうございます。
そうですね、国民一人一人がもっと理解し実行することが必要だと思います。毎日忙しいとは思いますが、これからも頑張って下さい。

私は、今マイアミにある医療関係の市場調査の会社で働いています。弊社は医療関係の先生方、看護師さん、介護士さんの方、患者さん方やそのご家族の方にアンケートをとり、混合しやすい似通った薬品名の処方箋ミスなどを防ぐ事を目的としています。
そこで、うろうろドクターさんにもぜひアンケートにご参加していただけたらと思っております。今回は糖尿病についてのアンケートです。もし、宜しければお手数ですが私のブログを訪ねてアンケートにご参加して頂けないでしょうか?ご協力お願い致します。

2008/7/1(火) 午前 4:07 [ マイアミ ]

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トラックバックさせていただきました。

2008/7/1(火) 午前 7:15 かいつま(開 妻)

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mosriteowner先生、コメント・トラックバック有難うございます。
私も期待しています。

官僚や族議員の抵抗は強いと思われますが…

2008/7/1(火) 午後 1:24 さすらい泌尿器科医

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マイアミさん、コメント有難うございます。
アンケートは途中までやってみたのですが、
殆ど使ったことの無いクスリばかりでしたので、止めてしまいました。
すいませんm(__)m。

2008/7/1(火) 午後 1:28 さすらい泌尿器科医

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開妻さん、トラックバック有難うございます。
今後とも宜しくお願いします。m(__)m

2008/7/1(火) 午後 1:29 さすらい泌尿器科医

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はじめまして
いいブログですね^^


よかったらわたしのブログもみてくださいね

為になるかも

2008/7/3(木) 午前 10:11 [ しろ ]

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